モーレツ宇宙海賊 第１２話

　宇宙に出たら、人は誰も同じ立場だと、茉莉香は
グリューエルに言いたかったのかもですね。
その上でその人がどう行動するかで、周りの反応も
変わってくる、と。だったら茉莉香はグリューエルに
どういう態度を見せるのかというと、、、何か麗しく
エスコートしてますね。

　テレビアニメ「モーレツ♥宇宙海賊（パイレーツ）」、
第１２話「永遠（とわ）よりの帰還」です。
　宇宙をさまよう「黄金の幽霊船」こと移民船「クイーン
セレンディピティ」に、茉莉香達は弁天丸で乗り込んだ。
その後亜空間に突入した船の中を、茉莉香と仲間は
グリューエルを先頭にして進んでいく。船内には彼女達
の他にセレニティ王家の防衛軍の部隊も侵入している
らしく、グリューエル達は先を急いだ。途中、一行の
目に入ってくるのは、コールドスリープ状態にある
動物の群れ。これらは、移民先でセレニティの母星
の生態系を再現するために持ち出されたものだった。

　海賊としては、誰かに雇われて仕事をしている場合、
報酬が入るかどうかが一番で、依頼人のいざこざ自体
には関わってはいけないでしょうし、もともと興味も
ないのでしょう。弁天丸の乗組員も似たような所だと
思われます。ちなみにグリューエルが密航してきた時、
弁天丸の乗組員の中で王家の動向に詳しい人はいません
でした（ニュースのヘッドラインで見るぐらいだとか）。
　なので幽霊船の中で防衛軍と鉢合わせたとしても、
自分達の命をかけて戦うといった心づもりまではないの
ではという気がします。ビジネスとして考えた場合は
そうなるのかもしれません。（他の作品になりますが
「KURAU Phantom Memory」では、主人公のクラウの
稼業、「エージェント」も似たような位置づけのようです。
特にエージェント同士の争いでは、無駄な血を流さない
ように話し合いで片をつけたりしています。でも
それだからこそ、エージェントは人を見る目があって
義理堅い人が多いみたいです。）

　一方でグリューエルの妹、ヒルデが連れてきたのは
防衛軍の兵達です。軍人の場合は上官や支配者の
命令が絶対で、言われた事を正確にこなすのが仕事
なのですよね。このままでは本気の撃ち合いになって
しまいそうではありますが、、、という所で、茉莉香と
相手方との間で何かがあるようです。

　ここまででは、セレニティの王家については、
グリューエルやクーリエなどが話している場面は
ありましたけれど、具体的にどういう人達がいて、
どういう事をしているのかが物語としては描かれて
いない感じですね。なので、海賊船に密航してまで
目的を果たそうとしたグリューエルの決意をくっきり
見て取るのが難しい気もします。彼女としては、
自分の命と引き替えにしても王家のやり方を正そうと
考えていたみたいですので、その辺りが前面に
出ると感動的になるのかもです。
　この話数では、最後の場面でグリューエルとヒルデ
が呼びかける辺りで、彼女達がこれから大きな責任を
背負おうとしている姿が描き出されていて、ここが
大きなポイントとなっているのでしょうね。次回予告
を見るとこの２人はこれからも登場するらしいです
から、これきりじゃなくてもっと茉莉香達と関わって
きそうですね。

　幽霊船に乗り込む時、茉莉香はグリューエルに、
人間の存在について語っています。「宇宙では１人」
というのは以前にも出てきた言葉ですが、ここでは、
それだけではないと茉莉香は言いたかったようです。
　その言葉は、まだ戸惑っているグリューエルの背中を
押すような意味合いがあったようですね。でも彼女を
元気づけて前へ送り出すだけでは、やや素っ気ない
感じもします。それに、グリューエルの覚悟をそのまま
後押ししてしまったら、彼女は進んで自分の命を
落とそうとしてしまうでしょうし。
　茉莉香も、組合から依頼があったからグリューエル
を幽霊船に連れてきた、だけではないはずですよね。
彼女は前に、弁天丸を守るのが大事みたいな事を
言っていましたけれど、そのためにグリューエルを
放り出すつもりではないでしょう。グリューエルが
寂しがり戸惑っていたら手を差し伸べ、同じように
自分が行く先に迷ったらグリューエルに甘えたって
良いのではないかという気がします。

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