モーレツ宇宙海賊 第２４話

　相手は重力制御で自在に飛び回り、火力も強大
です。弁天丸が対抗するには、知恵と勇気が求め
られる所。その辺りは、茉莉香をはじめ乗組員達は
ちゃんと持ち合わせているのでしょう。茉莉香の
隣に座るチアキは、茉莉香の手腕に自分との差を
感じると同時に、ほれぼれしちゃっているのでは
ないでしょうか。

　テレビアニメ「モーレツ♥宇宙海賊（パイレーツ）」、
第２４話「傷だらけの弁天」です。
　「海賊の巣」へ向かう途中、弁天丸の前にくだんの
戦艦、グランドクロス号が姿を現した。この危機を
乗り越えるために、茉莉香は相手と一戦交える決断
をする。相手に肉薄して寸前で反転、一気に離脱
する作戦だ。準備を整えつつ相手の出方を探るが、
向こうからはいっこうに仕掛けてくる様子がない。
それでは、と、方向を変えて逃げる素振りを見せる
と、相手は弁天丸の追撃を開始した。

　後の方の場面では、弁天丸の乗組員達が何やら
動きを見せていますね。梨理香は、今は弁天丸の
乗組員ではありませんけれど、今の事件には何かの
形で首を突っ込もうとしているみたいです。また
クーリエは、いつもらしくない装いで、船の外に
出て調達をしています（仕事をスムーズに進める
ために格好を変える必要があったとかなのかな？）。
ケインは、前回から何だかアホ毛が目立ち始めて
いますけれど、それ以上に別の顔がありそう
（ミーサが医務室で見ていた情報にもケインが
映し出されていました）？　それに、ルカは、実は
今危険な状況にあるのではないでしょうか。
まあ弁天丸の乗組員なら１人でも切り抜けられる
と皆信じているかもですけれど、やっぱり早く
探した方が良さそうにも思います。

　グランドクロス号の側にも、動きはあった
ようです。船長が直接茉莉香と対話をしようと
近づいています。わざわざ会いに来て自分の
正体をばらすような事を言うのはなぜなのか
ちょっと気になりますね。物語を効率よく進める
ための都合なのかもしれませんけれど、、、。
もしくは、自分の船を出し抜いた船長がどんな
人間か見ておきたくて、ついでに宣戦布告の
意味で名乗りを上げた、みたいな所なのかもです。
（ところで、色素の薄い女性が１人で宇宙船を
動かしている、とか、「機動船艦」という名前から、
つい同じ監督の別作品を思い出してしまいます
けれど、物語の設定的につながりは、、、あるの
でしょうか。）

　その辺りはそれとして、茉莉香とチアキの関係が
進展していきそうな予感ですね。バルバルーサの
船長の名代として茉莉香のいる海明星までやって来た
チアキは、茉莉香が他の海賊達に集まってもらおうと
決心したのを受けて、「海賊の巣」に行く事になります。
出発地と目的地は一緒ですから、当然のように彼女は
弁天丸に乗り組み、茉莉香の陣取る船長席の隣に、
客人として座ります。
　その後、予想していたとはいえ、弁天丸はグランド
クロス号と戦いを敗目ます。チアキ的には巻き込まれた
としか言いようがありませんが、そこで彼女は、
状況を的確に把握し臨機応変に命令を下す茉莉香の
姿を、すぐ隣で目の当たりにします。

　この時、チアキはどう思ったでしょうか。自分と
同学年の女の子が、年上の乗組員達にきびきびと
指令を出し、きめ細やかに宇宙船を操っていく。
攻撃してくる相手は正体不明、機動力も火力も段違い
なのに、彼女は決してひるまず、乗組員と船を
第一に考えてぎりぎりの状況判断を次々にクリアする。

　チアキだって、船長ではありませんが、海賊の一員
です。もし自分があの船長席に座っていたらどんな
命令を出していただろう、とは思わなかったでしょうか。

　自分だってあれぐらいできる、と、張り合う気持ちに
なったでしょうか。それとも、自分にはとうてい無理
だと敗北感を味わったでしょうか。
　その点については描かれていないため、本当の所は
どうなのかよくわかりません。でも、自分と同じ
海賊である女の子が果敢に戦う姿をすぐそばで見て、
憧れるなり心配するなりライバル心を燃やすなり、
とにかく何か強い感情を抱いたのは確かなのでは
ないかなという気がします。

　さらに、チアキの気持ちを後押しするような
出来事も起きていますね。チアキの父親でもある
バルバルーサの船長は、弁天丸への通信でチアキの
顔を見ると、船での居心地を聞いてきます。
　「大好きな茉莉香」と一緒にいられる気分を聞かれて、
チアキは慌てて父親の言葉を止めようとします。が、
もう後の祭りですね。
　このやりとりの感じからすると、チアキは既に、
父親とこの話題で話した経験があるように感じられます。
チアキ本人はいろいろ言い訳したかもしれませんが、
茉莉香を好ましく思っている事は、父親との会話の
中で認めていた、と。（それにもともと、話題の
中に茉莉香の名前が出てくる事がかなり多かった
とも予想できそうです。）でもそれを茉莉香には秘密に
したかったから、父親がその事を言い出したら
とたんに止めにかかったのでは。

　チアキの父親は、茉莉香に対するチアキの思いが
どんな種類のものと理解しているかが気になります。
単に、海賊仲間で歳の近い女の子は少ないから、
茉莉香とチアキは仲良くしようとしている、ぐらいに
思っている、とも予想できます。年頃の娘の考えが
一から十まで手に取るようにわかるわけでも
ないでしょうし。

　そこに、チアキの抱く隠された本当の気持ちが
あるのでは、と思いたくなってしまいますね。
茉莉香本人の前ではツンツンしていても、別の
場所では何かと茉莉香を話題に出していたりするの
かもですし、何度でも海明星に足を運んだり
バルバルーサの代表になって茉莉香に会いに行くのも、
少しでも彼女のそばにいたい一心なのでは、とも
感じられます。

　茉莉香の方は、チアキの姿を見るなりいつでも
「チアキちゃん！」と笑顔で呼びかけ近づいて
いきます。チアキの事をどう思うか、誰かから
聞かれたら彼女は迷わず「大好き！」と言うでしょう。
　この「大好き」が、茉莉香とチアキとで同じ意味を
持つようになると良いですね。話題の合う友達とか
ではなく、そばにいたい、失いたくない愛しい人、
という感情をお互い胸に抱いて近づいていって
もらいたいものです。

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