« 夏色キセキ 第10話 | トップページ | コミック百合姫2012年7月号 その2 »

2012年6月15日 (金)

ゆるゆり 音声ドラマ「結衣とちなつ 届け、愛の熱視線」

 ちなつの一途な気持ちがあふれている感じですが、
「視線」だけでは結衣にはなかなか伝わらない?
はっきり口に出して言えない所が、ちなつらしい
いじらしさなのでしょうね。その代わりというか、
頭の中ではすさまじい想像力が発揮されているみたい
です。

 テレビアニメ「ゆるゆり」より、ブルーレイ&DVD第3巻
の限定特典として付いてくる音声ドラマを聞いてみました。
タイトルは、「結衣とちなつ 届け、愛の熱視線」です。
 ごらく部の部室に、ちなつが駆け込んでくる。
少しでも長く結衣のそばにいたい彼女の気持ちの
なせる技だ。途中まではあかりも一緒だったが、
先生に用事を頼まれてすぐには来られそうにない。
一方、部室には結衣だけがいた。京子は居残りで
勉強をさせられているという。ふと気がつけば、
部室にはちなつと結衣だけ。ちなつはこれをチャンス
とばかりに、自分の思いを結衣にアピールしようと
考えつく。

 「熱視線」を送りまくるちなつの様子が何だか
目に浮かぶようですね。「じいーっ」とか「ずぃーっ」
など、見つめる時の音(声?)もバリエーションが
豊かです。
原作コミックでは、4人で温泉旅行に行った時、
体を洗っている結衣(の体)をちなつがガン見している
場面がありました。目を皿のようにしているあの
目つきが、ここでも発揮されているのでは、という
気がします。)

 茶道部の代わりにごらく部に入ってから、結衣の
優しさに触れている内に、ちなつはすっかり彼女の
虜になってしまっています。すべてが結衣中心に
回っていて、結衣に愛されるためならあかりをキスの
練習台にしちゃうほど。また言い寄ってくる京子には
厳しい態度で対応しています。

 この調子で結衣の愛情も積極的に勝ち取りそう、
に見えるのですが、ちなつはそこまで身勝手な
女の子ではないのですね。やっぱり自分から告白
するのは恥ずかしいですし、結衣から愛されたいと
願う乙女な子なのではないでしょうか。

 それに彼女も、結衣以外全く眼中にないわけでは
ないのですよね。あかりを親友として大切に思って
いますし、京子を気遣ったりもしています。そういう
点で言えば、ちなつは結衣への愛情が強すぎて時々
自分を保てなくなっている、という状態なのかも
しれません。

 では結衣の方はというと、やはりちなつの視線の
意味にはなかなか気づけないみたいです。彼女の
場合、見た目がクールだったり京子へのツッコミが
厳しいために誤解されがちなのかもですが、実は
けっこう純朴な女の子なのでは。恋愛に対しても
ちょっと疎い所があるようです(この事については、
アニメの第1期の第1話でも言っていた気がします)。

 なので、ちなつのラブな気持ちがあまり伝わって
いないとしても仕方のない所なのかも。まあそこが
さらに彼女をクールに見せてしまったりするのです
けれど。

 目に気持ちを込めるために、ちなつは頭の中で
かなり想像を膨らませています。シチュエーション
も、夫婦(いえ、婦婦もしくはふ~ふですね)や恋人
など様々なレベル(?)で描き出されています。
 ここで発揮されている想像(妄想?)力は相当なもの
ですね。千歳にも太刀打ちできるほどかも。もし
この2人が同時に妄想したら収拾がつかないほどに
なっちゃうかも?
(そういえば、第1期のエンディング曲「マイペースで
いきましょう」のフルバージョンでは、後半で彼女が
「1に妄想、2に妄想、、、」と歌っています。作品に
対する彼女の姿勢がうかがわれるフレーズなのでは。)

 現実的な恋愛になかなか踏み込めずにいるちなつ
は、つい想像に頼ってしまっていますけれど、この
エピソードではちょっとしたいい事も起きている
ようです。頭の中で考えているディープな恋愛
とはちょっと違っていますけれど、今はまだ中1の
彼女には、これぐらいがちょうど良いのかもですね。

・「ゆるゆり」レビューリストレビューセンター

|

« 夏色キセキ 第10話 | トップページ | コミック百合姫2012年7月号 その2 »

百合レビュー」カテゴリの記事

作品 ゆるゆり」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ゆるゆり 音声ドラマ「結衣とちなつ 届け、愛の熱視線」:

« 夏色キセキ 第10話 | トップページ | コミック百合姫2012年7月号 その2 »