夏色キセキ 第3話
魔女、という呼び方をされる事に、紗季達は正直戸惑い
を感じているようです。本当の事は言えない、けれど
相手が嘘をついているとも言いたくない。悩んで出した
答えは、魔法のようにすべてを解決してくれるのでしょうか。
そしてその結果は、夏海達にどういう影響を与えるの
でしょうね。ちなみに公式サイトにある日記(かな?)に
よると、凛子は、あの力自体は楽しかったらしいです。
テレビアニメ「夏色キセキ」、第3話「下田では
トキドキ少女は空を飛ぶ」です。
夏海は朝のラジオ体操に行かなかった。他に
紗季、優香、凛子も、神社にある「御石様」の周りに
集まっている。緊急の呼び出しで4人が集まったのは、
この前空を飛んだ事が理由だ。夏海の弟、大樹の
友達の祐介が、どうも彼女達が飛んでいる姿を
目撃したらしい。御石様の力を皆に秘密にしておく
べきか、それとも教えるべきか、4人はあれこれ
意見を出し合って考えた。
夏休み直前、第1話のエピソードから、夏海達は
御石様の不思議な力をはっきりと体験しています。
普通では考えられない出来事であるため、どんな風に
受け止めたらいいのか悩んでいるみたいです。
彼女達の意見(といっても、凛子が推測して皆が
同意する、という場合が多いようですが)では、御石様
の力は自分達だけに与えられたもの、とか、他の皆に
知れ渡ったら御石様は願いを叶えてくれなくなる、
願い事の打ち消しはできない、同じ願いを2度叶える
事はない、でも相手が別なら叶えてくれる、といった
所が出てきています。自分達が出くわした状況を
まとめて説明をつけるならそうなるのかもしれません。
けれど、そうらしいというだけで、これが真実とは
限らないのでは、とも思えます。何しろ普通なら
起きない事ですから、常識が通じるかどうか、、、でも
夏海達は、目をそらさずにこの力と向き合っていく
事になるのでしょうね。
(それにしても夏海、御石様を大事に思うような事を
言っている割には、御石様をお尻の下に敷いちゃってる
気がしますけど、、、。あまり扱いが良くないと後で
おかしな事になったりしないでしょうか?)
その影響の一つが、この話数での祐介との関係に
表れていると言えそうです。紗季は事実、空を
飛びましたから、祐介が言っているのが嘘じゃない
とわかっています。でも常識からはかけ離れている
出来事ですし、自分達としても秘密にしておきたい
ため相手を認めてあげる事ができません。
何も口出しできずにいる間に、祐介と大樹の
関係は険悪に。紗季はよけいに責任感を抱いて、
ついにある行動を、夏海達と起こす事に。
普通の(普通だった?)中学生が考えつくアイディア
なんてたかがしれていて、万事うまくいく確証は
ありません。それにうまくいったとしても、紗季は
誤解されたまま町を去る事になります。
また、紗季の考えは御石様の「キセキ」を当てにした
ものでした。毎日のように不思議な事が起きるわけ
ではない世界に住んでいる彼女達の願いが何でも
実現するかというと、、、。
でも、その後の紗季の行動が良いですね。何かに
頼るのではなく、逃げたりしないで自分自身が責任を
受け止めている彼女の姿があります。祐介の気持ちは
晴れたわけではないのでしょうけれど、紗季の思いは
伝わったのではないでしょうか。
それに、紗季達がうまくやりおおせられなかったから
といって、すべてが取り返しのつかない状態になる
とは限らないようです。大樹や祐介だって、自分達が
どうするのがいいのか、いつも考えているみたい
ですから、2人に任せる事も時には大切なのでしょう。
といった感じで、不思議な力があるからといって
何でもできるとは限らない、失敗して誰かが傷つく
事もある、けどそこでは終わらず、人は皆正しい
方向へ進んでいこうとしている、という流れが感じ
られるエピソードなのでは、と思えます。主人公達は、
ほろ苦い経験もしながら、爽やかな気持ちも感じている
ようです。
こういう雰囲気で物語が進んでいくのであれば
素敵かもですね。悩んだり喜んだり、といった感情を、
夏海達4人が夏休みの間に一緒に感じていくような。
オープニング曲のような爽やかさが物語の中でも
展開していくと良さそうです。(ともかく「魔女」騒ぎは
ここまで、なのでしょうか。)
そして夏休みの終わりには、、、紗季が下田の町を
離れるという避けられない現実が待っています。この
寂しさに、夏海達(特に夏海)がどう向き合って
答えを出していくのかが興味深い部分ですね。
さて百合的には、前回第2話で、紗季と気持ちを
重ね合わせる事ができた夏海が、「紗季と仲直りできた」
とつぶやく場面があります。何か本当に嬉しそう
なのですよね。これからは、ちょっと意見が合わない
場合もあるかもですけど、彼女達の絆はより強く
結ばれていくのでは、と予感させられます。
後は凛子と優香ですね。この話数では、夏海達
から前回の逆襲を受けて、今度は2人がくっついて
しまっています。
前回は確か、気持ちが一つになれば力が解ける、
みたいに言われていました。なら、大の仲良しで
今はけんかもしていない凛子と優香ならすぐに
体を話せるような気もするのですけれど、、、。何か
別の要素が働いていたのかもですね。
どこへ行くにも何をするにも体がくっついたまま
なので、優香は相当困っています。が、一方の凛子は
あまり苦になっていないような。表情があまり
変わらない子だから、というよりは、今の状況を
喜んでいるっぽいですね。
前回夏海と紗季の時は、離れられない2人を見て
楽しそうだとも言っていましたから、凛子的には実は
望む所だったのかもしれません。優香の母親に
見つかった時も、「私と優香は一心同体ですから」と、
さらりと言っています。これは、優香や周りの人達に
対するアピールだったりするのかも?
そんな凛子でも、乏しい表情がより固くなってしまう
場面があります。それは、優香の旅館に、彼女の先輩が
御用聞きに来た時。優香と凛子は体がくっついちゃって
いるために隠れていましたが、その時の優香の表情は
、、、。頬を赤く染める優香のすぐ隣にいて、凛子は
何を思ったのでしょうね。応援しようとするのか、
それとも優香に自分の方を振り向かせようとするの
でしょうか。この辺りは後で一つのエピソードに
なりそうです。凛子と優香には、是非身も心もくっついて
もらいたいものです。
この作品の公式サイトでは、各話の放送に合わせて、
夏海達が書いている設定の日記というか感想文の
ようなものが各話紹介のページに載っています。
毎回4人の中の誰かが文章を担当し、それに皆が
コメントを添える、という形式になっています。
この第3話では、凛子が文章を担当しています。
タイトルはずばり、「楽しかったです」です。これは、
優香と自分の体がくっついた事を言っているのですね。
やっぱり凛子は、優香のすぐそばに寄り添っていられる
事が何よりも嬉しいのではないでしょうか。ちなみに
優香も、相手が凛子だったから良かったけど、みたいに
言っています。彼女達はお互いに、すぐ近くにいても
落ち着ける関係なのでしょう。
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