ゆるゆり♪♪ 第３話

　涙を流してしまうほど悲しく苦しい気持ちになって
しまう理由に、櫻子は気づけているでしょうか。もし
それがわからないのなら、彼女はこれからもずっと
勘違いしたままになってしまいそうな気もします。
いえ、その時は、向日葵が優しく教えてあげるのかも。
それにしてもあちこちでチョコの話題が花盛り
ですね。あかりも愛されているようです。

　テレビアニメ「ゆるゆり♪♪」、第３話「チョコと
涙と女と女と磯辺揚げ」です。
　今日の給食の献立は、ちくわの磯辺揚げにわかめ
ご飯。磯辺揚げが大好きな櫻子は、給食当番なのを
いい事に、自分の分を山盛りにしてしまう。しかし
はしを持ってくるのを忘れてしまった。悲嘆に暮れて
いると、あかりが割り箸を分けてくれる。櫻子、向日葵、
あかり、ちなつは、机を合わせて一緒に給食を食べ
始める。食事中の恒例になっている遊びでは、
ずっと英語で会話する、キザにしゃべる、など、
４人はあれこれ試してみるのだった。

　オープニングのタイトルコールでは、あかりの背後
に、第１期の時と同じようにまた未確認飛行物体の
影が、、、。どうするのかと思ったら、あかりはかなり
攻撃的な事をしてますね。何かいつもの彼女らしく
ないような。
　そういえばあの武器は、櫻子が想像した「正義の
味方アッカリン」のものですね。とするとこの
オープニングも櫻子の頭の中での出来事、とか？

　そういうわけ、だからじゃないんでしょうけど
櫻子の出番が多くなっている感じです。最初の場面
では、向日葵に文句を言っている内にいつの間にか
歌に変わってしまい、それがだんだん面白くなって
きたり、給食の時間は牛乳を飲もうとするあかりに
向かって面白い顔を見せて吹き出させようとしたり
（これは、第１期のブルーレイ＆DVDの第５巻で
リバーシブルジャケットに使われていたイラストの
場面と同じですね）、自分勝手に振る舞う事が多い
っぽい彼女。特にアニメ版では、子供っぽさや
空気の読めなさ加減が増しているような感じがします。

　櫻子は、向日葵の思いやりや、彼女が自分に
対して密かに感じている愛情については、ほとんど
といっていいほど気づいていないみたいです。それに
自分自身が向日葵に抱いている感情が何なのかも、
実はわかっていないのかもですね。

　１人でいると、思い出すのは向日葵の言葉ばかり。
今頃向日葵とちなつがどうしているかと思うと
２人が楽しそうにしている様子しか浮かんでこない。
相手が自分以外の女の子と会っているだけで
ここまでになってしまうほど向日葵思っているのに、
その気持ちが何なのかわからない櫻子は、とても
もどかしさを感じているのでしょうね。一時は
ちなつにさえ当たりそうになっていました。

　そして櫻子は、行き場のない思いを自分で理解
できないまま向日葵に直接ぶつけます。瞬間、彼女の
頬を伝ったのは、涙、、、。
（原作コミックではここまでの表現はありません
でした。櫻子のここまでの激しい気持ちは、この
エピソードの百合度を上げている感じがします。）

　なぜ自分が泣くまでになっているのか、ここでも
まだ櫻子は気づけていないみたいです。胸の苦しみを
もてあまして、もうどうにかなってしまいそうなほど
ですね。

　そんな彼女の姿を見せられた向日葵はふと、ある事
に気づきます。櫻子の今の気持ちがどういう種類の
ものなのか。

　こういうのがわかってしまう所からも、向日葵の
方が櫻子より少し大人なのかなと思えてしまいます。
櫻子が取り乱している分、向日葵はかえって冷静に
状況を考えられた、という部分もあるのかもしれません。

　気になるのは、櫻子の胸の内に気づいた向日葵が、
櫻子から自分に向けられている思いをどう受け止めるか、
です。櫻子がこんなに自分を求めるのは、愛情が
強いから、というのは、たぶん向日葵はわかって
いますよね。
　泣いちゃうほど愛してる、そんな櫻子を目の前に
した向日葵にも、自分の中にある相手への愛情を改めて
強く感じてもらいたいかもです。向日葵の本心が、
何かふとした時の行動に出たら良いのですけれど、、、
ここではそこまではいっていないっぽいです。

