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2011年10月 8日 (土)

つぼみ Vol.13

 表紙にもなっている「ひみつのレシピ」は、本編も
巻頭で合宿編に入っていますね。ゆうことちひろの
関係もここで進展する? この他、「ロンリーウルフ
ロンリーシープ」は大詰めとなっています。また、「総合
タワーリシチ」は第1話が始まります。こちらはどんな
物語の展開になっているのでしょうね。

 発行芳文社による百合アンソロジー「つぼみ」の
Vol.13を見てみました。
 表紙は、森永みるくさんが担当されています。本誌で
連載中の「ひみつのレシピ」から、料理部の部長の
ゆうこと、1年生のちひろが登場しています。熱帯魚の
泳ぐ海の中で、ゆうこと、人魚になったちひろがキス?
ちょっとファンタジックな場面になっていますが、その
理由は、、、裏表紙を見ると種明かしがされていますね。
表紙は単にちひろの夢だったみたいですが、そんな夢を
見るという事は、前にも書いたように現実に2人が唇を
重ねたからなのでは、なんて思ってしまいます。

 カラーの口絵は、八神健さんが担当されています。
暑そうな外の様子が障子の向こうに見える和室の中で、
セーラー服を着た2人の女の子が扇風機を抱えるように
しながら風を浴びています。左の栗毛ショートヘアの
女の子は、ちょっと無表情っぽいですけれど、吹いて
くる風は心地よく感じているみたいです。右側の金髪を
2つにまとめた女の子は、明るい笑顔で寄り添って
います。2人で感じるひとときの安らぎ、という感じ
でしょうか。裏のモノクロのイラストでは、金髪の子が
ショートヘアの子に膝枕して眠っちゃってます。

 では収録作品を部分的にご紹介、、、。

(・作品名(作者名(敬称略)))

・ひみつのレシピ 11ページめ(森永みるく)
 ちひろの発案で始まった料理部の合宿。この機会に
ゆうことの距離を縮めたいちひろは期待に胸を膨らませる。
だが、おしゃれなペンションと聞いていた宿泊先の実物
は、古びた民宿だった。
 ゆうこと恋人同士になりたいという気持ち一筋に
突っ走ってきたちひろですが、ちょっと考えさせられて
いる所もあるようです。恋敵になるかもしれない神戸の
振る舞いも気になっているみたいですが、それともう一つ、
自分の事ばかりでなくゆうこの気持ちを考えてあげて
いられなかった所に気づき始めているのでは。
 8月に本誌と同日発売されたコミックス第1巻から
ちょうどつながっているエピソードですね。いつもの
学校や部室とは別の環境で、ちひろは成長してゆうこの
事を思いやれるようになるのかどうか、といった所が
描かれていきそうでしょうか。

・ロンリーウルフ・ロンリーシープ 第4話(水谷フーカ)
 大きい伊万里は部屋を引き払い、理佳の部屋へ身を
寄せる。小さい伊万里は理佳に脅されけがを負わされた
が、大きい伊万里に会う事をあきらめず、ついに理佳と
再び対峙する。
 理佳の抱いていた感情は、恋愛と言うよりも、誰かに
認められたい、大事な人だと思われたいという気持ちが
強いようにも感じられます。そのせいなのか、大きい
伊万里は理佳を恋愛対象とは見づらかったのでは、とも
思えます。大小伊万里の間の感情もまだまだみたいですが、
こちらはこれから育っていくのでしょうね。

・星川銀座四丁目 A part、B part(玄鉄絢)
 かなえの家に乙女がいると知った櫻は、いたたまれなく
なって走り去ってしまう。乙女はすぐに後を追うように
かなえに言うが、かなえは、自分には連れ戻す理由がない
と答え、何も行動を起こさない。
 櫻は乙女とかなえの関係を誤解したわけですが、やはり
それぐらいのきっかけがないと2人はお互いに近づいて
いこうとはしない(できない)のかもですね。でもその後
どうなったかというと、、、あまり変わっていないような?
そしてB partでは新キャラが登場、ですね。今度は乙女や
湊が恋の物語に巻き込まれる?

・キャンディ 第6話(鈴木有布子)
 千秋は、野々宮たまきに呼び出されて渡り廊下へと
出向いた。たまきは可南と千秋との関係を知って
いるらしい。案の定、彼女は千秋に、可南と距離を
置くようにと言ってきた。
 可南を誰かのものにしたくなくて、可南に近づく怪しい
影を追い払う。たまきがしようとしていたのはそういう
事のように見えます。が、それって第1話で千秋が清美
にしていた事と似ている感じもしますね。可南の周りに
妙な噂が立たないようにとあの時清美に挑んでいた千秋は、
今の自分の立場をどう思うでしょう。
 このエピソードは、6月に発売されたコミックス第1巻
の続きになっていますね。これでたまきがおとなしく
なるのかどうか、という所でしょうか。

・総合タワーリシチ 第1回目、番外編(あらた伊里)
 昔から要領が良く努力家でもあった霧上神奈(きりがみ
かんな)は、いつしか人の上に立つのを喜びとするように
なっていた。新入生代表にも選ばれた彼女は、クラスで
隣の席に座る美しい少女に出会う。
 全国から優秀な生徒達が集まるらしいこの総合学科
だけに、神奈も太刀打ちできないような女の子達が
たくさんいるようです。神奈もここで、人の上を行く事
ばかりを考えずにゆっくり周りを見られれば、もっと
豊かな生活へと踏み出していけるのかも。隣の美少女、
羽座岡悠(はざおかゆう)も気になりますね。
 この作品では、他にも穂高暁(ほだかあかつき)、
時任都(ときとうみやこ)、日下部ちはや(くさかべちはや)、
小間物屋リカ(こまものやりか)という4人の女の子達
も登場しています(神奈には「ちゃらんぽらんズ」という
印象があるようですが)。物語はにぎやかになりそう
ですね。ちなみに、「タワーリシチТоварищ」
というのはロシア語で、意味は「同志」という事らしい
です。

・「つぼみ」レビューリストレビューセンター

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