探偵オペラ ミルキィホームズ 第２幕 第７話

　トイズを失ったシャロ達を寮の個室から屋根裏
部屋へ追いやったのも、ホームズ探偵学院を探偵博の
用地にすると発表したのも、すべてはミルキィホームズ
に力を取り戻させるため。のはずですが、アンリエットは
それ以上の事をシャロ達にしている気もします。
シャロ達に求めているものが何なのか、アンリエット
自身は理解しているのでしょうか。

　アニメ「探偵オペラ ミルキィホームズ 第２幕」、
第７話「そして希望なくなった」です。
　探偵博を記念して作られた「カマクラ大探偵」の
爆破を促したかどで留置されていたシャロ達ミルキィ
ホームズは、空調も効いている上に食事も出てくる
留置場にすっかり居心地の良さを感じていた。いつも
なら生徒会長のアンリエットが迎えに来るのを待つ
ばかりだったが、彼女は姿を現さない。解放された
シャロ達は、生徒会長の部屋へ行く事にした。

　アンリエットって、アルセーヌになっている時の
背の高さや体格(?)の良さが目立っていたので、
本当の年齢がよくわかりませんでした。部屋で
飲んでいる姿を見て、大人なのかなと思ったの
ですけれど、瓶のラベルを見ると、、、ウーロン茶？
やはり彼女はシャロ達と同じぐらいの年頃なの
ですね。
　それにしてもアンリエットの荒れようは大変な
ものですね。彼女にはそれだけ、ミルキィホームズの
堕落ぶりが面白くなかったのかも。

　でもなぜあそこまで、シャロ達の事で彼女は
悩んでいるのでしょう。以前別の記事に書きました
ように、やる気を出すつもりがないミルキィホームズ
には見切りをつけて、他のライバル候補を探しても
別にかまわないのでは、とも思えます。

　それほど入れ込むのは、ミルキィホームズへの、
もっと言えばシャロに対しての、アンリエットの
気持ちが強いからなのではないでしょうか。
自分のライバルはシャロ達でなければならない、
と考えている時点で、彼女の頭にあるのはトイズ
などではなく、シャロ達という女の子自身なのかな
という気がします。

　後半の場面で荒れ狂うアルセーヌには、もう
「美しく」盗むという姿は一つも見えません。
彼女のしている事は単なる破壊だけ。
　そしてそんな風に彼女が、今までのポリシーを
捨てて激しく振る舞えば振る舞うほど、彼女の
悲痛な胸の中が表されているように感じられます。
彼女が我を忘れてしまうほど、シャロ達を、その
才能ではなく彼女達本人を求めていると叫んで
いるように見えてきます。

　希望を失ったアルセーヌの無謀な行動を止められる
人はなかなかいないようです。怪盗帝国の３人は
自分達の主であるアルセーヌを落ち着かせようと
するのですがうまくいかず。自分達の力の限りを
尽くして対決しようとしますが、それでも思う通り
にはならないみたいです。Ｇ４も相手を追い詰める
事はできず、ミルキィホームズなんて当然のように
簡単に投げ飛ばされています。
　でも全く彼女に太刀打ちできないわけでもない
みたいでもあります。アルセーヌの「幻惑のトイズ」は
人間には効果がありますが、ロボットには効かない
らしいです。それに、途中一瞬ではありますが、
コーデリアが幻惑を破りかけていました。彼女は
もともと「五感強化」のトイズを使う人ですから、その
力を使っていた時の感覚が、彼女に真実を見抜かせ
ようとしていたとも考えられます。

　アルセーヌは偵都ヨコハマを見捨てようとしています。
またシャロ達のトイズは完全には戻っていません。
１クールの折り返しぐらいに当たるこの回でこう
なると、この先どんな物語になっていくのか気に
なりますね。

　以前第３話でシャロからもらった一輪の花を、
アンリエットは大切にしていました。鉢植えを
いつもそばに置いて、枯らす事もなく育てていた
ようです。それだけ彼女はシャロとのつながりを
大事に思っていたのではないでしょうか。そこに
シャロが気づいて、もう一度、今度は本物の
希望を、彼女に与えてあげられると良いかもです。
その希望とは、ライバルとしての復活よりも、
アンリエットに愛と安らぎを与えられる存在に
なる事、だったりすると素敵なのでは。

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