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2011年12月31日 (土)

2011年 百合に触れる

 今年は、百合作品がジャンルの中だけではなく
他の分野ともつながっていく場面が多かった気が
します。ここでこのジャンルに初めて触れた人も
割といるのではないでしょうか。そういう動きが
広がっていくと、これからいろいろな場所で様々な
形の百合を見る事ができるようになるかもですね。

 今年も年越しになろうとしています。振り返ると、
アニメでは百合をメインにした作品が制作され、
それ以外でも女の子同士の親密さをよりプッシュする
作品が多くあった気がします。またコミックでは、
新しい百合アンソロジーが作られたり、またWeb掲載
されるコミックなど新しい見せ方に力が入れられて
きているように思います。
 また、アニメ誌やコミック誌、写真集などでも、
これまで全般的なジャンルを扱ってきたものの中で
百合が特集される場面が幾つかありました。この
ジャンルがいろいろな方面から注目されている、
という事の表れなのかもしれませんね。それに、
あちこちで取り上げられる事で、百合に初めて
触れる人や、そこから興味を持つ人が増えるのでは、
とも期待したい所です。そうやってこの分野が
発展していくと良いですね。
 そんな状況なども思い起こしながら、今年の出来事
を見ていきたいと思います。これまでに書いた記事を
もとに少し書いてみます。

 、、、その前に、今年は3/11に大きな地震があり
ました。被害に遭われた方も多かったと思います
(私も少し、、、)。立ち直って行くには時間がかかる
かもしれませんけれど、少しずつでも前へ進んで
いけるようになるのを願っています。
 この出来事に関係した影響も出ていたようです。
一迅社のコミック百合姫は、5月号の発売日が変更
されました。出版関係では全体的に発行のスケジュール
が影響を受けたようです。またテレビ放送でも、
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの
『マネジメント』を読んだら」(略称「もしドラ」)の
放送時期が変更されたり、他にも「Rio RainboeGate!」、
「魔法少女まどか☆マギカ」、「スイートプリキュア♪」
など、レギュラー放送されていた番組は、延期、
休止、再放送などでの対応となっていました。
 それから、同じ月に公開が始まった映画「プリキュア
オールスターズDX3 未来にとどけ! 世界をつなぐ☆
虹色の花」では、作中の場面が一部差し替えられた
そうです。これは作品の描写についての対応という事
みたいです。

 これだけではなく、被害に遭われた方達を積極的に
応援しようという動きもたくさん行われていますね。
「スイートプリキュア♪」からは、壁紙にメッセージ
が書き込まれたものが配信され、その後キャストからの
音声メッセージも公開されました。さらには講談社発行の
「なかよし」に掲載されているコミック版を描かれている
上北ふたごさんからの応援イラストがサイトに掲載
されました。それと、「プリキュアオールスターズDX」
からも、21人のプリキュア達からの動画メッセージ
公開されました。
 他には、白沢まりもさん作の「野ばらの森の乙女たち」
からも、応援イラストが寄せられています。さらに
PSP用ゲーム「白衣性恋愛症候群」などを発売している
工画堂スタジオでは、オンラインショップからの
売り上げを義援金として寄付する「心に桜を」という
プロジェクトが行われました。また、同人作品シリーズ
の「その花びらにくちづけを」では、Webラジオ番組
「玲緒っぽいらじお」のパーソナリティ、川村玲緒役を
担当されている杏花さんが、自費でスタジオを借りて、
被災者の人達を応援するミニ番組をご自分で制作されて
いました。
 1人1人の行動は小さいものかもしれません。けれど
こういった積み重ねが、前に向かって進んでいく力の
源になるのでしょう。

 ではその他の今年の出来事について、、、。

・コミック

◇区切りとなった作品
 今年一つの区切りを迎えた作品はいろいろあります。
ちょっと寂しかったりもしますけれど、感動的な
仕上がりになっているものもありますね。また、形を
変えて続いていくものもあります。次に一部だけ
挙げてみます。

ちょいあ! 第3巻
オクターヴ 第6巻
えるえるシスター 第5巻
絶対少女聖域アムネシアン 第4巻
飴色紅茶館歓談 第2巻
お願い神サマ! 第2巻
青春☆こんぶ 第1期

