輪廻のラグランジェ 第３話

　戦っているまどかの姿を目の前で見て、ランは
じっとしていられなくなったようです。でも彼女の
前には相変わらず大きな壁が。今まで超えられ
なかったものを超えるには何かきっかけが必要かも
ですが、まどかはそれになれるのでしょうか。また
まどかにも、ランはかけがえのない存在なんだと
感じてもらいたいですね。

　テレビアニメ「輪廻のラグランジェ」、第３話
「鴨川にランの花咲く」です。
　鴨川の海上で２体目のオービットと対峙していた
まどかの前に、もう１体が姿を現した。まどかの
ウォクスを挟み撃ちにする形で、２体は滞空する。
ファロス司令官の正蔵はまどかを離脱させようと
するが、まどかはいきなり飛び出した。彼女の
大切な人達が住んでいる鴨川の町を脅かす相手が
許せなかったからだ。彼女は真っ向から、新手の
オービットへ突っ込んでいく。

　キリウスの性格は、古風な武士みたいな感じも
ありますね。何をしてでも勝てばいいというの
ではなく、自分にも相手にもけじめを求める人
のような雰囲気があります。戦っている時も、
「モード ミネウチ」なんて技を出しているため
よけいにそう感じるのかも。
　そういう人だからなのでしょうか、キリウスは
まどかの戦い方には驚きの連続のようです。まどか
が手強い相手なのかそうでないのか、うまく
つかめていない感じです。
（この影響もあってなのか、前回は命を落とす
としても「３人一緒だ」とまで言い切り、頼もしい
姿を見せていたキリウスが、ここではまどか達に
背を向けています。しかもアレイを置いて、、、。
地球人達がどんな人間かわからない以上、相手に
捕まったアレイがどんな目に遭わされているか
イゾ達にはわからないでしょう。だからなおの事
早く助けなきゃ、と考えるような気がするの
ですけれど、たぶんキリウスの胸の中には苦悩が
あふれていたりするのかも。）

　この辺りの流れは、豪快な人物が奇想天外な
やり方でピンチをしのぎ、周りの度肝を抜く、
というパターンなのかもしれません（この事に
ついては、別作品になりますけれど、「モーレツ♥
宇宙海賊（パイレーツ）」の記事に少し書きました）。
でもまあここはたぶん、キリウス達が驚いたり、
正蔵達が呆れたりする振る舞いがコミカルに
演出されている部分なのでしょう。

　まどかが「ジャージ部の歌」（でしょうか？）を
歌いながら戦う所は、何だか熱血な感じですね。
でもそういう勢いの良さだけではなく、第２話で
ランとふれあった時に見せたような繊細な面を、
もっとたくさん描いていってもらいたいように
思います。

　この第３話では、ランが一つ成長していますね。
２体のオービットに囲まれるまどかのウォクス・
アウラを見て、彼女はつらい気持ちになって
いました。自分のせいでまどかを苦しめている、
と悔やみながら、まどかを助けたい、でも自分には
力がない、と、いろいろな思いに責められて
いたのでしょう。
　そこで彼女が選んだ行動は、自分を縛り付ける
すべてを振り払った後に残った、彼女自身の
気持ちだったのではないでしょうか。ランは
夢中でウォクス・リンファに乗り組み、大空へ
飛び出し、ひたすら前へ進みます。
　求めていたのは、まどか。どんな障壁が襲って
きても、ランはひるまずに飛んでいきます。
そして、まどかとふれあい、、、。

　自分を助けるために戦ってくれたまどかが、
ランにはとてもまぶしく見えていたのでは、
という気がします。そのまどかが、自分を
受け止めてくれた事も、ランにはとても
嬉しかったのだと思えます。「同志」の予感は
現実になり、ランの中でまどかの存在はひときわ
大きくなった瞬間かも。

　ではまどかの方はどうでしょうか。彼女も、
ランが助けに来てくれたのを喜んでいますし、
ランが自分の前に現れたから、自分も変わる事が
できたと感じているようです。
　でもまだ、ランがまどかに対して抱いている
ような、憧れのような気持ちを、まどかは持って
いないように感じられます。まどかはあくまでも
ランを、自分と同じ志を持つ女の子だと考えて
いるのかな、と思えます。
　２人の気持ちの間には少し温度差があるような
気もするのですけれど、、、。変な誤解が生まれたり、
またまどかが、前回ようこが言っていたように
「やってやってる」みたいな考えになってしまったら
あまりよろしくないような。
　とはいってもまだ出会って１日か２日しか
たっていない彼女達でしょうから、これから
どんどん近づいていけるのでしょう。「同志」
という名目のもとでいちゃつきまくってもらいたい
ものです。ムギナミも早く来ないと、まどかとラン
に見せつけられちゃうかも？