モーレツ宇宙海賊 第２話

　いろいろな経験から、茉莉香は自分が重い立場に
いる事を少しずつ理解し始めます。でも、誰かが
こうしろと無理強いしているわけではなく、周りは
選択肢を示しているだけのようでもあります。
決めるのは自分自身、なのでしょう。気になるのは
やはりチアキの目的、それに宇宙ヨット部の人達も
何か一クセありそうです。

　テレビアニメ「モーレツ♥宇宙海賊（パイレーツ）」、
第２話「私の力、海賊の力」です。
　バイト先の「ランプ館」で始まった銃撃戦のさなか、
茉莉香はチアキの機転で脱出に成功し難を逃れた。
チアキの説明によれば、喫茶店に詰めかけていたのは
情報部や軍関係者、マフィアなどだという。男どもの
目当ては、茉莉香。海賊船「弁天丸」船長の後継者
候補である彼女がどんな人間なのかを確かめよう
としていたらしい。だが茉莉香には、前船長の娘で
ある事がどんな意味を持つのかわからなかったし、
何よりチアキ何者なのかが気になった。

　茉莉香の母親の梨理香は、宇宙海賊がどういうもの
なのかを、茉莉香に伝えようとしています。言葉で
説明するだけではなく、海賊の持つ力を、具体的に
見せていますね。
　海賊の仕事の現場まではまだはっきり示されて
いないため細かい所はわかりませんけれど、茉莉香が
これまで過ごしてきた家や学校での生活とはかなり
違っているみたいです。そのほんの一部を梨理香から
見せられて、茉莉香はさすがに真剣に考えなければ
ならなくなったのでは。

　彼女の手の中には海賊の力がある。それをどう
使うか（または使わないか）は彼女次第です。
　ミーサとケインは、茉莉香に海賊になってもらう
ために海明星に来ました。でも２人は、強制的に
彼女を連れて行こうとはしていません。梨理香も
無理強いはしていないですし、ランプ館に押し寄せた
男どもも茉莉香の様子を見に来ただけ（拉致しようと
した人はいたみたいですけど）。チアキも茉莉香に
指図はしていないですね。
　これからどうするのかは、彼女自身が決める事
なのでしょう。その決断で、物語は大きく動いて
いくのでしょうね。

　後半の場面で、チアキは茉莉香に向かって
「ずいぶんはっきりしてるのね、優柔不断かと思った」
と言っています。作品的に改めてこういうせりふを
出しているのは、茉莉香が自分では何も選ばず大きな
事件に巻き込まれていくだけの女の子ではなく、自分の
手で道を切り開いていくタイプのヒロインだと
示しているのかもです。これからの物語でも、そんな
彼女の姿が描かれていくのでしょう。

　さて茉莉香達「宇宙ヨット部」は練習航海に旅立つ
みたいです。が、何かいろいろと単純ではない
事情があるようで。部員総出で練習船「オデット２世」の
航海準備をする様子はちょっと危なっかしさも
ありますが（というかミニスカで無重力って無茶してる
気もしますけどそれも高校生らしさ？）、部長は
どこか含みのある物腰ですし、「オリジナル７」
なんていう言葉も出てきています。前にも少し
書きましたように、彼女達が海賊達の前でも存在感
を見せてくれれば、女の子同士の関係も描かれやすく
なるような気もします。

　少し気になるのは、マミの存在でしょうか。
彼女は茉莉香のクラスメイトでバイト仲間でも
ありますが、宇宙ヨット部には入っていません。
　キャラの立場的には友達の１人、といった所
にも思いますけれど、オープニングやエンディング
の映像では割と大きく扱われている感じです。
特にエンディングの方では茉莉香、チアキと
一緒に手を組んだりしていて。彼女は、茉莉香の
日常生活を代表する女の子として描かれていくの
でしょうか、それとも茉莉香やチアキともっと
深い関係を持つようになるのでしょうか。

　後は、チアキですね。ランプ館に来たり、
宇宙ヨット部に入ったり、何かと茉莉香の近くに
いる事が多いです。ランプ館に押し寄せた男ども
と同じ目的を持っている可能性もありそうです
けど、それにしては茉莉香との関わり方が違って
いる雰囲気ですね。
　チアキは仕事として誰かに命令されてここに
来た、とも考えられます。が、それだけではない
気持ちが芽生え始めているように感じます。
　最初の場面で、チアキに助けてもらったと
茉莉香が言うと、助けた訳じゃないと血相を変えて
否定します。後半の場面で、オデット２世への
外部からのアタックに対抗する時、茉莉香と
意見がぴったり合ったのを認めたくないように
目を背けています。

　こういうのを見ていると、仕事とか任務とか
関係のない所で、チアキは茉莉香が気になり
始めているのでは、と思えます。２人はかなり
息が合っているみたいですし、チアキも自分の
気持ちに素直になれば、立場を超えて茉莉香と
親しくなっていく事もできそうな来します。
まあそのためには、茉莉香の方もチアキに興味を
持ってもらわないとかもですね。彼女達には
是非百合な関係を築いていってもらいたいもの
です。