猫神やおよろず 第８話

　大事なものを取り上げられたとしても、この
場合は繭自身のせいなんですよね。柚子としても
口を挟むつもりにはなれないでしょう。でも
「忘れられし物」を大切に思い、必死に探し求める
彼女の姿に、柚子は何かを感じたのではない
でしょうか。

　テレビアニメ「猫神やおよろず」、第８話
「むこうぶちダイスロール」です。
　緊迫した表情で座る繭。目の前には、ゴン太の
母親の狐神、鎮葉が正対している。彼女が静かに
取り上げたのは、２つのさいころ。鮮やかに
つぼに放り込んで畳へと伏せる。繭はいつになく
真剣に目を推測するが、結果は繭の負け。かけた
札はすべて没収され、それだけでは足りない、と
ゲームソフトまで取り上げられる。それは、繭が
丹精込めて育てたキャラのデータが入ったRPG
だった。

　オープニングからさいころ勝負で始まり、ずっと
その調子で続くエピソードになっていますね。
ギャンブル好きらしい繭（この趣味のために
お仕置きを受ける事も少なくないようです）が
いるだけでも怪しい所なのに、鎮葉や、芳乃の
祖父の勝堂といったメンバーが集まると、どうしても
そちらの方向へ流れて行ってしまうようです。

　芳乃はあまり事情を知らされていないのか、
特に何か反応しているわけではなさそうです。
（というか繭に会えたのが嬉しいのでしょうか、
しきりに両手をぱたぱたさせてますね、、、。
第７話の「ふわふわふわ～」といい、彼女はやはり
天然さが魅力の女の子なのかもです。）
それなら柚子だったら、どんな形であっても
賭け事を厳しく止めるようにも思えるのです
けれど、ここではそういう振る舞いは見せて
いませんね。
　彼女は、鎮葉が関わっているならあまりおかしな
事にはならないだろう、と思っていたのかも、
という気もします。冒頭の場面で鎮葉は、（賭け事
の範囲内、ではありますが）繭を黙らせた上で
神社のお賽銭を取り返し、柚子に渡していました。
節度をわきまえている鎮葉になら、繭をおとなしく
させる事ができる、と考えたのでは。

　もっとも、鎮葉の場合は本当に賭け事が大好き
らしいです。何かもめ事があるとするそちらの
方向で解決しようとしているのかもですね。繭が
言っていた「業突女丈夫（ごうつくじょじょうふ）」
という表現はそんなに外れてはいない？

　この話数では、場面に少しにぎやかさが足りない
感じもしていました。なぜかと考えてみると、、、
登場キャラが少ないとか？　例えば、人間側では、
雪那や茜、遙は姿を見せていませんけれど、彼女達は
これまでもそれほど多く出てきたわけではない
ですよね。
　元社長と元社員は登場しています。何だか事業に
成功したようで、「元」がとれたっぽいですね。
かなり浮かれていますけれど、背後にはしゃもの
影が、、、。どうなるでしょうか。
　神様の側は、繭、芳乃、ゴン太、しゃも、それに
鎮葉と勝堂も出ていて数はそろっているような。
ですが、笹鳴とメイ子が出ていないんですね。
　これまでの所、笹鳴とメイ子は、顔を合わせれば
繭を巡ってバトル必至という険悪な関係を見せて
いましたけれど、そんな姿であっても、描かれて
いないとちょっと寂しい感じがあります。本当は
彼女達は、繭に愛されたり、繭を愛したいと思って
いるでしょうから、次にはそういう振る舞いを
見せていってもらえるようになると、より麗しい
雰囲気になるような気がします。この話数では、
トータルで見るとゴン太がけっこういい目を見て
いたように思えますので、笹鳴やメイ子にも、
同じように繭に近づく場が巡ってくると良いですね。

　ゲームソフトを返してもらおうと神力まで動員
した繭。ですが、ゴン太の神社まで来たのは良い
ものの、広くて探し当てる事ができないようです。
これは、高天原を追放される時に神力を奪われたから、
らしいです（でも視力はとても高いっぽいですね）。
鎮葉から身を隠すのに、かの有名な(?)「konozama.
co,jp」の段ボール箱を召喚しちゃうのもその影響
なんでしょうね。

　神力では鎮葉にかなわなそうな繭ですが、自分の
手元から消えたゲームソフトへの愛情はかなり強い
みたいです。この辺りは、彼女が「忘れられし物と
記憶を守護する神」だから、というのもあるのかも
しれません。
　ゲームについて「子供のように大切にしている」
と訴える繭の言葉に、柚子は反応していました。
柚子の両親はいないため、彼女は親子の愛情といった
ものに反応してしまうのかもです。
　繭は柚子の親ではありませんけれど、神様の一員
です。神様が人間を見守るような、いえ、それ以上の
愛情で、柚子に接していってもらえたら良さそう
ですね。

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