　その代わり、と言えるでしょうか、向日葵は
櫻子への愛しさを、前もって形にして準備してたの
ですね。ちなつに編み物を教えるついでに作った
というマフラーを、用済みだから、と言って櫻子に
渡しています。
　そこにはきれいに、「桜」の花びらの模様が
編み込まれています。ついででここまではしない
ですよね。

　この話数では、彼女達の間にはいろいろありました。
でも結果的にはお互いにチョコを渡す事ができて、
どちらも嬉しい気持ちになれたのではないでしょうか。
　櫻子が、恋愛感情を意識し始めるにはまだ時間が
かかるかもしれません。けれど、こんな風にいつも
一緒にいれば、愛しさを感じた時にはすぐにお互い
ふれあって確かめる事ができそうです。

　チョコを渡す、という点では、２年生の方でも
ちょっとした出来事があったようです。京子と
結衣の間ではもう恒例行事になっているようで、
当たり前のように受け渡しをしています。
　ところが綾乃は、もうどきどきそわそわ。
チョコを机の上にまでは出しましたが、京子に
渡す所まではどうしてもいけないようです。
　そこで助けてくれるのが、千歳ですね。とても
上手にサポートして、綾乃がさりげなく渡せる
ようにリードしています。

　この場面では、綾乃はどう見ても「恋する乙女」
って雰囲気ですよね。京子に対して恋愛的な気持ち
なのは間違いなさそうです。
　そこに、本人が気づいているのかどうかがとても
気がかりだったりします。これは友情なんだ、
みたいに勘違いしないで、彼女なりの愛を育てて
いってもらいたいかもです。千歳がうまく見守って
導いてあげれば大丈夫、でしょうか。

　その千歳も、感謝の気持ちのこもったチョコを
もらっています。が、彼女の場合は、チョコといえば
「魔物」が呼び覚まされる危険が、、、。
　前の大惨事を憶えていた綾乃は同じ事が繰り返され
ないように手を打っています。けれど結果的には
妹の千鶴が一方的に攻められる事態になっちゃって
ますね。
　とはいっても、このシチュエーションは千鶴には
願ってもないチャンスらしく、「ま、いっか」と
流されるままになっています。綾乃と姉が結ばれる
事を願いながらも、本当は姉とこんな行為をしたい
と、彼女はいつも考えているのかも。

　それにしてもこれだけ熱烈に女の子同士でキス
する場面というのもなかなか素敵ですね。けっこう
濃厚な百合表現になっている気がします。
　ところで、姉とキスができて千鶴はとても嬉しい
はずなのですけど、表情やせりふからは、喜んだり
恥ずかしがったりする雰囲気はあまり見受けられない
感じです。、、、もしかしたら千鶴は、姉とキスを
したくなったら、黙って姉にチョコを食べさせる、
といった事を前から続けていた、なんて事はあったり
するでしょうか。

　さてその他では、あかりが（いつも通り？）皆から
ちょっと良くない扱いを受けているようでもあります。
櫻子に勉強を教えている時に、さんざん向日葵に
間違えられたり。彼女自身は勉強の教え方はけっこう
うまいみたいです（原作では１年生で勉強会をする
エピソードで、向日葵があかりに教えてもらって
感謝しています）。でも向日葵の場合は、「櫻子に
理解してもらう」ための教え方をしているようで、
これではさすがに櫻子も向日葵の方を選ぶのでしょう。
ちゃんと教えているのに櫻子に聞いてもらえない
あかりがちょっと切ないかもです。

　また、給食の時間に口げんかを始める櫻子と向日葵
を、あかりは必死に止めようとしています。ですが
なかなかうまくいかないようで。
　これがちなつや他の女の子だったら、「結局仲直り
するんだからやりたいようにさせておけばいい」みたいに
考えて少し放っておくかもしれません。ですが
あかりには、そんな事はできないのでしょう。
　けんかは良くない、皆仲良しが一番、とあかりは
考えているのかもです。仲直りさせるために自分が
犠牲になるような事までできちゃう彼女は、やはり
「天使」なのかも？

　バレンタインのチョコについても、当日は少し
寂しい結果になっていたようです。皆にプレゼント
するのが楽しくて、あかりは愛情を込めてチョコを
渡していたのではないかと思います。が、渡した
相手からは、、、。
　でも心配する必要はなさそうです。妹のあかりを
こよなく愛する姉のあかねは大きな愛を贈って
いますし、スペシャルサイトの第３話のページに
掲載されている「今週のあかり」では、皆からの
気持ちが形になって表れています。やはりあかりは、
皆から愛されているのですね。

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