 「絶対少女聖域アムネシアン」は、「神無月の巫女
とのつながりもある「姫子千歌音譚」とも言える作品
なのでは、と思います。ネット上での「姫神の巫女
も、今年はストーリーが追加されていきました。
 「飴色紅茶館歓談」はゆっくりとしたペースで物語が
つづられてきましたけれど、ここで一区切りとなる
ようです。この後は、同じ主人公と舞台で新しく
飴色紅茶館茶話~Golden&Silver Tips~」が始まる
そうです。こちらは読み切りタイプになるようですね。
 「青春☆こんぶ」は、去年の年末にコミック作品
ネットで公開されて以来、4コマ漫画が掲載されて
きました。襟萌(えりも)と霧夏(きりか)の仲は
だんだん深まっていき、8月公開の「お祭り」では
さらに一歩近づいていたようです。「第1期」なので
この後の展開にも期待したいですね。

◇新しく発行、公開された作品
 今年は期待の新作も発表されています。単独の
作品の他、アンソロジーやアニメのガイドブックも
発行されています。それに、ネットでのコミック
作品の無料公開といった形も多く行われていますね。
新しい作品発表の仕方になるのかもしれません。
一部該当作品を次に挙げてみます。

単行本発行:
オトメの帝国 第1巻
サユリリ 第1巻
-「だいすきっ-ひかるとさくら-」&「こいごころ
連載開始:
くちびる ためいき さくらいろ
咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A
咲日和
ブルーフレンド~2nd Season~
ネット配信:
彼女×彼女(カノ×カノ)
淡島百景(あわじまひゃっけい)
彼女の世界
つぼみ Webコミック
雑誌、アンソロジー:
百合缶FeuilleMielPetale
なつひめ
けもも
メガミマガジンリリィ

 「くちびる ためいき さくらいろ」は、以前百合姫
などに連載されていた森永みるくさんの作品です。
物語としては途中のままで5年ぐらい止まって
いましたけれど、「コミックハイ!」で連載が始まり
ました。(この雑誌では、森永さんの「GIRL FRIENDS
が連載されていましたね。あちらの作品ではドラマCD
1月に発売されています。)本誌では「短期集中連載」
みたいに書かれていますけれど、できるだけ長く続けて
もらいたいものです。そしてドラマCDとかできたら
素敵かも。
 「咲-Saki-」は小林立さんの作品です。今年はその
スピンオフとして、五十嵐あぐりさんの「阿知賀編」と
木吉紗さんの「咲日和」が連載開始となりました。
来年春には「阿知賀編」のアニメ化が行われるそうで、
本作の世界観はもっと広がりそうです。
 大沢あまねさんの「彼女×彼女」、志村貴子さんの
「淡島百景」は、出版社のWebサイトでの配信という
形式になっています。必ず決められた時期に配信
されているわけではなさそうですけれど、ネットを
チェックする楽しみになるのかもです。この頃は
携帯サイトでの配信や電子書籍なども増えていると
思いますので、こういうスタイルで百合作品も多く
楽しめるようになっていきそうでしょうか。(ちなみに
「淡島~」は、「青い花」とストーリー的につながって
いますね。)

 隔月刊の百合アンソロジー「つぼみ」からもWeb企画が
始まっています。一つの作品ではなく雑誌全体での
企画ですので、いろいろな作品が楽しめるのでは、と
期待してしまいます。最初の配信分は、本誌掲載分の
番外編的な作品が多かったですけれど、もっと百合度の
高いものとか、Webオリジナルの作品も見てみたい所
です。
 「百合缶」のシリーズは、携帯サイト「百合缶」で
配信された作品を書籍化しています。最初の頃から
「3ヶ月連続発行」と言われていたため、この3冊で
一つの区切りにはなっているのでしょう。でもサイト
には作品が追加されていっているとおもいますし、
また何かの形でアンソロジーが発行されたら楽しいの
では。
 「なつひめ」や「けもも」は、全体としては多くの
ジャンルの作品を収録している本ですが、「百合少女」を
テーマにしたイラスト集が掲載されたり、百合コミック
作品が幾つか入っていたりします。こんな風に他の
ジャンルの作品と共存するような形で本が発行される
事で、百合が一般的に浸透していけるようになると
面白いかもです(とはいっても、できれば全編にわたって
女の子同士の物語が展開されている本も見てみたい
ですね)。
 その点で、「メガミマガジンリリィ」の存在もなかなか
頼もしいですね。この本は、今年制作されたアニメの
中から、百合なテイストを持つ作品を選んで紹介する、
というものです。こうして見ると、いろいろな所で
女の子同士のふれあいが描かれているのですね。百合
キャラが登場する作品がもっと増えて、さらに女の子
同士の関係をメインにするようなものがもっと出て
くると素敵かもです。

