つぼみ Vol.17 その２

　「神さまばかり恋をする」は、謎の女の子、ヒワに
ついて少しずつ明らかにされていっているようです。
コトリとはこの後深く関わっていきそうですね。
「エデンの東戸塚」では清香からひとみへの気持ちが、
だんだん動いて行っているみたいです。ひとみの方は
清香をどう感じているのでしょうか。

　発行芳文社による百合アンソロジー「つぼみ」の
Vol.17を見てみました。以前に別の記事でも書いて
いますので、よろしければそちらも見てみてください。

・つぼみ Vol.17

　では前に書いたもの以外の作品について一部
ご紹介、、、。

（・作品名（作者名（敬称略）））

・ファミリア・ファミリア（宮内由香）
　睦は、昔から親しくしていた年上の希世子の息子と
遊んでいた。希世子は今美容院へ行っていて、髪を
短くしてくるはずだった。睦は、知らず知らずの内に
希世子と出会った頃の事を思い出していた。
　小さな子供と意見が合うのは、睦の気持ちがまだ
子供だという意味になるのでしょうか。彼女が希世子
に抱いていたのは、年上の女の子に対する一人っ子の
憧れ、とか？　百合的にはそれだけではないものを
期待したい所ですね。希世子と家族になれれば何でも
いいというわけでもないでしょうし。

・神さまばかり恋をする（一花ハナ）
　夜、しおりの部屋に、ヒワがふらりと現れた。ヒワ
は何も言わないし、しおりも何も聞かない。ヒワは
今夜しおりと一緒に寝るつもりらしいが、そんな時は
いつでも、翌朝彼女はいつの間にかいなくなっている。
　この話数では、しおりとヒワの関係が少し説明
されていますね。聡香とコトリとはまたちょっと違う
間柄のようです。ヒワが何をしようとしているのか
まだあまりはっきりしていませんけれど、コトリ
とは何か深い関わりがありそうな。ここで初接触した
彼女達は、お互いを理解していけるのでしょうか。
　しおりも、ヒワが何者なのかを知ってはいない
ようですが、彼女を無条件で受け入れている感じ
ですね。一緒のベッドで寝ちゃうほど、、、。度量が
あるというのか、もしくは彼女のような不思議な
存在に昔から触れてきているため、慣れてるとか
なのでしょうか。聡香は神社の娘ですから物語的
には何かあるのかもですけど、実はしおりにも
秘密があったりするかな。

・王子チャマとお姫どん（石田敦子）
　入学式では、新入生の中に美少女がいると噂で
持ちきり。１人は松沢香流、容姿端麗だが、背が
低い。もう１人は松倉亜利子、幼い顔立ちだが、
背は高い。２人は寮で同じ部屋になった。
　２人とも、自分の見た目にはコンプレックスが
あったみたいです。彼女達を知らない人達は必ず
外見から判断するでしょうし。でも内面を知って
もらうためとはいえ、香流がした事は結局外見に
頼っているようにも見えたり、、、。亜利子だけは
香流の本当の姿を理解していてもらいたいですね。

・エデンの東戸塚 第７話、第８話（袴田めら）
　冷蔵庫の残り物を利用して、清香はいそいそと
料理を作る。うまくニラ玉ができあがったが、
いつも食事をしに来るひとみが、今日はいない。
彼女は結局寝る時間になっても現れなかった。
　騒がしいひとみとの日々に、清香はいつの間にか
慣れてしまっていたらしいです。が、改めて考えて
みると、興味を持ち始めてしまうようで。ちょっと
見方を変えただけでも知らない事がたくさんあると
気づいた時、清香はどんな気持ちになるのでしょう。
ひとみにも、彼女の思いに気づいてもらいたいかも。
　清香が１人で寝ている時のモノローグで、「気配が
ないだけで」という部分がありました。その気配
って、例の「ぱぁん！」、、、じゃないですよね。
同じページに書いてあったのでつい。

・明日の君にできる事（藤丸）
　よーこは父親との２人暮らしだが、すれ違いが多く
会話もほとんどない。そんな生活に慣れてきた頃の
事、部屋の中が突然明るくなり、中から見知らぬ
女の子、メグが現れた。彼女は未来から来たという。
　メグがよーこのそばにいるのは、大きな目的が
あるから、なのですよね。彼女の最初の予定では、
するべき事をしたら未来の世界へ戻るだけ、だったの
でしょう。もしその予定を変えられないのなら、
よーこへの思いは彼女の中ではあまり高い位置に
ないのでは、と感じられたりもしそうです。

・「つぼみ」レビューリスト、レビューセンター