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2012年6月28日 (木)

AKB0048 第7話

 研究生達も腕を磨き、襲名メンバー達の立つ
ステージへと近づいていきます。憧れを実現する
事は嬉しいはず、ですが、という所で、智恵理の
本当の気持ちが見えてきます。また襲名メンバー
の方にも悩み事が持ち上がっているようですね。
物語が展開していく中、百合な雰囲気が増えて
きている感じなのが良いかもです。

 テレビアニメ「AKB0048」、第7話「襲名キララ
です。
 寮の2段ベッドの上で目覚める凪沙。すぐ横の
壁の狭いスペースには、9代目大島優子のポスター
などが貼り付けてある。優子推しの彼女に対し、
鈴子は同期のルームメイト、楚方を推している
という。彼女によれば「青田買い」なのだそうだ。
その日、研究生達はツバサに招集された。襲名
メンバーがカザフスターでステージを行う間、
通常の公演も続けるために、「アンダー」の制度を
復活させる、という指示だった。

 AKB0048のメンバーが次の世代へと名前を引き継ぐ
「襲名」は、凪沙達の世界では長い間に渡って
続けられてきた事のようです。今の襲名メンバー
である5代目高橋みなみも、誰かから名前を
渡してもらったのですよね。その時先代のみなみは
「卒業」したものと思われます。
 なので襲名の制度について今のみなみは一通り
わかっているはずですが、今度の事には驚きや
無情さを感じているようです。入ってはいけない
と言われていた劇場の地下に足を踏み入れ、
どうやって襲名メンバーが決められていくかを
知ってしまったから、というのも理由の一つでは
あるのでしょう。また、もしかしたら自分が卒業
させられてしまうかもしれない、という不安も
あったかもしれません。
 けどそれよりは、彼方と自分との関係を、彼女は
切なく思っているのでは、という気がします。
何も知らなかった時は、彼方が腕を上げている事を
知って喜び、一緒に襲名メンバーとしてステージに
立てたら素敵だろうな、というように思っていた
かも。「不運の期」と言われながらも努力してきた
彼方に、みなみは信頼感や親しみの気持ちを抱いて
いた、とも思えます。
 ところが、という状況になっているようです。
これは、アイドル志望者の数に比べて00のメンバー
枠が狭いから、とかではなく、襲名という制度そのもの
が持っている問題点とも言えそうです。
 00メンバーである限りはこの制度に従わなければ
ならないのか、それとも制度を打ち破ってでも
自分達の目指すアイドルを実現するのか、彼女達が
どう判断するのが気になりますし、彼女達の選択に
よっては物語が大きく変わるのでは、とも思います。
第5話でも描かれていたように、襲名を続ける
ために(たとえ本人達がそうしたいという意志を
持っていたとしても)何世代にもわたって自由に結婚
もできないような状況を、彼女達が納得するのか
どうかなど、けっこう重要な部分のような気がします。

 少なくとも、優子や6代目柏木由紀、3型目
渡辺麻友などのメンバーは、みなみの味方でいる
つもりがあるようです。力を合わせて数々の危険を
乗り越えてきた仲間こそが、何をおいても一番
信じられる人なのではないでしょうか。

 そんな彼女達の親密さを示すような場面が途中に
描かれていますね。「キャプテン」らしく皆を気遣う
みなみがいじらしく感じられたのでしょうか、優子が
急にみなみをキス攻め、、、。ふりをするのではなく
本当にほっぺにキスしまくってますね。
 2人の様子を見ていた由紀と麻友も「せっかくなので
便乗して」と言いつつみなみにキスをしています。
この場面を入れたのは、単に2人の「キス顔」を
描きたかったから、ではないですよね、メンバーは
皆お互いを信頼し慕い合っていて、ちょっとでも
何かあったらキスしたいぐらいに愛し合っているの
でしょう。

 このシリーズを最初見ていた時は、研究生達が
ドラマの中心になって、襲名メンバーは時々登場
しながら彼女達を見守る役目に徹するのかなと
思っていました(担当声優的にも)。ですがこの
展開では、襲名メンバー達も、悩みながら答えを
出していくヒロインとして描かれていく感じですね。
誰かが心細くなった時は、他の子達が優しく受け入れて
支えていってあげられると良さそうです。

