ゆるゆり 第9話
前半のまったり感は、ごらく部ならでは、という
感じがします。4人の中では、あちこちに
ツッコんでいた結衣が一番働いていたかも?
4人のやりとりの中にもさりげなく百合が
描かれているのが良いですね。そしてついに、
りせの声が聞ける日が来ました、、、けど何て
言っているのでしょう?
テレビアニメ「ゆるゆり」第9話、
「今年の夏はこわくない」です。
今年の夏も暑い。クーラーがついていない部室で
結衣達がうだっている所へ、京子がやって来た。
彼女は、夏と言えば定番の怪談話をしようと提案
する。だが特にネタを持っているわけでもなく、
その上京子自身が流れをおかしな方へ持って行って
しまうためなかなかそれらしくならない。それならと
今度は肝試しの仕掛けを考え始める。綾乃や千歳を
ターゲットに、自分達が驚かす側になるのだ。
オープニングのあかりの場面(あかりは「タイトル
コール」と言っています)では、背景がいつもとは
違っています。あかりも途中で気づいて震え上がって
いますね。
前に第7話の時も、あかりはカメラに頭をぶつけた
痛さで(小動物っぽく?)ぷるぷる震えていました。
こんな風にあかりが怖がったり痛がったりしつつも
けなげに役目をこなす姿が描かれるのは、、、やはり
「スタッフの愛情」なのでしょうか。毎回違った
バリエーションであかりが振る舞うのも、彼女への
注目度が高いから、とか。
それともう一つ特徴なのが、彼女達の学年が進んで
いないって事なのでは、と思います。ちなみに原作
コミックでは、キャラ達の学年が変わらない事が、
「方式が決定しました」というエピソードで説明
されていました(その説明さえも一つのネタになって
ましたね)。
前回第8話は、エイプリルフールが題材になって
いました。それは4/1、つまり春休み中の出来事
なので、第1話からぎりぎり1年はたっていない
とも言えます。が、この第9話ではいきなり季節は
夏。普通に次の学年になっているなら、結衣や京子
達は3年生で、進路が気になる頃。ちなつは結衣と
離れてしまう日が来るのを嫌でも考えなければ
ならず、あかりもせっかくまた同じ学校で一緒に
遊べていた幼なじみの2人を、もう一度送り出さ
なければならない事に寂しさを感じて。、、、みたいな
展開は、ここではないようです。彼女達のゆるい
百合なエピソードが引き続き楽しめます。
(それに上に書いたようなストーリーをもし仮に
入れるのなら、今の学年でもできそうですよね。
京子達が修学旅行に行く時とか。)
といったわけ、かどうかは別として、前半は
ごらく部メンバーが部室で延々会話をするという
構成になっています。もっとも彼女達の場合は
話している間にいろいろ想像が膨らんで、楽しい
画面になっていますね。さらに、実はこの場面には
夏らしい仕掛けが、というのもポイントになって
いるのでしょう(でも実はあかりが、と言われても、
この後の場面にも何かと顔を出していますし
ちょっと信じられない感じもします)。
この場面の会話の中で、京子の「お化け屋敷には
本物がいるって本当?」という質問に、結衣が
「いるとこもあるんじゃないのかな」と答えて
いました。、、、え、いるの? 結衣がとっても
普通っぽいテンションで言っているのは、単に
京子のおふざけに適当に相づちを打っているつもり
だったのか、それとも本当の事なのでしょうか、
結衣の口調って判断が難しいかもですね。
結衣のツッコミでさえていたのは、肝試しの
ネタを考えていて、京子が「テレビの中から、、、」
と言った時、です。あれぐらい鋭い返しがあると
面白いですね。
(一方で、不思議なものの存在を信じている
京子が、サンタさんだけについてはかたくなに
答えない、という場面もありました。あの辺りは
ちょっと間延びしている感じも? 多少食い気味に
答えたりすると面白かったりするでしょうか。)
前半は、ちなつの振る舞いに百合的な雰囲気が
ありそうです。髪を結っている結衣にときめいて
いますね。それに、結衣に膝枕までしてもらって
、、、。こういうのを見ると、結衣の方もちなつに
憧れられてまんざらでもない気持ちになっているの
では、と思えます。「今いい所なんです!」という
彼女の言葉は、胸のそこからの思いなんでしょうね。
