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2012年7月 8日 (日)

AKB0048 第8話

 オリジナルの名前を引き継ぐ事は、研究生達の
共通の夢です。でも仲良しの子と同時に襲名できる
とは限りませんし、ずっとメンバーで居続けるのも
難しいでしょう。その時どうするか、という所で、
あちこちで女の子2人ずつの思いが交錯している
ようです。凪沙と智恵理もだんだん打ち解けてきて
いますし、いろいろな百合が見られそう?

 テレビアニメ「AKB0048」、第8話「その名は、
誰のもの?
」です。
 カザフスターへ出向いている襲名メンバーの代理
としてアンダーのステージをこなした彼方、美森、
智恵理、そして76期生の恵。迫力のある歌と
ダンスを見せた彼女達を目の当たりにして、他の
研究生達は彼女達を絶賛する。一方、襲名メンバー
達が参加していた平和式典でのステージの様子も
映像で届いてくる。彼方は、自分よりもはるかに
素晴らしいパフォーマンスを見せるみなみ達に
改めて強い憧れを感じる。彼女はみなみ推しなのだ。

 「襲名キララ」について何も知らない彼方は、
素直に自分の憧れの気持ちをみなみに向けて
います。みなみも、襲名の事を知らなかったなら、
優しくしたり励ましたり、とにかく彼方を後押し
したでしょう。
 でも今はとても複雑な気分のようです。彼女は、
彼方が人一倍レッスンに励んでいるのを知って
いますし、「不運の期」と言われなかなか襲名
できずにいるのも見てきています。自分ができる
何かがあるとしたら、それは、やる気を持ち続けて
いる彼方を応援する事、のはずでした。
 セレクションを通過し、研究生になって、護衛を
続けながら腕を磨いて、襲名。きらびやかな
ステージで芸能のすばらしさを銀河の人々に伝え、
やがていつかは卒業、、、。このシステムが、襲名
キララと先聖センセイによって回され続けている
限り、みなみの暗い気持ちはぬぐい去られないの
かもしれません。襲名してもいつかは卒業すると
いう事はある程度わかっていて、それでも00に
なろうとしたはずですから、みなみは文句を言える
立場ではないのかもですが、、、彼女はどういう
結論を出すのでしょうね。

 「襲名」については、もう1人(いえ、もう1組?)
悩みを抱いている人がいるようです。10代目
宮澤佐江は、76期生で唯一襲名メンバーになれた
女の子なのだそうです。
 彼女(本当の名前はようこというらしいです)は、
以前は恵ととても仲良くしていました。それはもう、
たとえ同期でも他の研究生なんて立ち入れないぐらい
いつもくっついていたようですね。
 ですが今はそうではありません。襲名メンバーと
研究生とではレッスンの内容も違えばステージの
スケジュールもまるで別物、一緒にいようと思っても
できるものではないでしょう。
 2人は、今お互いをどう思っているのでしょうね。
佐江は、本当の名前で呼ぼうとする恵に、自分は佐江
だと言っています。でもその割には、最後に恵が
「佐江さん」と言うのを聞いて何か切なそうな顔に
なっています。
 また恵も、佐江が先に襲名した事を悲しく思って
いるようですが、それは、佐江と自分の技術の違いを
悔しく思うのとは違うみたいです。恵は、「ずっと
一緒にいたのに、、、」と言っています。今の彼女には、
アイドルや襲名といったものよりも、佐江と離ればなれに
なっている事の方が寂しいようですね。
 彼女達が求めているのは、同じ場所に立つ事、では
ないように感じられます。本当は2人で一緒にいられれば
どんな場所だってかまわない、と思っているような
気がします。それが彼女達の夢だとしたら、かなう
日は来るのでしょうか。

 と、思いつつも、ちょっと微妙な関係がある雰囲気
でもあります。公式サイトのキャラ紹介のページを
見ると、佐江の所には、「10代目秋元才加とよく
つるんでいる」と紹介されています。襲名して恵と
離れてしまった佐江は、寂しさを紛らわすように
才加と、なんて? 実際はどうなんでしょうね。

 佐江と恵についてはもう一つ、恵が皆から離れて
1人歌の練習をしている所へ佐江がやって来る場面が
あります。歌っているのは「大声ダイヤモンド」、
歌詞には「君が大好きだ 僕は全力で走る」とあります。
恵は自分を「僕」と呼ぶんですよね。まるでこの歌詞と
重なるような、、、。そこへ佐江が現れる、というのは、
彼女達の間には愛情が通っている、という意味に
見えます。

 愛情という点では、友歌も何か気持ちが動き始めて
いるようです。けど、相手は故郷の藍花星(ランカスター)
にいた男の子、なのですね。芸能を受け入れようと
しないその子に愛想を尽かすように飛び出してきた
友歌ですが、よりを戻そうとしている、のかな。
普通なら難しそうですけれど、何か起きる可能性も
ありますし。でもそうなると百合的にはあまり
発展しなくなってしまうかもですね。

 その一方で、凪沙と智恵理には期待できそう
でしょうか。アンダーを見事にこなした智恵理を
見て、凪沙はちょっとだけ自分を卑下しています。
が、それを聞いた智恵理は、「『なんか』って言うの、
やめなよ」と声をかけています。
 ここでの彼女の言い方は、穏やかで、柔らかさを
感じられるものでした。凪沙は、智恵理の言葉に
触れて、前から思っていた事を口に出します。
 智恵理は、本当は優しい子。練習中に厳しい
言い方をするのも、仲間にもっとうまくなって
ほしいからだし、皆の輪から離れていても、いつも
同期や先輩達の事を考えている。凪沙はそう思ったの
でしょう。
 彼女の予想は、たぶん当たっているのでしょうね。
でももう一つ、凪沙本人には見落としやすい気持ちも
あるのでは。
 智恵理は、相手が特に凪沙の場合に、優しくなれて
いるように思えます。裏表のない気持ちでいつも
接してくれる凪沙だからこそ、智恵理も身構えずに
本当の自分を出せるのではないでしょうか。彼女達の
仲がもっと深まっていくと良いですね。

・「AKB0048」レビューリストレビューセンター

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