ＡＫＢ００４８ 第１話

　凪沙達の願いは、アイドルに会う事ではなく、
アイドルになる事、、、。もし本当にそのつもりなら、
皆に希望を届ける前に、夢を押しつぶそうとする
圧力に立ち向かう前に、やらなければならない事が
あるのでしょう。憧れのステージに立つためには厳しく
「禁止」される事も多いと思われますが、女の子同士
の親密さだけは認めてもらいたいですね。

　放送が始まったテレビアニメ「AKB0048」を見て
見ました。第１話のタイトルは「消せない夢」です。
　芸能活動や歌が人心を乱すとして規制されている
未来。辺境の星、藍花星（ランカスター）も例外ではなく、
芸能に触れる行為をすればすぐに当局に拘束されて
しまう。ある夜、本宮凪沙と一条友歌、藍田織音は、
園智恵理に導かれて町の外れへと向かう。そこでは、
「会いに行くアイドル」、AKB0048がライブを行って
いた。間近で見るアイドル達のステージに感銘を
受け、凪沙達はいつかアイドルになりたいという夢を
膨らませる。それから４年の月日が流れた。

　AKB0048がやろうとしているのは、すさんでしまった
人々の気持ちを癒す事、なのでしょうね。未来に
希望を見つけてもらうために、彼女達は危険を承知で
ライブを続けているようです。
　彼女達が手を差し伸べるのは世界中の人達。皆に
笑顔になってもらいたいという思いがあるのでしょう。
皆も彼女達のステージを見て元気を出しているようです。
　でも、少しだけ感じ方が違う人がいます。それは、
凪沙のような幼い女の子達。彼女達の場合は、ステージ
を楽しむだけではなく、ステージに立ちたいという
夢を抱くのですよね。

　AKB0048（縮めて「00」と呼ばれたりもするようです）の
メンバーは皆に等しく笑顔を振りまいていますが、
凪沙達はそういう笑顔を見せる側になりたいと思って
いる。そのギャップが、いつか凪沙達に夢と現実の差を
見せつける事になってしまうのかも、という気もします。

　ストーリーとしては、アイドルになる事を夢見る
女の子達が、様々な苦難を乗り越えてステージに立つ、
という流れになるのかもです。芸能が弾圧されている
とか、星々を行き来してライブをするといった設定は
ありますが、基本的にはアイドルの成長物語みたいな
感じになるのでしょうか。

　もしそうだとすると、オーディションを受けたり
研究生になったり、正規のメンバーになってアイドルの
活動ができるかどうかといった辺りがドラマになりそう
です。そしてその部分は、実際にAKB48のメンバーが
実感している部分が反映されていたりするのかも。

　厳しいレッスンを受けたり（00の場合は歌や踊り
だけでなく護身術や格闘技も学ばなきゃなのでしょう）、
メンバーになっても練習は欠かせないはず。生活面
でも制限を受ける事があると思われます。
　途中の場面で、優歌が男の子と関わる場面が描かれて
います。優歌はその男の子に淡い恋心を抱いていた
よういですが、、、という感じで、アイドルになる事に
ついて、同年代であっても周りの見方は様々みたい
です。
　これは何となく、アイドルになると恋愛もままならない
という事を示しているようにも思われます。ちなみに
聞いた所では、AKB48では、「異性とも『同性』とも
恋愛禁止」らしいです（４月の中頃に放送された
「笑っていいとも！ 増刊号」でメンバーの指原莉乃さんが
そうおっしゃっていたようです）。そういう事情が
この作品にも反映されるとしたら、百合な展開は
期待できなかったり、、、？

　「芸能禁止」の世界に立ち向かうために、自分達に
様々な試練と禁止事項を与えていかなければならない
としても、少なくとも一緒に戦う仲間達とのつながり
だけは、彼女達の間で大切にされていくのでしょう。
それに、凪沙達の本当の夢は、「一緒に」アイドルに
なる事です。４年前のあの夜、目の前で繰り広げられた
00達のきらびやかなステージの光景よりも、凪沙達に
とってはお互いにふれあった手のぬくもりの方が、とても
強く実感できるものだったのではないでしょうか。
その感覚と、それを与えてくれるお互いとのつながりを、
彼女達には大切にしていってもらいたいですね。