・アニメ
 アニメの方でもたくさんの作品が制作されています。
基本としては毎週のレギュラー放送が多く、他に
5分版の作品や特別編、また劇場版の上映なども
行われています。

Rio RainbowGate!
魔法少女まどか☆マギカ
もしドラ
スイートプリキュア♪
映画 プリキュアオールスターズDX3
 未来にとどけ! 世界をつなぐ☆虹色の花」
映画 スイートプリキュア♪
 とりもどせ! 心がつなぐ奇跡のメロディ♪
Aチャンネル
戦国乙女~桃色パラドックス~
まりあ†ほりっく あらいぶ
森田さんは無口。第2期
ゆるゆり
快盗天使ツインエンジェル
 ~キュンキュン☆ときめきパラダイス!!~
猫神やおよろず
侵略!? イカ娘
たまゆら~hitotose~
ひだまりスケッチ×SP
探偵オペラ ミルキィホームズ サマースペシャル
 さようなら、小衣ちゃん。ロンググッドバイ、
 フォーエバーよ永遠に、、、
映画 けいおん!

 大きい所ではやはり「ゆるゆり」のアニメ化がある
でしょうか。百合姫から始まった作品のアニメ版が
制作されるのはこれが初めてとなります(「シムーン
はオリジナルアニメをコミック化した作品が本誌で
連載されていました)。考えてみれば、コミックス
第1巻の発売の時から、一迅社のサイトに特設ページ
が作られたりしていて、実は最初の頃から展開を狙って
いたのかもですね。
 この作品では、百合ファンはもとより、これまで
百合をあまり知らなかった人達にも人気が出ていた
みたいです。制作側も、キャストによる4000枚の
サイン直筆の模様をニコ生で配信したり、Twitterの
公式アカウントのフォロワーが1万人2万人
到達した記念にアイコンを百何十個も一挙に作成したり
と、見る側と一緒に盛り上がっている雰囲気が
ありました。百合姫の11月号が売り切れになり、
重版されたという事もありましたね。第2期の
ゆるゆり♪♪」の制作も発表されて、これからも
楽しみです。

 「スイートプリキュア♪」は、これまでのシリーズ
作品よりもさらに百合テイストが高まっている
感じで、そういう作品を1年という長い期間見て
いられるのはとても素敵です。幼なじみだった響と奏
は、あるきっかけで1年間も仲違いをしていました
が、プリキュアとして一緒に戦っていく内に、今まで
の関係を取り戻し、さらにもっと親密になっていく
姿が感動的です。劇場版でも(私は見ていないのです
けれど)彼女達の間にある愛情はたっぷりと描かれて
いるようです。
 劇場版といえば、「プリキュアオールスターズDX
(デラックス)」は第3弾が公開されました。この
シリーズはここまで、とも言われていましたが、
次回作が発表されています。今度は「プリキュア
オールスターズNS
(ニューステージ)」なのだそうで、
プリキュア達の活躍する新しい舞台が見られそうです。
「~DX」ではそれほど百合度は高くない感じでした
けれど、「~NS」ではその辺りも多く描いていって
もらいたいかもです。

 「Rio RainbowGate!」や「戦国乙女」、「快盗天使
ツインエンジェル」は、原作はパチンコやパチスロ機
です。以前の「うみものがたり」もそうですが、
こういう分野を原作にアニメ作品が制作されるという
流れも続いている感じですね。女の子がメインで
たくさん登場するものであるなら、百合テイストが
多く盛り込まれる可能性はありそうでしょうか。