 この他、研究生達の方でも、百合な雰囲気が出てきて
いる気がします。鈴子は、凪沙から推しメンが誰か
聞かれて、楚方だと教えています。
 鈴子と楚方は、秋葉星へ行く宇宙船の中で初めて
出会いました。その前には、鈴子も襲名メンバーの
中の誰かを推していたかもしれません。でも今は、
全面的に楚方を推しているのですよね。まだ
研究生で、しかも同期なのに、楚方を大事に思って
いる鈴子。楚方に付けてもらった「リンダ」という
ニックネームを皆に使ってもらおうとしたり、自販機の
缶に書いてもらった初めてのサインを大切にしちゃう
ぐらい、彼女は楚方を大事に思っているようです。
それほど思っている女の子と一緒に生活し、同じ部屋で
寝泊まりしている鈴子は、実はいつもどきどきしながら
楚方を見ているのではないでしょうか。

 それから、ここでは智恵理の本当の気持ちも見えて
きているようですね。4年ぶりに再会した凪沙達に
冷たく当たり、先輩の彼方達にもアイドルの厳しさを
言うほどだった智恵理。研究生は皆ライバルとでも
言いたげな彼女でしたが、皆と打ち解けてはいけない、
と自分を束縛する理由がありました。
 智恵理の家は、DES軍とは浅くない関係があるらしい
です(前回第6話でも少しそんな様子が描かれています)。
00の関係者や研究生達にも、いつかはその事が知られて
しまうだろうとは予想していたのでしょう。だから
あまり研究生の輪に踏み込まず、距離を置いていたの
かも。

 それがこのタイミングで、第76期生達から(今まで
よくわからなかったのですけど凪沙達と彼方達の間の
世代はちゃんといたのですね)暴露されます。彼女達から
向けられる視線は、智恵理が予想していたものより
かなり厳しいものだったのでは。
 それに、失踪まがいのやり方までして家を飛び出し、
00の研究生になった智恵理は、親のしている事に
背いているという罪悪感を強く持っていると思えます。
この状態で、さらに身を寄せたはずの00の劇場からも
つまはじきにされたりしたら、彼女にはもう居場所は
なくなってしまいそうです。

 智恵理の思いを何となく感じ取ったのは、彼方
でした。優しく接してくれる彼方に、智恵理はこの
何年かの間ずっと胸に抱えていた思いを、すべて
さらけ出します。
 智恵理は、凪沙達と一緒に藍花星(ランカスター)に
いたのは短い間だったため、1人になった後で同じ夢を
語り合える仲間は少なかったかもしれません。また、
DES軍に対して武器を供給している親には、00の事
など相談できるはずもなかったでしょう。
 自分1人だけで00のメンバーになるための力を
手に入れるには、泣いている暇などなかったと
思われます。自分の感情を押し殺したままここまで
来て、彼女はやっと自分の思いを他の人に言える
ようになったのでしょう。智恵理の泣き方が
子供っぽいのは、泣くという行為を過去に置いてきて
しまったからなのではないでしょうか。
 彼方は智恵理に、「子供みたいに泣くんだね」と
言っています。これはからかっているのではなくて、
自分の腕の中で泣きじゃくる智恵理に強い愛しさを
感じている事の表れのように思えます。

 こうなってくると、凪沙の立場が気になるの
ですよね。彼女には、智恵理の一番の理解者であって
もらいたいのですけれど、智恵理の泣き顔の初めては
彼方にゲットされてしまいました、、、。
 確かに、智恵理の悲しみや寂しさをがっちり
受け止めて癒してあげる役目は、同期の凪沙よりは
先輩の彼方の方が適任なのかもです。でも凪沙にも、
智恵理に対して彼女にしかできない事があるはず、と
思いたいです。
 この場面では、何だか智恵理と彼方の関係を凪沙が
おじゃましちゃったみたいな雰囲気になっちゃって
います。凪沙には、そのレベルにとどまらないで
もっと智恵理と親しくなっていってほしい所です。
優子推しの凪沙と、優子のアンダーに選ばれた
智恵理、2人がもっと距離を縮める可能性は
ありそうです。

 ところで、智恵理が彼方の胸で泣いている所へ
出くわした凪沙は、「お取り込み中の所、、、」みたいな
言い方をしていました。という事は、彼女達の姿は、
凪沙の目にはいちゃついているように見えた、とか?
またそう思ったのだとしたら、女の子同士でもラブラブな
事をする場合もあるという考え方を、凪沙が持って
いる、とも言えそうです。凪沙には百合の素質が
あるのかもです。

・「AKB0048」レビューリストレビューセンター

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