ゆるゆり 音声ドラマ「あかりとあかね 二人はシスター」
小さい頃いつも一緒だった姉妹は、そのまま成長し、
今もとても仲良しです。今のあかねがちょっと危うい方向
へ走りがちに見えるのは、昔の感情をそのまま持ち続けて
きたからなのかもしれません。でも妹のあかりがこれだけ
素直に明るく育ったのは、姉のあかねが抱いているものが、
暖かい愛情がだからなのでは、とも思えます。2人のこの
関係は、これからも続く、のかな?
テレビアニメ「ゆるゆり」より、ブルーレイ&DVDの第1巻
の限定特典として付いてくる音声ドラマを聞いてみました。
タイトルは、「あかりとあかね 二人はシスター」です。
ストーリーは、、、写真の整理をしているあかね。そこに
写っているのは妹のあかりだけだ。彼女が作っている
「好き好き大好きあかりコレクション」は既に96冊目で、
これからも増え続けていく勢いである。あかねが写真を
見ていると、あかりがやって来た。2人で一緒に
アルバムを見返している間に、いつの間にか話題は昔の
彼女達姉妹の思い出話へと移っていく。
最初の部分では、アニメ版のタイトルコールで呼びかけ
られている「\アッカリ~ン/」をあかりが、元気よく
お届け、という流れでしたが、またしても邪魔が、、、?
でも声の主は、あかりの姉のあかねでした。「\アッカネ~ン/」
は、以前8/2の記念日に贈られた「皆様へのご挨拶」の
時にも使われていました。あかねはこのフレーズを相当
気に入っているのかもですね。
京子や結衣という幼なじみが始めたごらく部で、存在感が
薄いといっていじられている妹の事を、あかねも何となく
聞き知ってはいるのでしょう。皆にかわいがられている
(この言い方で合ってますよね?)あかりが愛しくて、
自分もあかりとおそろいになりたくてこの決めぜりふを
使っているのかもしれません。
冒頭の場面では他に、あかねの人となりが少しだけ
語られています。中学や高校では生徒会長だった事、
周りの人達が彼女の所に集まってくるためか集合写真
ではいつも真ん中にいる事など。あかねは原作コミック
でもまだ出番が少ないため、こういう彼女の姿はこの
音声ドラマで紹介されるのが初めてみたいです。原作でも
あかねがこういうキャラ付けになるのかはわかりません
けれど、少なくとも、、、あかりの影が薄いのは家系では
ないっぽいですね。
それから、ちなつの姉のともこの事もあかねは語って
います。原作では、ともこがあかねにとても憧れて
いるらしい事が描かれていますね。それは、同級生とか
友達という関係などよりももっと強い気持ちのようです。
じゃああかねはともこをどう思っているの、という部分は
気になる所なのですけれど、この音声ドラマでは彼女は
ともこを「親友」と言っています。だとすると、ともこ
からの一方的な思いではなく、あかねも他の人達より
ともこを親しい女性だと考えていると想像できますね。
人望が厚くて人気があり、友達との関係も大切にする
あかね。彼女はなぜこんなに、危ういほどに妹のあかりを
溺愛するようになったのでしょう。その答えの一部が、
このドラマで語られています。
あかねとあかり、2人の回想場面として、小さい頃の
思い出が幾つか描かれています。言葉を覚えたての
あかりに、自分への愛の言葉を言わせようとしたり、
お医者さんごっこがエスカレートし、人工呼吸だと
言って何度もキスをしたり、、、。自分より年下で、
姉である自分を信じ切っているいたいけなあかりに
そうするのはちょっと考え物のような気もしちゃいます。
けれど、年上だとしてもこの頃はあかねも小さな子供
だったのですよね。あかりへの愛がとても強くて、
あかりとの間でいろいろな愛情表現をあげたりもらったり
する事に、あかねは夢中だったのではないでしょうか。
考えなければならないのは、これから、だったり
するのかもですね。あかねはどうも小さい頃の愛情を
抱いたまま成長したみたいで、いつでもあかりを身近に
感じていたいと思っているようにも見えます(妹の下着を
つい使ってしまうのもその表れなのでは)。しかも
あかねは頭の回転がよいようで、都合が良くなさそうな
事はさりげなく隠してあかりには知らせないように
振る舞っています。
こうなると、真実はどんどん内面へ隠れていって
しまうようにも思えます。アニメ版の第1話で京子が
見てしまったあかねの部屋の様子がその部分を無言で
語っているのかも。
姉が妹に愛情を注ぐのは別におかしくはないでしょう。
優しくしたり導いたりする事以上のものを求めて
しまったために、あかねは、あかりを含む他の人達に
見せるのをためらってしまうようなコレクションに
おぼれてしまっているのでは。
でもこれからだって、あかねは2人のおつきあいを、
後ろめたくない、もっと明るいものに変えていける
ように思います。今のあかりがあかねを「お姉ちゃん」と
慕って親しく語り合っていられるのは、彼女があかねを
大事な人だと思っている証拠でしょうし、その気持ちは
昔からずっと変わっていないように感じられます。
「好き好き大好きあかりコレクション」と言って
しまえばちょっと危うい存在感を持ちますが、つまりは
アルバムなんですよね。現に被写体のあかりとも楽しく
語らいながらこのコレクションを見ていられるわけ
ですから、無理に自分の胸に押し込めて何も言わずに
いるなんて事をしなくても良いのかなと思います。
女の子同士、それも実の姉妹の間で恋愛感情を持って
しまうのは、周りからはあまり良い目では見られない
かもしれません。でも今のあかりの様子からは、恋愛に
対してそんなに閉鎖的とは言えないように感じられます。
あかねが今まで本当に大事にしてきてくれたとあかりは
確信しているでしょうから、彼女達の絆は、あかねが
思うよりは強いのではないかという気がします。
ここで一つ考えておかなければならないのは、あかねが
いつでもあかりを大切にしたいと考えていられるか
どうかかなと思います。冒頭の場面では、影の薄さに
ついて落ち込んで泣きそうになるあかりを見て、あかねは
泣き顔がかわいいと言って喜んでいます。もしこれが
発展してしまって、あかりをわざと泣かせるように
仕向けて喜ぶようになってしまったら、あかりはあかね
から離れていくばかりになるように感じられます。
あかりを苦しませたり悲しませたりせずに、あかねには
あかりを優しく包み込んであげてもらいたいように
思います。
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