 「プリキュア」シリーズ以外での劇場公開作品では
「けいおん!」があります。こちらは、公開時期
2月に発表されてから、12月に公開されるまで
割と期間がありましたけれど、その間にもあれこれ
イベントやタイアップ、再放送などが行われて
盛り上がっていましたね。

・ゲーム

ブラック★ロックシューター THE GAME
白衣性恋愛症候群
とある科学の超電磁砲

 「白衣性恋愛症候群」や「とある科学の超電磁砲」
は、どちらも発売日が何度か更新されていました
けれど、その分それぞれクオリティアップされた
ものになっているのかもです。「白衣性~」の関係
では、かおり達ヒロインを大きくあしらった痛車が
作られたり、イベント「GirlsLoveFestival」に出展
したりメイドカフェでもイベントを開催したりなど
企画が考えられていました。「とある~」では、原作
コミックも発売されましたし、「~SPECIAL」や、
ゲーム版の「ビジュアルガイド」が発行されるなど、
関連商品のリリースが多いです。

・その他

マリア様がみてる 劇場版ブルーレイ&DVD発売
新書館から「GLポーズ集」発売の可能性
百合な写真集? 「ふたり」発売
その花びらにくちづけを 「玲緒っぽいらじお」配信開始

 「GLポーズ集」については、まだ企画段階らしく、
本当に発売されるかどうかは決まっていないようです。
けれどこういう本が出れば、このジャンルもより
広まっていくようになる気がしますね。
 その点では、「ふたり」にも注目なのかもです。
この写真集では特徴的な写真の撮り方がされて
いますけれど、写されているのは女の子同士の
友情以上の感情、なのですよね。百合な写真集って
これまでそれほど多くはなかったと思いますので、
こういう分野が開拓されていくのも面白いかも
です。

 後は、今年は「玲緒っぽいらじお」が始まったのが
かなりポイントが高い気がします。これまでのラジオ
番組だと、百合なアニメ作品で声を担当されている
方がパーソナリティを務めるとか、ニコ動などで、
百合ファンの個人の方が番組を作られる、といった
パターンがあったように思います。キャストの方が
「声優として」番組を進行されていると、百合について
一歩引いた立場から発言せざるを得ない場面があったり
するような気もします(といっても百合な関係に
興味のある方の場合は率先して女の子同士の話題
でのトークがあったりもしますね。この辺りは
パーソナリティの方次第なのかもです)。
 でもこの「玲緒っぽいらじお」では、作品でキャラの
声を担当されている声優の方が番組を進行するのは
同じです。が、番組内ではキャラとしての雰囲気を
保ちつつ話されています。この構成がかなり素晴らしい
要素になっていると思います。
 話す方としては、キャラの言う事ですので心置きなく
百合発言ができそうですね。また、聞いている方も、
ライブ感のある百合キャラのトークを安心して聞いて
いられるのでは。
 特に、パーソナリティの玲緒(声は杏花さんが担当
されています)と、恋人の麻衣(声は和泉あやかさんが
担当されています)とのトークは、息が合っていて
甘さもあるのが素敵です。
 この番組については、内容を収録したDVDが頒布
開始されました。また、「総選挙」をはじめいろいろな
企画が考えられていて、これからも楽しみです。

 といった感じで、今年もいろいろな話題がありました。
次に来る年にも、いろいろな所で百合が見られると
良いですね。

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百合ノート」カテゴリの記事

コメント

意外なとこでは 『ラストエグザイル-銀翼のファム-』 が(少し妄想が要りますが)百合的に観れるかもしれません。空賊の少女ファムと彼女をナビゲーターとしてサポートするジゼル、トゥラン王国再興を図るミリア王女の三角関係が・・・。

投稿: ジョーンズ卿 | 2012年1月 5日 (木) 21時23分

想像する必要があるとしても、百合なテイストが
盛り込まれているのが良いですね。しかも
三角関係、、、。
キャラの心情をイメージしたくなるような
女性同士のふれあい多く描かれている作品
というのもたくさん見てみたいですね。

投稿: ギンガム | 2012年1月 6日 (金) 21時18分

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