ＡＫＢ００４８ 第３話

　追っ手の攻撃をかいくぐって「芸能禁止」の星で
歌とダンスを披露する、、、アイドルはきらびやかな
だけではない事を、凪沙をはじめとした候補生達は
身をもって思い知らされます。それでもアイドルに
なろうとする理由とはどういうものなのでしょうか。
そこに百合的なものが絡んでくると良いのですけれど、
なかなかそういう気配が見えてこないですね。

　テレビアニメ「AKB0048」、第３話「星屑セレクション」
です。
　AKB0048のメンバーに救出された凪沙や智恵理達は、
他の候補生達とともに船内の１箇所に集められていた。
アイドル志願のたくさんの女の子達に彼女達は圧倒
される。やがて現れた支配人のツバサは、候補生達に
課題を伝えた。それは、２週間後に芸能禁止の惑星で
行われるゲリラライブで、課題曲「Beginner」を
「歌って踊らせる」事。そのための熾烈なレッスンが
早速始まった。

　この時代でも、人々に夢を与えるアイドルを見た
女の子達が、自分もそうなりたい、と憧れる事は
よくあるようです。そしてアイドルとして羽ばたく
には厳しいレッスンをこなしていかなければならない
という状況もあるようです。
　きらびやかなステージとは反対に、地道な努力
（それとこの時代では芸能活動をする事で命の危険に
さらされる場合があるようです）を積み重ねる事が
要求されると知って、落胆する子も多いみたいです。
どんな事情があっても必ずアイドルになってみせる、
ぐらいの気持ちがないと本当にアイドルにはなれないの
でしょうね。１次審査を通らなかった楚方がツバサに
認められたのは、その気持ちを持っていたからなの
でしょう。

　以前別の記事にも書きましたNHKの番組「MAGネット」
で、「群像少女アニメ」が特集され、この作品が
取り上げられていました。その中で、AKB48の
ステージの様子を取材した監督の河森正治さんが、
舞台の裏側を「まるで野戦病院のようだった」と
表現されています。素晴らしいステージを作るために、
その裏では命を削るような努力が行われている、
という意味なのでしょう。
　この「AKB0048」には、そういった面が反映されて
いるのかもしれません。自分の命をかけてでも、
人々に届けたいものがある。それが何なのか、凪沙
達はこれから自分達でつかんでいく事になるのかも。

　この第３話では「セレクション」が行われただけ
ですが、アイドルになってステージを続けて行くには
数々の試練が待ち受けている事でしょう。船での
生活一つとってみても、壊れかけたシャワー、狭い
無重力のベッド、栄養補給のための食事など、制限
された生活を求められているようです。レッスンの
方も、歌って踊るというよりは、ロボットを相手に、
戦って相手を倒す方法が教えられています。
（このままでは凪沙達が戦いのスペシャリストに
しかならないような気もしてしまうのですけれど、
まあそこは大丈夫なのでしょうね。その内アイドル
らしい事もするのでしょう。）

　凪沙達は、襲名メンバーがお互いに努力しながら
腕を磨いていく姿や、彼女達の間にある団結力を
垣間見ています。自分達がしている事も、いつかは
あそこへつながっていくんだ、と彼女は感じた
かもですね。
　そうやってアイドルという「仕事」をしたり
プライベートを暮らしていく中に、百合なエピソード
が含まれるのか、というのが気になる所です。
アイドルとしてステージをこなす、そのために
日頃から努力をする、という部分だけが描かれるの
なら、女の子同士のラブな雰囲気はあまりなさそう
でもあります。前にもちょっと書きましたけれど、
仕事を続けるために、例えば彼女達がプライベートで
同性との恋愛も禁止されているのだとしたら、
女の子同士で親密になる流れは期待しづらい
でしょうか。
　第２話の時に少し書いたような、見た目での
女の子同士のふれあい（抱き合ったり頬に唇を
寄せたり）もこの第３話ではあまりなかった感じ
です。このままでは百合的にはちょっと期待
できなさそう、、、？　凪沙と智恵理の関係などが
発展していくと良さそうかもですね。