ゆるゆり 音声ドラマ「綾乃と千歳 愛の猛特訓」

　やっぱり綾乃も、京子との関係がずっと今のままで
いいとは思っていないようです。少しずつでも
自分の望みを叶えていきたいと願っているのですね。
千歳は親友だけあって、綾乃の気持ちをちゃんと
察して、うまくリードしようとしています。ところが、
という部分で笑える内容になっています。

　テレビアニメ「ゆるゆり」より、ブルーレイ＆DVDの第５巻
の限定特典として付いてくる音声ドラマを聞いてみました。
タイトルは、「綾乃と千歳 愛の猛特訓」です。
　溜め息混じりの綾乃に、千歳が声をかける。綾乃の
悩みがずばり京子絡みだと言い当てた千歳は、綾乃が
どうしたいのか優しく聞き出す。生徒会とごらく部の
メンバーで海水浴に行った時は、綾乃は割合自然に
京子と一緒にいられた。普段から、あの時のように
仲良くしたくても、今のままの自分では変わらない。
綾乃はそう考え、千歳に協力してくれるよう頼む。
千歳はまず、基本である名前の呼び方から始める事に
した。

　綾乃も、いつまでも同じ自分では、京子との関係を
深めていけないと思っているようですね。いつもの
彼女だと、京子と自分との関係はライバルだと、
千歳にさえ言っていたりします。京子は学校の茶室を
不法占拠した張本人で、一夜漬けで受けたテストで
ほとんど学年１位を取り続けているという信じられない
女の子。生徒会の副会長を務め、地道な努力を重ねても
いつも２位しか取れない自分からしたら、そりゃあ
ライバルでしょ、というのが綾乃の表向きの主張と
思われます。
　自分が京子に惹かれている事は、たとえばればれ
でも隠し通したいと、これまでなら考えていた所なの
でしょう。このエピソードで語られている事が
公式の設定になるのかはわかりませんけれど、
少なくともここでは、隠すのはちょっとやめて、
京子と親しくなる方法を本気で考えようとしたの
かもです。

　ところでそう思うようになったのには、皆で
行った海水浴の思い出が大きく影響しているっぽい
ですね（このストーリーはアニメの第１期では
第４話で描かれています）。いつもの七森中とは
別の、海という開放的になれる場所で経験した
一夏の出来事が、彼女の胸を思わず熱くさせたの
かも。

　さて、千歳にリードされて「愛の猛特訓」が始まります。
といっても、やっているのは、下の名前で呼ぶ、とか、
手をつなぐとか、かなり初歩の方ですね。
　いつも綾乃と京子のあられもない絡み合い(?)を
妄想している千歳から見たら、名前を呼べるように
するなんて、物足りなさ過ぎるのでは、とも思えます。
今の綾乃のペースに合わせるのは、千歳的には妄想の
足しにはならない感じもします。

　でも千歳は、焦ったり、せかしたりもしていません。
呆れて見放したりなんて事も全くしないで、きちんと
綾乃の気持ちをくみ取ってあげているのですよね。
　千歳にとっては、綾乃が少しでも素直に京子と
ふれあえる事は、自分の喜びでもあるのでしょう。
綾乃が一歩でも京子との距離を縮められるように
サポートしたいといつも考えているのでは。

　そんな気持ちとともに、ここではもう少しだけ、
千歳が自分の願望を綾乃に語っている気がします。
最初の方の場面では、綾乃が、自然な流れで京子と
「手をつなぐには」とか、「一緒に帰るには」とか、
または「キャッキャウフフするには」、と、千歳の
主張がエスカレートしています（といっても彼女の
妄想の中身に比べればかわいいものかも？）。

　他には、綾乃が珍しく自分の気持ちを隠さずに
言う練習をしていて、最後の決めのせりふが期待と
違っていた時には、千歳から思わずツッコミが。
これは彼女にしてはあまり見せない反応かもですね。
　ですが、綾乃の心細い気持ちを聞いた彼女は
思い直しているようです。やはり千歳は、綾乃の
ためならいろいろ尽くしたいと考えているの
でしょう。

　このエピソードの中で、彼女達はいろいろな
特訓をしました。それぞれにちょっと笑える部分が
あって、そういう所も楽しめる内容になっている
かもです。さらに最後には、、、この存在しない
からこその存在感は、ドラマCDならではのおもしろさ
だったり？

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