コミック百合姫2011年9月号 その3
前号との続き物になっている「sweet desire」では、
リサの揺れる気持ちを、別の作品でヒロインだった
女の子が察してあげているようです。また「恋愛遺伝子XX」
では、アオイ達が友情や、それ以上の感情に気づき
始める展開でしょうか。それから「ゆるゆり」特集では
意外とあかりが目立っているっぽい気もします。
発行一迅社、コミック百合姫2011年9月号を
見てみました。以前に別の記事でも書いています
ので、よろしければそちらも見てみてください。
・コミック百合姫2011年9月号
・コミック百合姫2011年9月号 その2
では前に書いたもの以外の作品について一部
ご紹介、、、。
(・作品名(作者名(敬称略)))
・Raubritter* 第1話、第2話(再田ニカ)
唐丸寧々子(からまるねねこ)の姉、奈々子(ななこ)が
ある日失踪してしまう。彼女を捜すため、寧々子は
父親のつてで喜多川という人物の家を訪れた。
この作品は以前百合姫コミックスから発行された
もので、その第1話と第2話が掲載されている、
という感じでしょうか。姉を必死に捜す寧々子に、
忍やヨカナはとことん協力するつもりらしいです。
が、寧々子の気持ちはお構いなしにスキンシップ
を狙うのは弱みにつけ込んでいる気もします。けど
寧々子も嫌ではなさそうですしこれで良いのかな?
・あまいゆびさき 第4話
(文:宮木あや子、絵:ロクロイチ)
照乃(あきの)は、自分をかまってくれるカリンから
1年遅れて中学生になった。カリンとの関係で不良
仲間と思われていたが、それでもかまわなかった。
前回に続いて照乃視点での物語になっています。
中学生になって親の言葉の矛盾にも気づき始め
反抗的な事を考えるようになっていますが、言葉に
までは出せていないみたいです。彼女の救いになれる
人は、、、カリンではなく真淳(まじゅん)でしょうか。
彼女と再会する事が、どんな変化を起こすのか、
百合的にも期待したいです。
・恋愛遺伝子XX(影木栄貴原作、蔵王大志作画)
サクラと「親友」になったアオイ。これまで友情など
には目もくれなかった彼女はよくわからず、つい
連れ立ってお手洗いへ行こうとしたりする。
一応2人とも女の子なのでそういう友情もある
ように思いますが、ADAMであり、かつトップスター
でもある彼女達は周りの目も気にしなきゃなのかも
ですね。マツリも、2人の間の険悪さを除く
つもりだったのでしょうけれど、こうなったのは
ちょっと誤算だった? 彼女達には「友情」以上の
感情が生まれるのでしょうか。
本作は5月号からの連載再開になります。今号
では新キャラ(特にEVE側の)がたくさん登場し、
物語は膨らんでいきそうですね。アオイとエリカが
対立しているのは、やはり恋心からなのでは。間に
挟まれたサクラとしてはどちらとも仲良くしたい
みたいですが、どうなるでしょうか。というか2人が
喧嘩しそうになるのを止める時、サクラはがっつり
2人の胸を触ってましたね、、、。
後はモミジがどんな風に存在感を見せるか、という
所でしょうか。でも彼女の場合、1年生全員に
「プレゼント」を渡して今の地位にいるらしいです
から、アオイの所まで実力でたどり着くのは難しい?
