ＡＫＢ００４８ 第４話

　自分が本当は何をしたいのか、見失いかける
彼方。彼女に気づかせてあげられるのは、そばに
いる人、なのでしょうね。目的がどこにあっても、
成し遂げるために求められるのは「努力」なの
でしょう。努力できるかどうかは自分にかかって
いますが、でもそれだけだと何か足りないような。
やはり女の子同士の親愛の関係があると良いですね。

　テレビアニメ「AKB0048」、第４話「その努力
裏切らない」です。
　セレクションを通過し、晴れて第７７期研究生
となった凪沙達７人。AKB0048の本拠地のある
秋葉星（アキバスター）に到着した彼女達は、
シアターの客席に通され、襲名メンバー達の
パフォーマンスを見せてもらう事に。その前に
ステージに登場したのは、前座を務める第７５期
の研究生２人だった。彼女達の歌も素晴らしかった
が、凪沙はどこか違和感を覚えていた。

　AKB0048のメンバーが他の星へ行くのに使って
いる宇宙船「カチューシャ」の生活環境はあまり
良くない感じでしたけれど、秋葉星での暮らし
まで同じというわけではないようですね。星に
よっては非合法となる芸能活動をしている彼女達
は、普段の生活には苦労していないのかもです。
　研究生達にとっては、どうやって自分達の
技を高め、襲名メンバーになるかが、集中的に
考えなければならない課題なのでしょう。秋葉星
に来たばかりの第７７期生達は何もかもが珍しくて
それどころではないかもしれませんが、２年も
研究生を続けている第７５期の２人、彼方と美森
には、大きな問題のようです。

　第７５期は「不運の期」とも言われている
そうです。たくさんいた研究生がやめてしまって、
２人しか残らなかったのが理由らしいですね。
　でも、その事自体にはあまり意味はなような
気もします。周りからどう言われていても、重要
なのは歌やダンス、そして戦闘の腕前を上げる事
なのですから。

　彼方も正に、自分の力について悩んでいました。
今の彼女には、襲名メンバーになれず、十分な
芸能活動と親の仇討ちができない事実が重く
のしかかっているようです。

　悩む彼方のそばにいて、美森は何かと彼女を
元気づけようとしているみたいです。苦しげな
彼方とは対照的に柔らかい笑顔を見せ、のんき
とも言えそうな素振りで彼方の気持ちを和らげ
ようとしている感じがします。
　けれど、彼女自身も、胸の奥では悲しい思いを
抱いているようです。あまり詳しくは語られて
いませんが、同期の女の子達が次々にやめて
いくのが彼女にはつらかったらしいです。

　２人が求めているものは何なのでしょう。
彼方は復讐する事にばかり気が取られています
が、小さい頃に感じていたものはもう少し別の
ものだったはず。
　実は、美森に思い出を語っている時、彼方は
自分自身の口で、自分のしたい事を言っていたの
ではないかなという気がします。親の仇について
だけ言うつもりでも、彼女が抱いている歌への
情熱は隠しきれないのかも。
　美森は、そんな彼方の感情をくみ取る事ができて
いるのでしょうね。だてに２人だけでステージに
立っているわけではないはずですし。

　その気持ちは果たして百合なものなのかというと
、、、ここではそれほどまでの感じではないみたい
です。美森は彼方の歌を愛しているようですが、
それがそのまま本人への愛情につながっている
様子でもなさそうです。

　彼方という女の子を求めている、という点では、
妹の楚方が一番かもしれません。彼方と同じ境遇で
育ったらしい彼女は、年齢制限のために１次審査
を受ける事すらできませんでした。ですが、必死の
思いでツバサ達にかじりつくようにして訓練を
受け、セレクションを通過して秋葉星まで来ました。
一般的に考えればあれぐらいの年頃だと１年でも
違えば体力には相当な差があると思われますけれど、
楚方はどうしても00のメンバーになりたかった
ようです。
　理由は、そこに姉がいるから。姉の彼方と同じ
事をしようとするのは、姉と同じように育って、
同じ志を抱いたからなのか、もしくは数少ない
身内である姉に甘えたい気持ちもあるのかも。
　彼方の方も、最初は楚方を遠ざけようとします
が、それは彼女を嫌っているからではないの
ですよね。妹を大事に思っているから、少しでも
危険な目に遭わせないようにと考えたのでは。

　これが百合な方向に進むと素敵かもですけれど、
どうなるでしょうか。というかこれでキャラ紹介の
ページにエントリーされている研究生全員が
そろったわけですから、もっとたくさんの女の子達
の間で親密な気持ちのやりとりがあっても良い
ような気もするのですけれど（襲名メンバーも
含めて）、、、。作品としてそういうテイストも
取り入れてもらいたいようにも思ってしまいますね。