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2011年9月20日 (火)

ゆるゆり 第11話

 1人の起こした変化が周りのすべてに影響を
及ぼしていきます。それだけ彼女達は、自分でも
気づかなかったかもしれませんが、密接で親密な
関係を築いていたのでしょう。それにしても皆の
反応を見ていて、あかりは本格的に主人公の座が
危うくなっているのでは、なんて思ってしまいました。

 テレビアニメ「ゆるゆり」第11話、
私たちのごらく部」です。
 部室で昔のアルバムをめくるごらく部メンバー。
幼なじみのあかりと京子、結衣はいつも一緒に
遊んでいて、アルバムにはその頃の写真が載って
いた。ふと注目した1枚は、「けんかをした時のもの」
だという。3人が喧嘩をしたのかとちなつは心配
したが、そうではなく、公園に遊びに来ていた
見慣れない子とちょっとしたけんかになったの
だった。結衣にけんかを売るなんてろくな子じゃない、
と、ちなつは息巻いた。

 オープニングは、、、あかり達が小さい頃の場面が
描かれています。昔は、結衣は気が強いまとめ役
といった雰囲気で、あかりは元気いっぱいでやんちゃ
な感じ、京子は泣き虫で人のいいなりになりやすい、
といった所でしょうか。今とは性格が違っている
ようです。
 昔からこの3人で一緒にいる事が多かったっぽい
ですね。他の友達といるより、もっと楽しかったり
落ち着いた気持ちになれるから、自然とこの
グループを選んでいた、みたいな感じなのかも
しれません。
 そうやって遊んでいる間には、相手の優しさに
ときめきを覚える事もあるようで。京子の胸の
底には、この頃に結衣に対して抱いた気持ちが、
今も強く残っているのかもですね。
(そういえば以前別の話数では、京子は結衣との
過去をねつ造してました。京子にしてみたら、
意外とそうなりたかったという願望が込められて
いたりする、かな。)

 優しさやときめきが、この話数でのテーマになる、
と感じさせるオープニングです。、、、って、
あかりのタイトルコールが見事にスルーされて
いました。これはあかりにとっては一大事なの
では? (すぐ後のCMの中でも京子に指摘されて
いましたね。)それぐらい、いつものエピソード
とは違っている、という意味なのかもです。

 前半は、あかり達のアルバムから、昔話で
盛り上がっています。ちなつは小さい頃は一緒に
いたわけではないため、あかり達の昔の振る舞い
を冷静に眺められているようです。
 ちなつの評価は、、、(結衣以外には)かなり厳しい
ものでした。まあ中学生の目から小学生を見たら
子供っぽく見えるのは仕方のない所でしょう。
また、ごらく部の4人の中で自分だけが思い出を
共有できていない(と思っている)事が、ちなつを
寂しい気持ちにさせてしまっているとも言えそう
です。

 ちなつは中学に入ってから初めて結衣達に会った
と考えていますが、実は、という所が面白い流れに
なっていますね。たぶんあかりなら、暴露なんて
しないで、ちなつや皆のために胸に秘めておこうと
するのでしょう。

 小さい頃は、それなりに自分の頭で考え、少ない
経験と照らし合わせて答えを出し、自分の行動を
決めているものなのではと思えます。後で振り返れば
呆れるほど子供っぽい振る舞いでも、当時は真剣に
考えていたはず。
(この回想場面でも、あかり達のしていた事は
いかにも小さい子供達のしそうな内容ばかり
でしたね。3人が、あの当時からどうやって今の
ような性格になったのか、そのいきさつなども
いろいろあるのでしょう。)

 七森中に先に入った京子と結衣は、誰にも邪魔
されない場所を校内に見つけ出し、「ごらく部」の
部室を初めて打ち立てます。最初は2人だけの
こぢんまりした部活動でした(その頃の事は、原作
コミック
でも第5巻収録の「Bonus track.7☆
トゥメイトゥ!?」でもちょっとだけ語られています)
が、やがて1年が過ぎ、年下の幼なじみのあかりと、
(茶道部と間違えたのがきっかけではありますが)
ちなつを迎え、よりにぎやかになっていきます。
 2人の時も、4人の時も、確かに彼女達は、ここで
思い出を作ってきました。それどころか、生徒会の
綾乃や千歳、それに櫻子と向日葵も加わって、
海へ行ったりイベントへ行ったり、デートだって
経験しています。

 他の人から見れば何の事はない毎日なのかも
しれません。が、それでも彼女達にとっては大事件の
連続です。
 そんなかけがえのないごらく部が、、、という状況
は、あかり達には衝撃的なものでしょう。部活を否定
する事を言い出す人がいただけで、もう彼女達は
とても混乱してしまっているようです。
 今まで当たり前だと思っていたものが消えていく、
自分達が信じていたものが否定される、それは切ない
事ではあります。が、ごらく部については、皆、
否定されるのを黙って受け入れているわけではない
ようです。ここで彼女達がどういう態度を示していくか
が見所になるのでしょう。

 、、、個人的には、こういうタイプのしんみりした
エピソードは、この作品には似合わない気がしたり
します。切なくなるとしてもそれは女の子同士の恋愛
についてで、またその他の時はとにかくゆるやかで
コミカルな物語を見てみたいように思います。
 アニメの場合、クライマックス近くではこんな
エピソードが流される場合は割とあるようにも思えます。
作画も細かくなっていましたし、作品的にここを
アピールしたいという意図があるのかもしれません。
でも、原作コミックは続いていますし、キャラ達らしい
雰囲気をたっぷり描いた物語を見たいですね。次の
第12話に期待、でしょうか。

 百合的な場面は、、、それほど多くなかったかも?
いつもとは違う京子に綾乃は調子を崩されていました
が、そこから気持ちがあふれて告白、みたいな事には
なっていないようです。
(そういえば千鶴も京子の変わりように心底驚いて
いたっぽいですね。以前京子が言っていたように
「デレるフラグ」が立つ前触れ? いえ、その前に
彼女は千歳にすがりついていますね。)

 その代わりにどさくさで告白まがい(?)の事を言って
いたのは、結衣ですね。ずっと昔から京子と一緒にいた
彼女ですが、最近はツッコミ役に徹する事が多いためか、
改めて自分の思いを相手に伝えるなんて恥ずかしくて
できずにいたのかもしれません。こんな非常事態だから
あそこまで言えたとも思えます。

 、、、という感じで後の方になればなるほど、京子が
エピソードの渦の中心になっていくような感じが
しますね。だんだんあかりの立つ瀬がなくなっている
ような。
 あかりのキャラから考えても、京子を大切に思って
いるでしょうし、例えば京子が日頃から皆を楽しませて
いるでしょ、と聞かれればその通りだと言うでしょう。
ですから後半の場面で彼女が、「京子が中心」と
言うのは自然なようにも思えます。
 でもその言葉を言ってしまう事で、自分から主役を
他の人に譲っているようにも感じられてしまいます
、、、。「あかりって主役なの?」という所が一つの
ネタになっていたりもするわけですけれど、この場面
ではそれもちょっと弱まってしまったようにも
見えたり。っていうのは考えすぎでしょうか。

 最後の場面ではあかりにも非常事態が起きて
いましたね。(彼女は「アッカリ~ン」と言って
いましたけれど、効果音とかではなくキャラのせりふ
としてこの言葉が話されたのはたぶんこれが初めて
なのでは、という気がします。)これで主人公の座を
引き戻していた、かな? 百合的にも彼女が目立つ
ようになると良いかもですね。

・「ゆるゆり」レビューリストレビューセンター

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