つぼみ Vol.17
「ひみつのレシピ」は、前号でちひろとゆうこの接近が
気になったのですけれど、その後は進展するような
しないような? 進展という点では、「ベツキス」は
少しずつ物語が動き始めているようです。「prism」は
本筋のエピソードではないみたいですが、光の気持ち
の変化がきらきらと描き出されていますね。
発行芳文社による百合アンソロジー「つぼみ」の
Vol.17を見てみました。
表紙は日向悠二さんが担当されています。「女の子
だけのコスプレ撮影会」といった題材のようで、衣装を
身にまとった金髪(本誌の奥付のページを見ると、この
髪もかつららしいです)の女の子と、カメラを持った
黒髪の女の子が描かれています。金髪の子は、ゴスロリ
風のコスチュームで片手に刀、片手に拳銃を握って
胸を反らし、口をへの字に曲げていかめしそうな表情を
作っています。絵柄が黒い線の効いた引き締まった
感じなので、劇画チックでよけいにすごみが増している
、、、ようにも見えるのですが、本人的にはちょっと
無理してる感じもあります。隣にいる黒髪の子が顔を
近づけて体を触っているので、彼女が金髪の子の
ポーズに注文をつけてるのかもですね。
裏表紙では、2人ともベッドの上で下着姿になって
います。これも撮影、ではないんでしょうね、黒髪の子は
カメラ持ってませんし。どういう口実を作った(?)のかは
わかりませんが、黒髪の子は平然とした顔で金髪の子に
迫っていますね。金髪の子はたじたじになっています。
これから2人はどうなっていくのでしょうか。
「はじまるよ」のイラストは、石田敦子さんが担当
されています。2人の女の子が登場していますが、
彼女達は本誌に掲載されている「王子チャマとお姫どん」
のヒロイン、松倉亜利子と松沢香流ですね。カラー
イラストの方では、アリスっぽい格好をした亜利子が、
香流の髪型を作ろうとしています。黒髪ストレート
ロングヘアの香流がどうなるかというと、裏に描かれて
いますね。かなり手の込んだ髪型で、亜利子は達成感を
抱いているみたいですけど、香流の方は鏡を見て驚いて
います。自分の変身ぶりにまだついていけてないみたい
ですので、冷静に見栄えを確かめられるのは、もう少し
落ち着いてから?
では収録作品を部分的にご紹介、、、。
(・作品名(作者名(敬称略)))
・星川銀座四丁目(玄鉄絢)
階下の本屋が店じまいされた。元々常連向けに開けて
いただけである所に、店番の日名がやめてしまった
からだ。乙女は安い家賃で一軒家に暮らせると喜ぶが、
湊には他に気がかりな事があった。
前号辺りから怪しい事に手を染め始めてしまった
日名ですが、ここではさらに良くない事をしてますね。
乙女は日名を信頼しているからあまり騒がなかったの
かもですけど、これは彼女にとってけっこう精神的な
ダメージなのでは、と思えます。乙女が日名と仲良く
しようとしたのは湊に言われたから、じゃないですよね。
・prism #6.5(東山翔)
夏休みのある日。今日は恵の都合がつかなくて
光は1人家にいた。たった1日会えないだけで思いが
募るのは、この所毎日一緒にいたからではない。
光はそう自覚していた。
1人でいるからよけいになのかもですけれど、光は
恵の事をついつい考えてしまうみたいです。その様子
は正に恋する乙女のようで。何年も前に一度だけ
会って恋に落ちた、しかも女の子同士の恋愛を成就
させたのですから、ちょっと離れていただけでも
気持ちは高まってしまうのでしょうね。
このエピソードは、「6.5」とあるように、本筋
からはやや離れた話題になっているみたいです。恵も
ほとんど登場しませんし。でも2人の間にある愛情が
伝わってきて、物語に深みを出している気がします。
それと、最初の場面で光が良子と電話で話していた
感じからすると、時系列としては#6の直前とかなの
でしょうか。
・ひみつのレシピ 13ページめ(森永みるく)
合宿先で肝試しをしている最中、ちひろの手を
ゆうこが握ってきた。突然の事に戸惑いとときめき
を隠せないちひろに、真剣な顔でゆうこが尋ねる。
霊感はあるか、と。
前回の最後に思わせぶりな雰囲気がありました
けど、実は、という展開になっていますね。この
2人はなかなかいい雰囲気になれないっぽいです。
最初の頃の、キスしまくっていた状況が懐かしく
感じられそうな。ちひろ的には悩ましい所かもです
けれど、一緒にいれば、親しくなるチャンスはある?
・前略、百合の園より(須河篤志)
母親譲りの金髪の珍しさや目つきの悪さもあって、
忍以外に友達ができない倉敷百合。自分が漫画を
描いている事も秘密にしていたが、クラスで聖人君子
と呼ばれる藤原だけは彼女にいつも声をかけてくる。
藤原が百合にいつも挨拶をする事について、それは
「聖人君子」の義務感だろう、ぐらいに百合は思って
いたのかもしれません。でもその後の藤原の行動を
冷静に見ていると、何かちょっと違うようでもあり
ますね。藤原が忍のネタ帳通りの女の子だとしても、
百合に対しては思う所があるのでは。
・ベツキス(百合原明)
学校の薔薇の園でキスをされた後、気がつけば
エイプリルはひかりの家に住み着いていた。母親は
彼女をとても気に入っていて、出かけようとする
ひかりに、彼女を連れて行くよう勧める。
これで連載でもエイプリルがひかりの家に居候
し始めていますね。母親もそうですが、友達の
鞠子も、エイプリルが吸血鬼である事とは別に、
彼女はひかりにお似合いの女の子だと感じている
ようです。ひかりも本当はそう思っているのかも。
という所で、何かが起きそうな予感があります。
ところで最初の場面で、母親がひかりに「プーちゃん
も連れて行ってあげたら」みたいに言っていました。
確かエイプリルの使い魔の猫のあだ名は「ブーちゃん」
だったはず、と思ったのですけど、「プーちゃん」って、
エイプリルの事だったんですね。ずいぶんかわいらしい
呼び名をもらっているようで。
この他、目次にはあらた伊里さん作の「総合
タワーリシチ」もエントリーされていますが、
作品本編というよりは、本誌と同日発売された
単行本第1巻の紹介漫画という形になっている
ようです。2ページと分量も短めですね。次号では
新しいエピソードが見られる、かな?
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