戦姫絶唱シンフォギア 第11話
聖遺物もシンフォギアも、すべてはフィーネの
仕掛けたもの。自分で作った細工に自分が引っかかる
事はない、はずですが、響達はかまわず真正面から
戦いを挑んでいます。この行動は、苦しむ人達を
救いたいという、胸の底にある思いから生まれたもの
なのでしょう。そしてその気持ちは、未来達のような、
力のない人達だって抱いているものなのですね。
テレビアニメ「戦姫絶唱シンフォギア」、第11話
「月を穿つ」です。
リディアン音楽院に飛来したノイズの大群は、校舎
を破壊し生徒達を恐怖の底へ突き落とす。自衛隊が
応戦するものの、目立った効果は上げられない。逃げ
惑う群衆の中にいて、未来は冷静に判断を下し、適切に
生徒達を避難させている。創世や詩織、弓美を逃がした
後、さらに残りの人達がいないかどうか確認するため、
未来は1人校舎の奥へと分け入っていく。そこへ突如、
ノイズが出現した。
この話数のサブタイトル「月を穿つ」を見た時、これは
もののたとえみたいなものなのかなと思っていました。
が、本当に月が狙われていたんですね。
フィーネが登場して、自分と了子との関係や、自分が
何をしようとしているかなどが語られていきます。
「カディンギル」の真相、「ネフシュタンの鎧」の行方
ばかりでなく、彼女の生い立ちもわかってきます。
(ちなみに、なぜ月を狙っていたのかも語られているの
ですけれど、言葉だけのためかなかなかピンとこない
感じもしますね。急に人間や地上から離れた場所が
取り上げられたからなのかも?)
彼女は「あのお方」に近づきたいために、昔、無茶な
事をしたようです。でも結果的にはうまくいかず、
その後時間をかけてやり直しをしようと考えていた
らしいです。
フィーネが求めていたのは、慕っている相手に近づく
事、なのではと思われます。人類の行く末は特に
気にしているわけではなくて、別に滅ぼそうとも
考えてはいないようです。というか反対に、ばらばらに
なっている人類をまた一つにしようとさえ思っている
みたいでもあります。
シンフォギアの奏者、特に響は、相手がノイズなら
ともかく、人間同士が争うなんて絶対にしてはいけない
と考えていて、これまでもその信念に従って行動し、
翼とクリスの争いを止めようともしていました。その
点では、響とフィーネは同調しているとも言えそう
です。
けれど一つだけ違うのは、フィーネは自分の野望の
ために他の人間が犠牲になってもいいと考えている
所なのでしょう。人々にノイズをけしかける理由は
よくわかりませんが、人間の命を何とも思っていない
らしいフィーネを、響達は許せないのですね。
響は、人々が平和に暮らす今の世界が大切なの
でしょう。人が苦しむのは見ていられない、その
気持ちがガングニールを突き動かす原動力になって
いるとも思えます。
そして誰かを助けたい、という思いは、彼女だけの
ものではありません。ノイズと直接戦えるのは
彼女達だけかもですけれど、そうであっても人々を
救うために行動を起こす人達は大勢いるようです。
弦十郎はフィーネに素手で立ち向かっています。
といっても負ける事を覚悟しているのではなく、
信念があれば困難など乗り越えられるという事を、
自分の体で証明しているのかもです。(それにしても
やっぱり弦十郎は強いですね。拳をかすめさせただけで
ネフシュタンの鎧にひびを入れるとは。フィーネが
作り出したシンフォギアを使わずにこれだけの事が
できるとあっては、実はこの人こそがフィーネが
一番恐れるべき相手なのかも。)
慎次も、未来を助けるために体を張っています。
この人の拳銃さばきは正確にフィーネの心臓(下乳、
じゃないですよね)へ弾丸を撃ち込んでいます。
結果的には太刀打ちできませんでしたけれど、あの
危険な場面でも冷静でいられるのはさすがなのでは。
そして、未来も立ち上がっています。もし彼女が、
ノイズや2課、それにシンフォギアをまとう少女達の
戦いを知らなかったら、創世達と同じようにノイズの
襲撃を怖がり、立ちすくんで一歩も動けなかった事
でしょう。
ですが今の彼女は違います。響が嘘をついてまで
皆を不安にさせないように戦っていた事、翼やクリス
がこれまで苦しみ抜いてきた事を知った今、自分も
皆のために何かをしたいと強く思うようになったの
ではないでしょうか。
中でも、未来が一番気にかけていたのは、学院の
様子でした。なぜなら、そこは響が帰ってくる場所
だから、落ち着いて癒される場所だから、です。
響が笑顔でこの場所に帰ってこられるように
するために、未来は学院を残しておきたかったの
でしょう。
そこでもう一つ、本当は学院よりも、未来の隣が、
響の帰るべき場所、みたいな描かれ方をしていると
百合的には良いような気もします。未来本人は、自分
の存在が響の中で一番大切だなんておこがましくて
認めたりはしないでしょうけれど、学院にいる時
だって、その前からだって、彼女は響と寄り添って
きたわけですから、響にとって何が大事かと言ったら
それは未来以外にはないように思えます。
今の状況が物語的な演出でないのなら、響も
未来も早くお互いの存在の大切さに気づいてほしい
ものですね。勘違いしたままでは切ないように
思います。
(それから、フィーネの思いにも、百合な雰囲気が
感じられる可能性もあったように考えられます。
彼女は「あのお方」に近づきたくて無謀な計画を
立てていたのですよね。その相手がもし女性だったら、
女性同士の接近という壁の高さが、2人の距離感を
より強く印象づけるのではという気もします。
(実際には、フィーネの相手は男性のような姿で
描かれていますね、、、。))
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