コミック百合姫2012年3月号
「ゆるゆり」は、巻頭カラー企画でアニメ第2期の
情報が掲載されています。原作も連載再開されて
いますね。他には「スキ キライ スキ コンプレックス」
の絵柄や雰囲気が良い感じです。それからネットの
生放送を舞台にした「ブラックヤギーと劇薬まどれーぬ」
も、身近な題材に感じられて楽しいかもです。
発行一迅社、コミック百合姫の2012年3月号を
見てみました。
表紙イラストは1月号から続いてなもりさんが
描かれています。登場する女の子達は前号と同じ
デザインの制服を着ていますので、同じ学校を舞台に
した、つながりのあるストーリーになっているの
でしょう。
寒々と曇った空の下、下校途中とかなのでしょうか、
2人の女の子が一緒にいる場面が描かれています。
マフラーをぐるぐる巻いて、吐息は真っ白、と、
いかにも寒そうなのですけれど、2人の表情はとても
明るいのですよね。その理由は、2人で一緒に
いられるから、なのかもしれません。固くつないだ
手が、彼女達の結びつきを表しているように感じ
られます。お互いの暖かさを確かめ合っているの
かもです。
また表紙にラメの加工がされているのも特徴ですね。
きらきらとした雪のイメージに重なるものがある
かも?
(こういう加工の表紙ってそう多いわけではない
っぽいですね。最近では、他の出版社の本になります
が、小林立さん原作、木吉紗さん作画による4コマ
作品「咲日和」の第1巻もこういう感じの表紙に
なっています。)
表紙をめくった部分では、教室での授業の様子や、
学校の屋上らしい風景が描かれています。どちらも
少し落ち着いた色合いで、やはり雪の舞うような
冬の雰囲気が出ています。
巻頭の企画では、同じくなもりさん作の「ゆるゆり」
のテレビアニメの第2期が制作されるというニュースが
紹介されています。第2期のビジュアルも大きく
紹介されていますね。「私が真の主人公」と書かれた
たすきを掛けた京子が大きく描かれていますが、、、
本編ではどうなるでしょうか。明かりは肩身が狭く
なるか、それとも「天使」ぶりを発揮したりするの
かも?
他の企画では、「百合ヒストリーREWIND」という
タイトルで、百合作品についての歴史が紹介されて
います。「REWIND」というのは、ページの最初が
現在から始まって、だんだん歴史をさかのぼっていく
ため、なのですね。今取り上げられている百合作品は
昔のこういう作品の流れがあって生まれたのかも、
みたいに歴史をたどる事ができるのでは。
では掲載作品を部分的にご紹介、、、。
(・作品名(作者名(敬称略)))
・ゆるゆり(なもり)
55.いざかまくら!
56.女王様ゲーム!!
雪が積もった庭先に飛び出すまり。あかり達も
一緒にゆき遊びを始める。やがてまりは「かまくら
を作りたい」と言い出した。
あかり達はお姉さんなだけあって、まりへの面倒見
が良いですね。京子の突っ走り具合がかえって子供
っぽくさえ見えてしまいます。が、彼女だってまりに
優しくしたい気持ちはあるのでしょう。結衣やちなつ
に内緒で一仕事していたのは、皆へのお詫びの印
という意味もあるのかもしれません。そういう気の
回し方をするのが彼女なのかも。
本作は前号はお休みで今号からの再開となって
います。2話掲載という事で本作としてはおとなしめ(?)
だったりするでしょうか。アニメ版の第2期の予定も
あるこの作品は、これからどれぐらいのペースで掲載
されていくのかが気になりますね。
・犬神さんと猫山さん 2んど(くずしろ)
名字は犬神だが自分では猫派だという八千代。登校
途中で見かけた猫を擬人化してあれこれ想像していた
ために、学校へ来たら既に2時間目だった。
名字は犬神、でも猫が大好き、だけど本人の性格は
犬っぽい、というデリケートな(?)八千代は友達からは
ツッコまれ放題なわけですが、似たような位置づけに
ある猫山鈴に出会った事で何か一歩を踏み出せる
ような気がします。鈴の方も、八千代を気にしていない
風でありながら時々急に甘える仕草を見せる所がまた
猫っぽいのかもです。
・裸足のキメラ(大北紘子)
萩が奉公する事になったお嬢様は、貴族の出であるが
故に去勢を許されない。そのため、蔓延する伝染病に
かかって体が弱っていた。
お嬢様がわがままな振る舞いをするのは、誰にも
愛されていないと感じた時に、それをわがままのせいに
できるからなのかもしれません。誰も自分を振り向いて
くれないと思っていた彼女に誠心誠意尽くしてくれたのは
萩だけだったみたいです。ではなぜ萩だけがそうだったの
でしょう。血のつながりがあったから、とかそういう
理由であってほしくはないかもですね。
・記憶喪失はじめました(すこやか)
大好きな幼なじみの梅と一緒に、漫画読み放題で
過ごすお泊まり会。大喜びだった蜜柑に、梅が尋ねる。
「幼なじみは恋愛対象になると思う?」と。
いくら昔からずっと一緒にいた仲良しでも、言えない
秘密はあるようです。この感じだとたぶん蜜柑は、
自分の思いが通じなくてもそばにいられるだけでいい、
と考えようとしていたのかなとも思えます。でも
梅の口から決定的な言葉が出そうになった時、彼女の
中に、やっぱりこのままでいるのは嫌、という
気持ちが芽生えたのでは。
すこやかさんの作品は、これまで割と飛ばした感じ(?)
のものが多かったように思います。が、この作品は
オーソドックスでちょっとロマンチックな雰囲気が
ある気がします。こういうかわいらしい感じの物語も
良いかもですね。
・ブラックヤギーと劇薬まどれーぬ(大沢やよい)
ネットの生放送で見るまどれーぬに、とても憧れて
いた八木。その気持ちが高じ、ついには自分も
ヤギのかぶりものをかぶって放送を始めていた。
八木もまどれーぬも、相手の知らない所でお互い
をずっと見守ってきていたようです。思わぬきっかけ
で秘密を知り合った2人は、もう何の気兼ねもなく、
そばにいられる喜びを全身で表しています。でも
時には非難されたりする場合もあるらしく。そこで
どういう行動をするかによって未来は大きく変わって
いくのでしょう。
ネットの生放送だと、誰もが作り手になったり
受け手になったりできるものという事もあって、
八木もまどれーぬもお互いに親近感を持てたの
でしょうね。その思いに食い違いはないんだと確信
できれば、2人にとっては無敵の力になるのでは
と思えます。
作中で、「キマシタワー」とか「ふ~ふ」に似た
言い回しが出ています。こういう所もネットっぽい
感じがして面白いですね。
・スキ キライ スキ コンプレックス(ちさこ)
優奈は、下校しようとする幼なじみの紗希を呼び
止める。グループの課題を一緒にやろうと持ちかけるの
だが、今日は紗希には用事があるのだった。
優奈が紗希に求めているものは、小さい頃から
一つも変わっていないようですね。つまり今まで
ずっと、優奈はほしいものを手に入れられずにいた、
という事になりそうです。紗希がわかっていて
そうしているのだとしたら、優奈より一枚上手なの
かも。でも変わらずにそばにいられるのは、彼女達
2人にとって嬉しい事なのかもです。
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