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2012年7月 5日 (木)

夏色キセキ 第12話

 夏海、紗季、優香、凛子の身に起きた、この夏一番の
「キセキ」に触れて、彼女達はどうするのでしょう。
決めるのは結局は自分達自身なのかもですね。彼女達の
選択が、「爽やかな夏の物語」を生み出していくのでは、と
思われます。、、、けれどやや爽やかすぎてさっぱりした
雰囲気でもあるような。それに百合度の方もちょっと。

 テレビアニメ「夏色キセキ」、第12話「終わらない
ナツヤスミ
」です。
 夏海は、家のベッドで目を覚ました。記憶では、確か
アイドルのオーディションを受けに東京へ行って、
泊まった旅館で熱を出し寝込んでいたはず。わけも
わからぬままカーテンを開けると、お隣の紗季も
複雑な表情をしていた。そこへ取り乱した様子で
優香から電話が入る。紗季が確かめた今日の日付は、
昨日と同じ8月26日。予定表には「オーディション」
と書いてある。とにかく、凛子も含めて4人は駅へ
集まった。

 以前第4話で、優香の部屋に置いてあったフォーシー
(Fourseason)のCD「明日への帰り道」のカップリング
曲が「終わらない夏休み」でした。これが何かキーワードに
なるかなと思っていたのですけれど、こういう形で
描かれていくのですね。
 「時間を巻き戻す」というタイプのお願いではなく
「延長する」、「終わらない」というお願いなので、
自分達が望めばいつまででも夏休みでいられるみたい
です。夏海達4人も、最初はおそるおそるでしたが、
何をしても毎日晴れた暑い夏の日が続いていくのを
実感して、だんだんこの世界に慣れていってしまう
ようです。

 夏休みですので、学校はないんですよね。それに
ずっと終わらないため宿題しなきゃみたいな心配も
ありません。オーディションさえぶっちぎっても、
後でその気になれば何度でも受けられます。
 これは彼女達(特に優香?)にとっては楽園なの
でしょうね。夏休みが続いているというなら自分達の
願いは叶っていないわけだから、堂々と遊んでいても
いいんじゃないか、と。

 それに、もし日付が進み始めて夏休みが終わったら、
紗季は他の3人から離れていかなければなりません。
皆は口には出していませんが、それが一番嫌なのでは
ないでしょうか。

 「御石様」の秘密を知っているのが夏海達だけだったら、
ずっとこのままだったかもしれません。でもそうでは
なかったようです。
 という所で、子供達だけだと堕落してしまいそうに
なる状況で、手を差し伸べるのはやはり大人なの
ですね。母親達だって娘達の成長をいつも気にかけて
いるのでしょう。
(ところで、凛子の家族って、4年前に下田に移って
きたのですよね。でも凛子の母親は、夏海の母親と
昔からの知り合いみたいな会話をしています。
彼女達も昔、(下田で?)一緒に暮らしていたとか
なのでしょうか。)

 「経験者」であるらしい女性からヒントをもらって、
凛子達は少し考えを変え始めます。といっても全面的に
大人に頼るのではなく、もらったのはほんの一言
なのですね。後は自分達で考え、悩んで、答えを
出そうとします。こういう姿勢が、女の子達の一夏の
爽やかな成長物語、という雰囲気を出してますね。

 彼女達の選んだ道は、、、奇跡ではなく自分達の
意志と努力で願いを叶えていく事でした。今の
彼女達の周囲では何も状況は変わっていません。
けれど、強い意志を持っていれば、彼女達は
いつまでも結ばれた関係でいられるのでしょう。

 、、、という感じで、夏の山や海の風景の中、
爽やかな物語が駆け抜けていった、みたいな雰囲気
でしょうか。でも何というか爽やかというか
さっぱりしてしまってこの第12話での盛り上がり
が少なかった気もしてしまったり。
 夏休みが繰り返されている間は、夏海達は特に
何かを禁じられているわけではなく、自分の
やりたいように自由に振る舞っていられたみたい
です。そのためオーディションを納得いくまで
受け続けられていましたし、海など好みの場所へ
遊びに行って夏休みを堪能していました。十分な
ほど遊べていたため、あれならもう思い残す事も
なさそうなのでは、と妙に納得できてしまう気も
します。
 それと、同じ時間が繰り返されるため、同じ絵が
繰り返し流れる場面が多かったようにも思います。
例えば下田から出かける時に電車が走っていく
所とか。何か絵的に盛り上がるスペクタクルな(?)
場面などあったりするとビジュアルにも盛り上がれる
でしょうか。
 後は、紗季と夏海が割と淡々としていた感じも
しますね。たぶんこれまでに、お互いが離ればなれに
なる事について嫌と言うほど考えてきたから、もう
ここでは言うべき事がない、という心情ではあるの
でしょう。でもせっかくの第12話ですから、
第9話の時以上にお互いの気持ちをぶつけ合って
もらいたかったかも、とも思います。自分の
中にある気持ちをうやむやにしないで、昔から
お隣で一緒に過ごしてきた相手が大好きで、
本当は1秒でも離れたくないぐらいなんだよ、
という思いを確認してもらいたいかもです。

 そして、百合的な部分でも、第12話では
盛り上がってもらいたかったように思います。
夏海と紗季は、すぐそばで一緒に生活してきた
熟年夫婦のような(?)仲ですから、態度の端々に
お互いを思い合う様子が出ているのを見たい
ものです。また凛子は4年前からこの幼なじみ
トリオと合流しましたけれど、その時間の中でも、
優香という大切な人と知り合い、積極的に
寄り添っていましたので、ここでちゃんと
優香が凛子を受け止めるような描写があると
良いような気がします。

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