ひらり、 Vol.5 その2
「ふわふわのきもち」では、タイトルのように
ふわふわと安定しない梢の気持ちの原因は、やはり
弥生の存在なのでしょうね。「ツバキ准教授の門限」
では、椿はエノモトをうまくあしらったつもりだった
らしいですが、相手は反対にやる気を出しています。
それぐらい椿を大事に思っている、という意味なの
ではないでしょうか。
発行新書館による、年3回刊の「ピュア百合
アンソロジー」こと「ひらり、」のVol.5を
見てみました。以前に別の記事でも書いています
ので、よろしければそちらも見てみてください。
では前に書いたもの以外の作品について一部
ご紹介、、、。
(・作品名(作者名(敬称略)))
・ソプラノ・フォルテシモ(吉田丸悠)
学校の音楽の時間に合唱をしている時、手本を示す
ためにと五百森(いおもり)が1人で歌うように
指名される。音楽事務所に通っている渡辺レイカは、
とたんに苦い顔になった。
他の友達は、レイカには同調しているものの、彼女
ほど五百森の事を気にしている風でもないですね。
レイカばかりが五百森に突っかかっていくのには、
本人も気づいていない理由があるのかも。後半で、
レイカが五百森を探す時に使った手段と、それへの
五百森の答え方が良いですね。
・ふわふわのきもち(ささだあすか)
お菓子作りが趣味の堀江梢(ほりえこずえ)は、
お菓子同好会所属。優しい先輩達に囲まれて部活は
楽しいが、ただ1人、先輩の2年生、西長戸弥生
(にしながとやよい)だけはちょっと苦手だった。
お菓子作りはしたい、あまり目立ちたくはない。
そんな梢には、同好会に通ってお菓子作りをするのが
精一杯なのでしょう。だから弥生のような華のある
女の子のそばにいると困ってしまう、というのは
あるのかもしれません。でも弥生だけにときめくのは、
それ以外の気持ちもあるから、みたいです。
梢の友達として結が登場しています。この人は、
Vol.4に掲載された「おとなりのせんぱい」のヒロイン
の女の子ですね。あちらの作品との間にはゆるい
つながりがあるようです。どちらも爽やかな
雰囲気の物語になっていて素敵です。
・みみみこのこ(遠田志帆)
理紗(りさ)と元通りの仲良しになれた長閑
(のどか)。ある日の下校途中、親の帰りが遅いから、
と、彼女は理紗を家へ誘う。だが自分の部屋の扉を
開けると、なぜかみみみこのかなん達が待っていた。
かなん達とまた会えて、長閑も嬉しいのでは、と
思います。でも「でーぷ」な「ちっす」なんて言われて
恥ずかしくなってしまった、のかな? みみみこ達の
予想が当たっていたのかどうかはよくわかりません
けれど、2人の仲は進展しているようで何よりです。
それにかなん達も同じぐらい仲良しですね。
Vol.4のエピソードで長閑とかなん、ここあ、ぽえむ
は離ればなれになってしまわずに、また会えたようです。
これからもおつきあいは続くのでしょうか。(干支に
ならって)後輩のまじゅとまもにバトンタッチしたり
とかはない、ですよね。
それから、長閑の部屋にさりげなく(?)「ひらり、」
が置いてあるのが何とも、、、。ピュアで百合な恋を
する女の子達の必読書なのかもです。
・一日白紙(未幡)
新しい日々を求めて中高一貫の女子校に高校から
編入した桐谷(きりたに)。朝の挨拶の「ごきげんよう」
には感激もしたが、クラスメイト達はその辺りは慣れて
いて、先生がいなければ普通の挨拶を交わしていた。
これまでとは違う生活をするために中学時代の友達
とは別の高校にした、と桐谷は思おうとしているみたい
ですが、念願の新しい学校でも、今ひとつ楽しい気分
にはなれないようです。そんな彼女に話しかける上杉
は、桐谷を手を差し伸べるのと同時に、自分の存在に
気づいてもらいたいと思っているのかもですね。
・witch meets knight 私の王子様(犬丸)
唯地の申し出に、内藤は考え込むふりをしていた。
唯地は先輩に言われて内藤を演劇部へ誘っていたのだが、
彼女に女優は向かない。それは本人も唯地も何となく
理解している事だった。
唯地が生徒会長になっていないらしいので、これは
昔のエピソードでしょうか。この頃から内藤は唯地の
髪が気に入っているっぽいですね。並んで歩いている
姿も仲が良さそうですし、2人が絵になるのは周りも
承知しているみたいです。本人達はそう言われるのを
どう思っているのでしょう?
このエピソードは、割とコミカルな部分が多くなって
ますね。唯地の影響があるのでしょうか、皆静かに
胸の中でツッコミを入れている感じがかえって笑えます。
百合度はちょっと低めかな。唯地と内藤が、別の場面で
同じように内藤本人の事を「一応女なので」みたいに
言っている所は、2人の思いが重なっている証拠とも
言えそうでしょうか。
・ツバキ准教授の門限(ふかさくえみ)
光大学の椿准教授には噂が絶えない。門限が厳しい
らしく、授業が終われば急いで帰宅するし、飲み会にも
参加した事がない。そんな彼女の研究室へ、エノモトは
足繁く通っていた。
椿がエノモトをだんだん「エノ」と呼ぶようになって
いく流れが何だか微笑ましいですね。エノモトが
研究室に通い詰めている間に、彼女の一生懸命さが
椿にも伝わったのでしょう。それぐらいエノモトは
椿に興味を持っていたと言えるでしょうし、それだけ
愛情も強いのでは。
最後の場面では、これまで経験しなかった世界へ、
椿は足を踏み入れています。周りを巻き込んでまで
そうしようと思ったのは、やはりエノモトに喜んで
もらいたいというのと、2人で一緒に楽しい事を
経験したいと願っていたからなのかもです。
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