ミニドラマ「はなひらにめっ！」 第３話

　お互いの特徴を挙げるほど、似ていないのが
はっきりわかる真琴と小春。それほど差があっても
仲良しなのは、２人ともいつも相手のそばにいたいと
思う気持ちが強いから、なのでしょう。とても
強くて誰も間には立ち入れないほどですが、周りの
人達は彼女達の関係を温かく見守っているっぽい
ですね。

　サークル「ふぐり屋」さんの作品シリーズ「はなひらっ！」
より、ミニドラマ「はなひらにめっ！」の第３話、
「正反対なふたり」です。
　佳織は始業ぎりぎりで教室に駆け込んだ。すぐに
あまねも入ってくる。ゆうべあまねのゲームに
つきあわされて佳織も寝坊をしたのだが、どうにか
授業には間に合ったようだ。その後、通学路から
一緒に走っていった小春も、真琴と一緒に到着した。
確か真琴は先に行ったはずだが、と、佳織達は
不思議がる。尋ねられた真琴は、今までのいきさつを
佳織達に話した。

　佳織達４人が遅刻しそうになる、という流れは、
前回の第２話から続いているようですね。こういう
時間的につながっている展開も面白いかもです。
それにしても、佳織があまねにつきあわされて
夜更かした結果寝坊しちゃったのも災難かもです
けれど、２人を待っていて遅れそうになって
しまった真琴と小春も大変だったのでは。でも
まあたぶんそれぐらい真琴と小春は，佳織とあまね
を大事に思っているのでしょう。

　小春が運動を苦手にしているのは、皆知って
いるようです。普段なら、ゆっくり歩いて行く
分には問題ないのでしょうけど、遅刻がかかって
いるような緊急事態は彼女にとっては大ピンチ
なのではと思えます。
　そこで颯爽と手を差し伸べるのが、真琴なの
ですね。彼女は自分の身体能力を生かして小春を
助けています。

　佳織やあまねは、真琴の事を、よく気が利く
優しい女の子だと感じているようです。この朝の
ような彼女の振る舞いを見ていれば誰でもそう
思うでしょうね。
　基本的にはその通りなのでしょう。具体的には
描かれていませんけれど、小春に限らず誰か
困っている人がいたら、何も言わずにスマートに
手助けできる女の子なのかなと思えます。

　でもやっぱり、小春にだけは特別でいて
もらいたい気もします。誰にでも分け隔てなく
接するけれど、小春との関係だけは別格、みたいな。
このエピソードを見る限りでは、、、そこは安心
できそうですね。４人で普通に話し合っていた
はずなのに、いつの間にか真琴と小春がお互いを
ほめ始め、やがてノロケだしてしまったり。
（けど「親友」という言葉を使っている所は、
百合的にはまだこれから、という感じがします。
一方で「ラブラブ」とも言われていますから、
恋愛に至る一歩手前のおいしい部分が彼女達の
ふれあいの中に表されているのかもです。）

　佳織やあまねをはじめ、クラスの皆は、こんな
２人のやりとりに慣れ始めているみたいです。
驚きの声が上がるわけでもなく、かといって
放置されてもいないっぽいですから、２人の
関係はまだ皆にとっては新鮮なのでしょう。

　そう感じているのは、あまねや佳織も一緒
らしいです。特にあまねは、目の前で展開される
２人だけの世界に、何かを感じたようです。
　そこであまねがお相手に選んだのは、佳織。
「仲良し幼なじみ」である彼女が、自分の相手には
ふさわしいと思ったみたいです。

　この雰囲気は、佳織にはちょっと複雑かも
ですね。佳織はあまねが大好きなので、相手から
真琴と小春のような関係を求められたら、それは
彼女にはとても嬉しい事のはずです。けれど、
今の状況だと、あまねは真琴達の真似をしている
だけのようにも見えてしまいます。
　佳織は、いつもと同じように反射的にあまねを
引きはがそうしています。でもいつか、彼女が
素直な気持ちであまねと愛を交換できるように
なれると良いですね。

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