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2012年3月29日 (木)

探偵オペラ ミルキィホームズ 第2幕 第11話

 シャロや小衣達が予想もしなかった所から現れた
相手は、たくさんのトイズを吸収し、もう誰も
太刀打ちできないほどの力を身につけました。ですが
ミルキィホームズの4人だけは、何度跳ね返されても
立ち上がります。その意志はとても強いようですね。
また、そんな彼女達のすばらしさをよく理解している
女の子が登場しています。

 アニメ「探偵オペラ ミルキィホームズ 第2幕」、
第11話「ラードの神」です。
 パンドラの壺から解き放たれた怪盗達のあまたの
トイズを吸収し、ブー太は超人的な能力と、なぜか
イケメンの容姿を手に入れた。元はホームズ探偵学院
の生徒だったものの、今は悪の意志に支配されて
しまっているブー太が目指すのは、世界中のあらゆる
人間、動物、物体の持つ油分を吸収し、それを使って
世界中をラードまみれにする事。だが、シャロ達
ミルキィホームズが立ちはだかる。

 アルセーヌでも森アーティでもなく、ブー太が
戦う相手になるというのも面白いです。この
外しっぷりが本作らしさ、なのですね。
 ブー太は前回、ミルキィホームズへのちょっとした
逆恨み(いえ、怒るのもごもっともな状況かもです
けれど)につけ込まれて、怪盗達のトイズを体内に
取り込むという無謀な事をしでかしてしまいます。
結果として起きたのは、世界中の油分が奪われる
という危機です。(でも確か、ブー太は外国のラード
が体に合わなくて激やせしてしまったのですよね。
とすると世界の隅々からかき集めた油とかだったら
ブー太には毒だったり、なんて事はないでしょうか。)
これだけ大きな事件が起きてしまったら後の処理が
大変なような気もしますが、本作の場合軽くスルー
される可能性もある?

 戦いの中では、顔かたちがすっかり変わって
しまったブー太を見て、シャロ達はいっせいに
「怪盗アブラギッシュ」と呼んでますね。自分達で
考えてつけた名前なのに、あたかも最初からそう
だったみたいにきっぱり言い切っているのがまた
面白いです。
 他にも、「ラード」という単語に引っかけて
いろいろなネタが出ていました。「ささやくのだよ、
私の中のラードがね」というのは公安9課の女性
警官のせりふから来ているものですね。後は
「ウィー アー ザ ラード」とか「ラードインパクト」
などなど。時にはちょっと無茶のあるもじり方が
されていますが、そこもまた笑い所なのでは。

 さてミルキィホームズは、怪盗達のトイズを
ありったけ吸収したブー太を捕まえようとするの
ですが、トイズが復活していないシャロ達が相手と
張り合うなんてほぼ不可能。でも彼女達はあきらめ
たりせずにどこまでも食い下がります。
 シャロは、相手に「あたし達は打たれ強いんです!」
と言っています。これは本当なのでしょうね。
エリート探偵ユニットだった彼女達は、トイズを
失って転落、一時期は「探偵」という言葉さえ忘れて
しまうほどでした。
 でも彼女達はそのままではありませんでした。
どんな状況でも4人一緒に明るさを忘れず、自分達が
窮地にいるとわかっていても希望を失わずに前向きで
います。「打たれ強さ」だって、彼女達の立派な力に
なっているのでは。

 確かに、探偵にとって重要なトイズを失っても
笑っていられる彼女達は、「ダメダメ」と言われても
仕方ないのかもしれません。ライバルとして復活する
様子を見せないミルキィホームズを、アルセーヌ
(=生徒会長のアンリエット)が見限りたくなるのも
もっともな事なのでしょう。
 ですが、そうなってしまうのは、シャロ達の一部の
姿しか見ていないから、とも思えます。その事を教える
女の子が、アルセーヌの前に現れていますね。

 彼女は、来栖ソニアです。アニメ版第1期の第9話
登場していた女の子ですね。
 元はホームズ探偵学院の生徒で、シャロ達を先輩
として慕っていた彼女は、学院内で事件を起こしました。
けれどそれは、トイズを失ったシャロ達をまた名探偵に
するために彼女自身がしくんだものだったのですね。
 彼女は、探偵になるという自分の夢と引き替えに、
シャロ達に手柄を立てさせようとしました。それぐらい
ミルキィホームズを、特にシャロを慕っていましたし、
彼女達の方が自分よりも探偵にふさわしいと考えて
いたのでは、と思えます。

 そんなソニアの目から見ると、アルセーヌが下した
判断は間違っている、と感じられたのでしょう。
アルセーヌに真っ向から立ち向かうソニアは、シャロ
達がどんな女の子なのか、自分の言葉で説明しています。
3歩進んだら4歩どころか1000歩ぐらい下がって
しまう、前を向いているのに全力で後ろに走る、なんて、
言っている本人も情けなくなってきそうな内容ですが、
ソニアは言葉を続けています。
 彼女には確信があるから、なのでしょう。どんなに
苦しい状況でも、シャロ達は前を向き、進もうとしている、
決してあきらめない女の子達なのだと。
 ソニアは、他の人には気づかれづらいシャロ達の
すばらしさを見つけ出し、見守ってきたのですね。
それはポワロ探偵学院へ転校した後も変わっていない
ようです。彼女とアルセーヌの会話の感じだと、ソニア
は、なかなかトイズが戻らないシャロ達をずっと
気遣っていたみたいです。

 アルセーヌは、シャロ達が「ダメダメ」で救いようが
ないと感じたために、彼女達から離れた、とも言える
でしょう。たぶんアルセーヌは、シャロ達の近くに
いすぎて、彼女達の本質を少し見誤っていたのかも
ですね。ソニアはシャロ達とは離れて寂しい思いを
した分、彼女達の気持ちを正しく受け止める事が
できているのかもしれません。

 ソニアに気づかされたアルセーヌ。もうイギリス
にまで来てしまっていますが、手遅れだなどという
事はないのでしょう。ここからはアルセーヌの、
そしてミルキィホームズの活躍する舞台になっています。

 このエピソードでソニアにまた会えたのは素敵
ですね。元気そうです(チャームポイント(?)のカール髪
はアルセーヌに吹き飛ばされてしまいましたけれど)し、
問題があって転校したもののちゃんと探偵として認め
られているようです。
 それに何より、彼女は今でもシャロ達を慕う気持ちに
変わりはないのですね。彼女の中ではいつでも、
シャロをはじめとしたミルキィホームズは輝く存在
なのでしょう。

・「ミルキィホームズ」レビューリストレビューセンター

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