・sweet desire(竹宮ジン)
ケーキ屋の娘の田中チカに告白されて以来、リサは
彼女が気になっていた。正確に言うと、彼女をかみたい
衝動に駆られていたのだった。
リサはチカの告白を断ってしまいましたが、相手
への興味はどんどん増していくようです。そこには
チカの努力もあったのかもしれませんが、とにかく
リサ本人がどう思うかが重要ですよね。今まで
女子校にいても特にそういう気にはならなかった
リサがチカに傾いていくとしたら、チカにはとても
魅力がある、という事なのでしょう。
この作品は、7月号に掲載された「sweet
temptation」の続きですね。2人の関係がどうなって
いくのかが、このエピソードで描かれています。なお、
作中に登場する伊東チカって、もしかしたら本誌
Vol.17に掲載の作品「あたしのかわいい人」の
ヒロインのチカでしょうか。美術同好会の先輩に
惹かれる彼女も、女の子同士の関係には積極的
なようです。でもリサにとっては、周りに女の子同士
の恋愛についての先輩がいる事は心強さにつながって
いるのかも。
・レンアイ♥女子課 Vol.9 交差する心(森島明子)
咲の元カノの黄実がアリス達の前に現れた。彼女
とは別れたつもりだったが、はっきりと話したわけ
ではない。3人は膝を詰めて話し始める。
、、、百合修羅場! 1人の女性を巡って2人の女性
が取り合いを、という展開は見かける気がしますけれど、
こういう、別れたかどうかみたいな流れはあまりない
かもですね。この3人の中では女性同士の恋愛経験が
一番浅いアリスですが、(それだからこそなのでしょうか)
けっこう前向きに解決しようとしてますね。この後
どうなっていくのでしょうか。
そういえば、前号では知沙と愛と羽音のエピソードが
描かれていました。あちらも知沙の気持ちが何だかあまり
片付いていないような気がしますね。あの3人についても
後で描かれたりするのでしょうか。
・きものなでしこ 四着目(八色)
登校の時にかの子はかごめと待ち合わせしている。
だが忘れ物で家に戻ったりするのは日常茶飯事。成長
しないかの子を嘆くかごめは、身長が伸びていなかった。
新キャラのかごめが登場していますね。幼なじみの
かの子を心配しているようですが、それは昔から頼り
ないかの子を放っておけない、だけなのでしょうか?
紗綾達の事をよく知らないかごめがのぞき見た撫子衆
の活動は国際色豊かな、彼女の知らないかの子のいる
世界です。かごめがそれを見てどう振る舞っていくのか
で、百合度も変わってきそうな気がします。
・妻になる人(藤原栄)
こーちゃんと一緒に暮らしていたももちゃんは、
荷物を持って呼びかける。彼女は、2人で住んだ部屋
を出て、他の人の妻になるのだった。
彼女達がどれぐらいの仲だったのかはよくわかり
ません。指輪を買った事や、書類を書いたのも彼女達
の間でどれぐらいの意味があった事なのかは、他の人
からはわかりづらいのでしょう。単に別の恋人が
できてその人と夫婦になる、というぐらいの関係では
ないと思いますけれど、百合ならではの感覚をもっと
見てみたい気もしますね。
・百合男子 第4話 百合男子の宴(倉田嘘)
百合同人イベントへ初めて向かう啓介。そこは女子校
の比ではないほど百合濃度が高いはずと推測し、電車の
中で背徳感に打ち震えるのだった。
啓介がどうやって百合イベントの情報を手に入れたの
かはわかりませんけれど、けっこう偏ったイメージを
持っていたみたいです。でも実際に描かれているイベント
の方も、一般参加が男子だけっていうのはちょっと偏って
いるような、、、。自分以外の百合男子の存在に気づけた
啓介には、この日は大きな進歩だったと言えるでしょうか
(それにしても「百合ーダー」って)。
これまでだと、ストーリーは割とパターンにのっとった
流れだったような気がします。啓介の百合語り→生百合
場面の目撃→違和感を覚えて自ら乗り出そうとする→
手痛い反撃(1ページ全体で啓介の苦悶の表情)→やはり
百合男子は控えていなければならないと痛感、みたいな?
その様式美(?)から別の方向性へと移ろうとしているの
でしょうか。最後のコマも何か思わせぶりですね。
ところでここで登場した百合男子達、名字が鎌倉、
武蔵野、桜ヶ丘、籠目って、、、。それぞれの好みの作品に
関わる名前になってますね。でも啓介と同学年の籠目が
18歳以上向けの本を持ってるのはどうなんでしょ。
事情がある? それと、イベントの名前って「Lily Lily
Party!」、でいいんですよね。
巻末は「ゆるゆり」の特集になっています。アニメの
放送もあってかなりプッシュされてますね。ねこ太さん
によるアフレコレポート漫画では、声優の方達の収録の
様子が(百合妄想込みで?)見られます。
他には、りせやライバるんのキャスト発表、第1話と
第2話のカラーダイジェスト、ブルーレイ&DVDや
原作コミックの告知、また全サの案内などもありますね。
今号はダブル表紙仕様という事で、裏表紙の部分にも
誌名が書かれ、なもりさんのイラストが描かれています。
ごらく部の3人が、、、って、あかりは? と言いたくなる
所ですが、折り返し部分に応援コメント付きで描かれて
いますね(コメントの文が大きいですけれど、、、)。
「あかりの等身大的ななにか」もあります。原作本編は
今号には掲載されていませんけれど、あかりづくしでは
あるようですね。
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