コミック百合姫2012年7月号 その3
「飴色紅茶館」は新しいシリーズ連載が始まって
います。さらさと芹穂以外にも目を向けた時、そこには
どんな百合があるのでしょうね。「Cirque Arachne」
では、テティに対するシャルロッテの気持ちが動き始めて
いるようです。2人の関係は変わっていくのでしょうか。
「ブラックミモレ」では、瑞希に対する陽菜の気持ちの
変化が見所なのでは。
発行一迅社、コミック百合姫2012年7月号を
見てみました。以前に別の記事でも書いています
ので、よろしければそちらも見てみてください。
・コミック百合姫2012年7月号
・コミック百合姫2012年7月号 その2
では前に書いたもの以外の作品について一部
ご紹介、、、。
(・作品名(作者名(敬称略)))
・ロケット☆ガール -Rock it, Girl!!-
track:05 TICKET TO RIDE(田仲みのる)
奏がスタジオを去って10日、彼女はいっこうに
戻る気配を見せない。声楽以外のメンバーは奏の
家を訪れてもいたが彼女が姿を現す事はなかった。
金平が奏の事を「フニャフニャした頑固者」と
言っていましたけどここでは正にそんな態度が
出てしまっている感じですね。自分の思っていた
ステージとのギャップを感じて行き先を見失った、
けれどバンドをやめるとも言えない、、、。今は少し
周りに甘えている感じもする彼女を目覚めさせる
としたら、それはやはり声楽なのでしょうね。
・あまいゆびさき 第8話
(文:宮木あや子、絵:ロクロイチ)
クラスから孤立した真淳(まじゅん)のために、照乃
(あきの)は2人で授業の創作ダンスを成功させる
と決めた。振り付けを他校の遊び仲間に依頼する。
照乃は、育った環境の影響もあるのでしょう、
他人を信用しないというか距離を置いている感じが
します。でも、自分が抱えている思いをちょっと
でも聞いてもらうだけでも世界の見え方が変わる
という事を、ここで知ったのではないでしょうか。
真淳との関係も進展しそうな感じですけれど、何か
大きな展開もありますね。
ところで、この作品だけではないのですけど時々
思うのは、体の関係を持つ時、その行為の仕方が
とても手慣れている感じがする事だったりします。
この作品だと、照乃どころか真淳も、今まで他の
人達と豊富な(?)体の関係があったわけではないと
思うのですけれど、ここでは何だか2人ともとても
上手な雰囲気がしたり。まあフィクションを
盛り上げる要素ではあるのでしょう。でも、
女の子達のつたないふれあい、みたいな演出も
ありかな、なんて気もしますね。
・百合男子 第10話 秘匿(倉田嘘)
書店で啓介が手を伸ばした百合姫5月号は
最後の1冊。最近の勢いを感じつつ中身を軽く
チェックしていると、背後に人の気配を感じた。
この世の女の子はもれなく女の子とくっつけば
いい、「俺の嫁なんていねえ!」とまで言う啓介
には、師匠の隆がなぜ皐と結婚し子供もいるのか
よく理解できないようです。でもここで、一つの
家族のあり方は感じられたみたいです。隆も、
百合ファンなら浮気の心配もないでしょうし、
皐に打ち明ける道もあるのかも?
この号では、この作品は巻頭カラーですが、
モノクロページは4分の1サイズに詰め込まれて
います。説明文によると、本作にカラーページ
を与えすぎという声に応えてモノクロページは
控えめにしているとか。編集部側でこの作品を
上げたいのか落としたいのかはよくわかりません
けれど、少なくとも連載は続けるつもり、なのかも
です。
・飴色紅茶館茶話 Golden tpis & Silver tips
Epi1:日乃夏とミハ(藤枝雅)
ミハは、Alice QuartetでLaCroixの服を買った。
大事に着る、と言う彼女に、ブランド担当のまきの
は、できれば着倒してほしい、と答えた。
飴色紅茶館の新シリーズの始まりですね。以前
日乃夏は彼女がいるみたいな事を言っていました
けれど、そのなれそめのエピソードが描かれて
います。ミハは、まきのとの恋愛を期待してしまう
ほどですから百合の素質(!)はありそうですけれど、
日乃夏はどうなのでしょうね。お互い本気に
なれるのかどうか、気になります。
ちなみに、飴色紅茶館が大変な状態になって
いるこの時期って、このシリーズで最初に発表
されたエピソードと同じ頃、でしょうか(この
話数は、単行本第1巻に「飴色紅茶館First Flash」
として収録されています)。新しいシリーズの
スタートにはなかなかお似合いかもですね。
というかこの頃から既に日乃夏に女性の影が、、、?
さらさと芹穂は最初からいい感じですし、こう
なるとハルだけ置いてけぼり、なんて事に?
それと、「La Croix de Lune」印のチェーンソー
って、、、。アリカルではそういうものも作って
いるのかな。
・恋愛遺伝子XX act:10
(影木栄貴原作、蔵王大志作画)
お互いに親友だという意識を強めるサクラと
アオイ。休み時間に一緒にトイレへ行こうとする
が、一緒に行きたいとランが声をかけてくる。
ランは、このまま2人をくっつけちゃった方が
面白そう、と考えています。確かに妙な騒ぎには
なりそうですが、エリカとしてはサクラだけを
陥れたいのでしょう。エリカの次の一手は、
モミジを利用する事。ですがモミジはけっこう
真面目で芯が強そうですから、エリカの野望に
気づいた時どうするかが見物かもです。
・ブラックミモレ(ちさこ)
陽菜のクラスメイトの広瀬瑞希は、ボーイッシュ
な雰囲気のため女子から告白される事が多い。住む
世界も違うような2人は、実はつきあっていた。
瑞希の意外な一面と、彼女が自分に恋愛感情を
抱いていると知った事が、陽菜の興味を誘った、
とも言えそうです。けれど、本当につきあうのは、
興味本位だけでは続かないはず、ですよね。
陽菜がそこに気づけるのかどうかが重要になる
気がします。最後の場面は鮮やかに決まっている
感じが良いかもです。
・Cirque Arachne act:3(再田ニカ)
小さいバスタブにテティと一緒につかっている
シャルロッテ。なぜ今こんな事になっているのか、
彼女は混乱する頭で思い返した。
これまで1人で舞台に立つ事が多かったらしい
シャルロッテには、親しげに近づいてくるテティ
との距離感をうまく合わせるのは難しいのかも
です。けれど、今彼女が感じている気持ちは、、、
同じ女性に対してそういう感情を抱く事に、彼女は
ためらいを感じるでしょうか。それとも、もっと
別の事に悩みを感じるのでしょうか。
・曖昧distance(蕗)
朝練をしている橘菜月の所へ友達の二葉が来た。
が、話していてもつい恥ずかしくなってしまう。
菜月は二葉に恋愛感情を抱いているのだ。
友達だったはずなのにどんどん愛情が強く
なっていって、でも女の子同士だから告白も
できない、友情を壊したくない。そんな王道な
流れも見えていますけれど、でもそういうのも
良いですよね。2人のふれあいのみずみずしさも、
女の子同士の恋に感じるときめきを彩っている
気がします。
この作品は、今号発表の百合姫コミック大賞で
蒼玉(サファイヤ)賞を受賞したものです。これからも
素敵な百合作品をたくさん描いていってもらえたら
良いですね。
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