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2012年5月23日 (水)

夏色キセキ 第7話

 一緒に遊ぶ事が多い4人の中でも、凛子と優香は
そばにいる時間が長いですよね。当然ながら、ふざけて
ふれあう場合もよくあるとは思うのですが、ここでの
凛子は優香に触れられてときめいてしまっています。
優香に対する彼女の気持ちは、既に友情を超えているの
ではないでしょうか。優香も、彼女の思いをだんだん
意識してくれるようになる、かな?

 テレビアニメ「夏色キセキ」、第7話「雨にオネガイ
です。
 テレビから流れてくるFourseasonの曲に合わせて
ステップを踏む夏海、紗季、優香、凛子。音楽に乗せて
ターンをする所で、優香は1人だけ逆に回ってしまう。
優香ののらりくらりとした言い訳を聞いていても、
彼女がきちんと練習してこなかった事はほぼ明白
だった。4人で一緒に出る町内のど自慢大会が開催
されるのは今日。なのに全く身が入っていない優香に、
夏海はついに怒り出す。

 シリーズの最初の頃に言われていたのど自慢大会が、
ここで開催されようとしていますね。紗季が引っ越す
前に4人でやりたいと考えていた思いで作りの中でも
大きなイベントのようです。もっとも優香的には、
4人がアイドルになるための第1歩、という気持ちの
方が大きいのかも?

 そんな大事なステージならさぞかし気合いも入って
いるはず、かと思ったら、優香は自分の家ではほとんど
練習をしていなかったらしいです。何というか彼女
は、努力を惜しむタイプ、とでも言えそうですね。

 昔から優香は、楽な方を選ぶ傾向があったみたいです。
第4話で少し描かれていたように、夏海や紗季に比べて
体力が低く、ちょっと走っただけで息が上がるのも
そのせいなのかも。
 この第7話では、水風船のエピソードが語られて
います。昔彼女達が他の友達とも一緒になってしていた
遊びで、水を入れた風船をぶつけ合うというものらしい
です。
 夏場にやれば涼しいし子供達には楽しい遊びみたい
にも思えます。が、優香はすぐに逃げ出して、風船の
当たらない場所へ避難しています。一方で、凛子と、
夏海、紗季は逃げたりはしなかったようです。
 優香は、他の子がどうなろうとも、自分が濡れるのが
嫌だから逃げ回っていたみたいです。ですが夏海と紗季
は、足の遅い凛子を取り残したりしないように、一緒に
戦っていたのですね。

 あの時の皆の気持ちを初めて聞いたらしい優香は
どうしたかというと、、、それほど変わってはいない
雰囲気でもありますね。まあそうすぐに「いい子」には
なれないのかもです。けど、皆のためにできる事が、
自分にも何かあるはず、という思いは持てたのでは
ないでしょうか。

 と同時に、ちょっと別の気持ちにも気づいていった
かな、とも思えます。何も意識しなかった小さい頃の
自分に比べて、夏海と紗季は、凛子を思いやって彼女の
ために自分達が苦労するような事も積極的に背負って
いた。凛子自身もそれには気づいていた。それなら
凛子は、夏海や紗季の方になついて、鈍い自分なんか
相手にしなくたって当然のはず、、、。
 でも、気がつくと凛子は優香にいつも寄り添って
いました。夏海と紗季よりも断然長い間2人は一緒に
過ごし、遊んだりたくさん話し合ったりしています。
 体育会系の夏海と紗季に対抗して体力のない者同士
一緒にいる、というわけではないですよね。どちらか
というと優香はけっこう自然体で、凛子の方が割と
積極的に優香に近づいているように見えます。

 そこまでわかったら、優香は、一つの可能性に
気づいたりしないでしょうか。もしかしたら凛子は、
自分を選んでくれているのではないか、と。
 これは、優香にとって胸のときめくような気持ち
なのかなという気がします。一番仲のいい友達から
慕われているとしたら、、、。この話数では優香の
態度はあまり変わってない感じですが、少なくとも
嫌がってはいませんよね。凛子のために何かできる
事は、と考えていく間に、優香は自然に彼女との
関係を深めていけるのでは、と思えます。

 それから凛子の方の気持ちも大切ですよね。彼女は
これまでの話数でも、優香に思いを寄せているような
振る舞いを見せています。ここでもそういう場面が
ありますね。
 あれこれ言って優香に練習をさせようとするのは、
のど自慢大会のためでもあるのでしょう。けれど
他にも、優香に恥をかかせたくない、とか、純粋に
優香の美しいステップを見たい、という気持ちもある
ように感じます。

 また、優香に抱きすくめられた凛子が、真っ赤に
なって言葉もしどろもどろになる場面があります。
4人は皆仲良しですから普段からふれあう事は多い
でしょうし、ふざけてハグしたりというのもよくある
と思われます。
 けれど凛子にとっては、優香に抱きしめられるのは
いつであってもどきどきしてしまう経験なのでしょう。
いつもはあまり表情を変えない彼女がこんなに取り乱す
ぐらいですから、彼女の優香への愛情は強いのでは。

 この場面で、凛子がどんな表情をしていたか、
優香は気づいていないみたいです。やがていつか
何かのタイミングで、凛子が頬を染める表情を
見たら、優香はどう感じるでしょうか。今までより
もっと愛しくなり、自分の恋愛感情にも気づいたり
すると良さそうですね。

 さてもう1組の夏海と紗季の方ですが、こちらも
お互いを近い存在だと考えているように思われます。
夏海は、紗季が目の前で服を着替えてもとりたてて
何も思わないみたいで、落ち着いた熟年夫婦(?)ぶり
を見せていますね。ですが、衣装を着た紗季の姿に
夏海が大人の色気を感じたりしていますし、彼女達
だってお互いを女の子として見ているのでしょう。

 この話数では、ダンスのステップやキャラの表情の
動きなどが細かく描かれていたように思います。夏の
思い出を作る4人の女の子達の姿がさらに鮮やかに
描かれていたような。「御石様」に頼らずに(確か
第5話でも御石様に願わなかったかもです)願いを
叶えようとする所からも、彼女達が成長している
感じがします。4人がともに前へ進んでいけるように、
そしてその中で特に夏海と紗季、優香と凛子の間に
ある愛情が深まっていくと素敵ですね。

・「夏色キセキ」レビューリストレビューセンター

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