猫神やおよろず 第１１話

　天音は、「ただ猫」として人間の世界で暮らしていた
頃の経験から、人間に対してあまり良い印象を持って
いないようです。その後守猫作手働くまでになる間にも、
積極的に人間を避けてきたのでしょう。人とはどんな
ものなのか、繭がここで気づかせてくれたみたいです。
が、後半ではその繭に大きな出来事が起き始めています。

　テレビアニメ「猫神やおよろず」、第１１話
「どら猫ランアフター」です。
　八百万堂の店番を任された繭は、いそいそと
携帯ゲーム機で遊んでいる。つきあわされている
天音にはゲーム機がどんな代物かわからないため、
繭がその機械のすばらしさを説明した所で、彼女の
入れ込みようからして理解できない。天音は、神様
とは言えこんなぐうたらした生活を送る繭を、自分の
主である蔵菊理姫命やツクヨミが求める理由が
解せなかった。そこへ、店の常連客の遙がやって来る。

　前回第１０話では、繭のいる八百万堂に集まる
神様達と、皆が作り出す暖かな雰囲気が描かれて
いました。その様子が、天音には何かを感じさせて
いたようですね。
　さらにこの第１１話では、繭と人間達とのふれあいも
描かれています。遙をはじめ、町の子供達や
おばあさん達など。誰もが親しげに、笑顔で繭と
接しています。
　天音は、これまでの自分と人間との関わりを
思い返した時、目の前で繭達が見せているような
ふれあいが自分にはなかったと認識する事はできる
でしょう。これは推測なのですけれど、彼女の場合は、
他の人間どころか神様との交流もあまり持たないまま
ひたすらに前を向いて進み、今の守猫としての地位を
手に入れたのではないかと。自分がそうやって
過ごしてきたとしても、他の人や神様が皆そうである
とは限らない、それを天音はここではっきりと知ったの
では。
　守猫に求められるのが狩猟の腕前だけではない
かもしれない、と、天音は感じ始めているのかも
しれません。第１０話で蔵菊理とともに根津魅を
相手にしていた場面で、蔵菊理に言われた言葉と、
実際に繭に会って見た彼女の振る舞いから、天音は
かたくなだった自分の考えを改めようと思ったの
かもですね。
　そうなった時にふと思い出したのは、自分が
勝手に月を飛び出してきた事。自分が存在する理由
とさえ言えるほどの大切な守猫の役目を放り出す
というのは、前の記事にも書きましたけれど、天音
にはとても重大な事だったのではと思います。

　根津魅が数を増やし、蔵菊理と２人だけでは守りが
間に合わなくなり始めていた時に、何も言わずに
月を飛び出した天音。悲しみが強かったからとはいえ
そんな事をしてしまった自分に、守猫の資格があるか
どうか、冷静になった今の天音にはわかるのでしょう。
これから自分がどうなるか、その決断を下してもらう
ために、天音はもう一度蔵菊理と向き合う事になるの
ではないでしょうか。

　という事で繭的には、自分が月に行かずに済むように
なるための力添えをしてくれる人が減ってしまった
わけですが、無理に天音を引き留めるつもりはない
みたいです。自分の力で何とかしようと乗り出す
彼女ですが、そこでピンチに陥っていますね。
　同時に、笹鳴とメイ子にも、繭の母親の天倉守灯媛
から重大な事が伝えられています。これは２人には
とても驚きだったでしょう。
　というか許嫁としての笹鳴の立場は、、、。いくら
自分達より高位の神様から要望があったといっても、
これは素直には従えないですよね。
　、、、それとも、繭と笹鳴、女神同士の許嫁なんて
常識が許さない、とでも言うのでしょうか。もし
そんな意見があったとしても、笹鳴には思いっきり
吹っ飛ばしてもらいたいですね。
　それに、天倉守灯媛が笹鳴を呼び出して伝えた
という事は、彼女も、笹鳴が繭と特別な関係にあると
認めている、のですよね。笹鳴には自信を持って
自分の主張を通してもらいたい所です。

　さらに、同じ場にはメイ子も呼ばれていました。
彼女の場合、小さい頃に繭と一緒にいたぐらいで、
笹鳴が持っている許嫁のような地位は彼女には
ありません。でも、繭の一大事を真っ先に教えて
もらえた事は、繭と自分が赤の他人などではないと
認めてもらえたとも言えるのではないでしょうか。
笹鳴との小競り合いは今は少し置いておいて、繭の
ために立ち上がってほしいですね。

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