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2011年9月 1日 (木)

猫神やおよろず 第7話

 繭達がそうであるように、神様といっても、姿形や
性格は様々。でもそれぞれに自然や人との関わりを
持っています。今度のお祭りで繭やメイ子がしていたの
は、人間の仕事とほとんど変わりありませんが、人間
からしたら、やっぱり自分達とは別の存在に見える
みたいです。とはいっても、繭を取り合う笹鳴とメイ子
の姿は人間っぽいかもですね。

 テレビアニメ「猫神やおよろず」、第7話
寝覚月スリラーナイト」です。
 秋ではあるが暑い日が続く。八百万堂の入り口に
「本日休業」の貼り紙をしながら汗を拭く繭の耳に、
メイ子の声が聞こえてきた。遊びに来たのに家に人が
いないため、彼女はすねていたのだった。繭の姿を
見たとたん、メイ子は寂しさを紛らわすようにすり寄る
が、これは繭にとっては願ったりの状況。早速彼女を
連れ出す。実はゴン太の神社で明日に祭りがあり、
繭達はその準備を手伝っていたのだった。

 いつもは人や神様でにぎわっている八百万堂が、
行ってみたらもぬけの殻だった、というのはメイ子
にはちょっとショックだったみたいです。「また
海にでも行ったの?」、「私だけ置いてけぼり?」と、
あれこれ考えてしまっています。
 メイ子は、第1話でも少し語られていたように、
幼い頃は「大黒天の孫娘」として周りの子供達からは
浮いた存在だったようです。それでもそんな事を
気にせず接してくれた繭の優しさに、彼女は惚れ
込んでいるのですよね。
 もしかしたらメイ子が繭以外の神様に対して抱いて
いる感情は、まだその頃のままなのかもしれません。
皆仲良くしていても自分とだけは距離を置いている
ような相手なんてこっちから願い下げ、とか。
 まあこのエピソードでは別に繭達はメイ子を
のけ者になんかしていないのでしょう。たぶん
たまたま連絡が取れなかったとかなのでは。だから
八百万堂の前でメイ子を見つけた繭は、ここぞと
ばかりに彼女を自分達の輪に引き入れていますね。

 神社へ連れてこられたメイ子は、繭と一緒に主に
力仕事に回されています。「がさつだから」という
言われ方は聞き捨てならないかもしれないですけれど、
柚子や笹鳴がしていたような細々とした作業は苦手
らしい彼女には、適材適所だったのかもです。

 ここで、繭とメイ子に対する人間達の反応が少し
描かれています。いつもは彼女達の周りにいる人間
といったら、柚子か、せいぜい雪那、茜、遥ぐらい
でしょうか。皆繭達とのふれあいは多いようで、
それぞれの神様がどんな性格なのかもだいたいは
わかっているのではないでしょうか。
 祭りの準備中に出会った人間は、小さい女の子2人と
おばあさん2人でした。どちらも繭達を敬っている
感じですね。子供達はラムネをお供え(?)してましたし、
おばあさん達は手を合わせて拝んでいました(でも
「なむなむ、、、」ってそれは仏様が相手の時では?)。
人間と神様が日常的にふれあっているこの物語の中でも、
やはり人にとって神様はありがたい存在のようですね。

 でも中には、頼りになるのかどうかわからない
神様もいるようです。桜神の芳乃は、お祭りの
準備には参加していませんでしたが、後で手伝う
つもりだったのか夕方に神社に顔を出しています。
(彼女の登場の場面が何だか面白かったですね。
自分の口で「ふわふわふわ~」と効果音を入れて
いました。彼女の場合、性格的にもふわふわした
感じな事もあってでしょうか、この言葉がとても
似合っている気がします。)
 女の子の神様達で一緒にお風呂に入ったり寝たり
と、芳乃は楽しい時間を過ごしていました。が、
やがて、成り行きで怪談話が始まり、、、。彼女は
この手のものはとても苦手のようです。
 もういちいち怖がってしまって、繭からは
いじられっぱなしでした。でも芳乃の方も、
「怖い所終わりました?」とか、「それ、聞いちゃうん
ですか?!」とか反応が良くて、実はこの集まりを
一番楽しんでいたのは芳乃なんじゃないかという
気さえしますね。

