スイートプリキュア♪ 第42話
メロディやリズム達が戦うのは、人々を苦しめようと
する力を退けるため。ですが彼女達の本当の役割は、
もっと別の所にあるのではないか、、、という所が語られて
います。「伝説の戦士」である彼女達が自分達の真の姿に
気づければ、進むべき道が見えてくるのかも。それに
他の人達だって、守られてばかりではなく自分の力で
「戦う」事ができるのでしょう。
テレビアニメ「スイートプリキュア♪」、第42話
「ピコンピコン! 狙われたキュアモジューレニャ!」
です。
自ら人間界に現れたノイズの手により、ファリー
に隠されていた残り1個の音符までもが、マイナー
ランドへと持ち去られてしまった。このままでは
伝説の楽譜に不幸のメロディが書き込まれ、世界が
不幸に陥れられてしまう。打つ手が見つからない
響達はアフロディテに相談する事に。しかしながら、
呼び出されたアフロディテはなぜか落ち着き払って
いる。対策を聞きたがる響達に、彼女は「ノイズは
復活しない」と告げた。
シリーズの最初のエピソードでは、(まだノイズに
操られていた頃の)エレンが、響と奏の胸に現れた
ハートのト音記号を見つけていました。その時に
彼女は、「ト音記号がないと楽譜は始まらない」
といった事を言っていた気がします。
その後この話数では、エレンとアコも含めて4人の
ト音記号が最後の希望になっています。大切な人を
守りたいと願う彼女達の気持ちが形になったハートの
ト音記号は、それぐらい重要なものだと言えそうです。
人が人を思う優しさがどれだけ大事なものなのかが、
こういう所からも語られているのではないでしょうか。
最初に響と奏がプリキュアに変身した時、目の前
では、恐ろしい出来事が起きていました。2人の
思い出のレコードから作られたネガトーンが、加音町
の人達を苦しめようとしています。自分達の大切な
品物を持って行かれた事も許せないですし、何より
町が襲われそうになるという待ったなしの状況です。
2人は迷う事なくキュアモジューレを自分の手に取り、
プリキュアに変身して戦いへと突入していきます。
それから後のエピソードでも、彼女達は戦いを
続けています。マイナーランドの力は強大なため、
彼女達が戦わなければ、すぐにでも世界は不幸に
陥れられてしまうから、だったとも考えられます。
エレンやアコも含めて、彼女達が戦いを選んだのは、
間違いだとは言えないでしょう。実際に彼女達の
おかげで、人々は何度となくピンチから救われ、
とうの昔に不幸に押し包まれていたかもしれない
世界はまだ生き生きとしています。音符を奪われて
しまって不利な状況にはなっていますが、だから
といってプリキュアを責める人はどこにもいない
でしょう。
意識しなければならないのは、プリキュアが
何をしようとしているのかという事。彼女達は、
並外れた身体能力を手に入れ、ハーモニーパワーで
より力を強めていきました。が、だからといって
戦う事を目的にしてはいけないのですよね。
彼女達が、自分の存在する理由を戦いだけに求め、
それがすべてになってしまったら、、、。たとえ
それで相手に勝てたとしても、その先には何もない
と言えそうです。
確かに彼女達は、最初にキュアモジューレを
手にしたあの日から、ずっと戦い続けてきました。
でも忘れてはいけないものがあるはずなのですよね。
それが何なのか、クレッシェンドトーンが答えの
ヒントをくれています。ここから先、自分達が行動し、
自分の体で実感する事で、響達は本当の答えを
見つけ出す事ができるのでしょうね。
プリキュアは、第1話でアフロディテも言って
いたように、「伝説の戦士」です。名前の通りなら
彼女達は戦う事を求められる存在のようにも感じ
られます。でも彼女達の戦いは、拳と拳のぶつかり
合いであるのと同時に、人々の苦しみを癒すための
ものなのかもです。
それに、戦っているのはメロディ達ばかりでは
ありません。ここでは、和音や聖歌といった町の
人達も戦っているのですね。
マイナーランドの勢力が強まり、今まで「悪の
ノイズ」に耐性のあった団でさえ、前回は悲しみに
襲われてしまいました。そこまでの力に和音や聖歌
が耐えられるはずもなく、ノイズのいいなりに
されてしまっています。
何の罪もない彼女達を倒すなんてできないメロディ
達にはもう打つ手はないの、という所で、変化が
起きていますね。それも、プリキュアが力を貸したの
ではなく、和音達が自分の力で状況を変えようと
努力しています。
派手な立ち回りや不思議な力が使われたわけでは
ありません。でも彼女達の中ではすさまじい戦いが
繰り広げられ、そして彼女達は勝ったのではないかな、
という気がします。
この作品シリーズでは、ヒロイン達の変身と
アクションが印象的に描かれています。けれど時には
こんな風に、内面の戦いが描かれる事で、より深みが
出るのかもですね。
この話数では、途中で「温泉」のネタが出てくるなど
突然コミカルな展開になっていたりしました(エレンが
「元上司」なのは納得でしたけれど、なぜアコは
付けひげを?)が、キャラ達の気持ちの動きがいろいろ
と描かれている感じがします。「伝説の楽譜」にまつわる
戦いという表の物語の流れもありつつ、響達がプリキュア
に新しい意味を見つけ出しているようです。強さだけ
ではなく優しさも、彼女達に前へ進む力を与えて
いくのでしょう。
ところで、学校にいる時、スイーツ部でお菓子を
作る聖歌に、奏は「皆の憧れ」と言っています。
また、一緒にサッカー部の助っ人をしている和音に
向かって、響は「最高のパートナー」とも言ってますね。
「憧れ」や「パートナー」という単語は、響と奏の
間だけで使ってもらいたい気もするのですけれど、
まあ相手が和音や聖歌なら仕方がないでしょうか。
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