 怪談話は余興のような雰囲気で進んでいきました。
けれど考えてみると、繭達のような神様には、
そういう不思議な出来事はつきものとも言えそう
です。この話数の中でも、「根の国」や「田の神」
など、人間が目にする事のあまりないものが
語られています。そういう部分も、この作品の
ファンタジーっぽさを引き立てている気がします。
 登場しているという点では、繭達の前に、
ゴン太の母親の鎮葉が姿を見せていますね。
ここではお祭りに遊びに来たぐらいの雰囲気
ですけれど、これからもっとストーリーに絡んで
いく事になるでしょうか。
 他には、雪那をはじめサブキャラ達も顔を
見せています。元社長と元社員は新しい味の
屋台を作ったみたいですが、あのナンプラーって、
第5話に出てきていたもの、ですよね。こんな
場面に登場しているのも面白いかもです。
エンディングの「やおよろず音頭」とも併せて
お祭りらしいにぎやかな雰囲気です。

 メイ子は、お祭りがあるのは知ってはいた
ようです。けれど前日に皆が準備で忙しい事
までは知らなかったみたいです。
 それが今年は繭達と一緒になって働くという
経験をしました。これでまた少し、彼女は皆の
中に溶け込めていけたのでは、という気がします。
肉体労働でへとへとになって畳に突っ伏していた
時、脇に座った笹鳴が、「繭様とずっと一緒に
いられるなんてうらやましい」と言っていました。
メイ子本人は、力仕事ばかり任されて面白くない
と、昼間は思っていたかもしれません。けれど
こんな笹鳴の反応を見て、何か感じるものが
あったのではないでしょうか。
 言われてみればその通り、自分はずっと繭と
一緒にいた。ライバルの笹鳴がうらやむほどの
事を自然にできていたのは、メイ子にとって
少し自信にもつながったのかなとも思います。
女の子が女の子を慕うなんて、多くの人には
理解してもらえない感情かもしれない。けれど、
そんな自分でも愛する人のそばにいて役に立つ
事ができるんだ、と彼女は感じたのかも。
 この場面で、笹鳴の言葉を聞いた後、メイ子が
どういう反応をするのか気になりました。が、
すぐ後に「ふわふわふわ~」と芳乃が来てしまって
場面が切り替わっていますね。もうちょっと見て
いたかったようにも思います。

 そして笹鳴の方も、繭に対する愛情を改めて
感じていたのではないでしょうか。メイ子に
対して「うらやましい」と素直に言えてしまうのは、
本当にそう思っていたからなのでしょう。また
その言い方も、特に強調するわけではなく淡々
とした雰囲気でした。ここからも、彼女の本気が
うかがえる気がします。力仕事以外で何とか
メイ子よりも自分をアピールできる部分を考えて
いたのかもですね。

 その後、笹鳴とメイ子は、お風呂に入る時に、
繭の隣にいられるのを喜んでいました(この際、
湯船が狭いのはかえって都合が良かった?)。
繭を巡ってお互いに争うと言うよりは、どれだけ
自分が彼女の近くにいられるかを競っている感じ
です。
 一緒にお風呂に入ったり、同じ部屋に布団を
敷いて寝たりするのを自然にできるのは、同じ
女の子だからこそなのでしょう。彼女達には、
このメリットを生かしてもっと繭に寄り添って
いってもらいたいように思います。
(また、さりげなくしゃもが柚子と一緒に
入浴していたのも百合的にはポイントが高い
かもですね。)

・「猫神やおよろず」レビューリストレビューセンター

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