これで少し気になるのは、京子の感じ方かな
という気がします。京子は、ミラクるん似の
ちなつにぞっこんなわけですけれど、ここでは
冗談を言ってツッコミ待ちだったのに、「(京子先輩
より)結衣先輩の方がいいです」と言われてしまったり、
涼しい生徒会室へ行こうと誘っても結衣の膝枕から
離れようとしません。
膝枕の場面ではさすがの京子も何だか反応が
薄くなっていますね。これだけ脈がないと、彼女
としてもちなつはもう自分を振り向いてくれないん
じゃないかと思ってしまうのでは、なんて考えて
しまいます。
でもまあたぶん京子からちなつへの愛情は、
ちょっとの事では変わらないのでしょうね。また
ちなつの方も、京子に気持ちを動かされない事は
ないはず。第7話では、「カップルごっこ」も割と
いい雰囲気でしたし、原作コミックでも2人が
接近するエピソードは描かれています。彼女達の
関係はこれからも築かれていくのでは。
そして後半に入っていくのですが、その前に
アイキャッチが、、、。この話数では櫻子と向日葵
が登場しています。どちらもキャラらしい感じの
表情を見せていますけれど、櫻子のバックには、
最後に例のせりふが大きく書かれていますね。
これは、向日葵といつも一緒にいる彼女だから
こその悩みの言葉なのかも?
一方の向日葵の方は、手に持ったクッキーを
見つめて神妙な表情をしています。丁寧に包まれた
クッキーは、櫻子だけのためのもの。櫻子も向日葵も、
お互いを思っているのに素直に相手に伝えられない
所があるんですよね。
さて生徒会室へ行った京子達は、見た事のない
女の子が1人、部屋の中にいるのを目撃します。
怖いものについて話していたすぐ後だったのも
あって、変な方向に想像がいってしまいます。
という事で、ついに松本りせが登場、ですね。
京子達は、彼女が生徒会長だと知らなかった
どころか、最初は人間かどうかも疑っています。
全校集会とかあったら生徒会長が出てきて挨拶
などしても良さそうですけれど、そこを京子達が
見落とすぐらい、りせには存在感がないのかも?
以前第4話で、ごらく部と生徒会のメンバーが
海へ行った時も、りせは一緒にいたんですよね。
あかりよりも激しい見切れ方をしていたものの、
視聴者には彼女の存在は伝わっていたと思うの
ですけど、京子達は言われるまで気づかなかった
ようです。
りせは、割と表情も変化しますし、それなりに
存在感のある女の子のような気がします。綾乃達は
ちゃんと普通に会長として接していますものね。
もしかしたらりせは、自分を知ってくれない人には、
自分から近づいていこうとはしないのかもです。
りせを一番知ろうとしている、そして一番
理解している女性は、西垣奈々なのでしょう。
彼女には、りせの考えや言おうとしている事は
すべてわかってしまうようです。
原作を見た感じだと、奈々はりせの「、、、」
という間合いや、わずかな表情の違いから、彼女と
コミュニケーションしているように感じました。
でもアニメを見ると、りせは口を動かしてしゃべって
いるんですね。こうなると、奈々は小さい音を
聞き分ける能力が高いだけなのかな、とも思えて
しまいます。
でもたぶん、そういう事ではないのでしょうね。
りせと奈々の間には、強い絆があると信じたいです。
奈々の手で髪に触れられたりせは、うっとり
した表情で顔を赤らめています。りせは、こういう
素敵なものをくれる奈々となら、どんな実験でも
やれると思っているのでしょう。
では奈々の方はどうなんでしょうね。彼女の
言葉からは、りせへの思いはあまり感じられない
気がします。「爆友」、「イケナイ関係」とは
言っても、りせが見せているような「、、、かぁっ///」
という表情は出てきていないですよね。それに、
爆友は「募集中」だそうで、つまり自分とりせだけの
特別な間柄を示しているわけではないみたいです。
奈々とりせは、教師と生徒という関係です。京子や
綾乃達のように、近い年齢でいちゃつけるわけでは
ないですし、学校に対してもはばかられるものが
あったりするのでしょう。けれど奈々がりせを
愛しているというのなら、自分の夢を語って聞かせる
だけでなく、りせが安心できるような愛情を見せて
あげてもらいたいかもですね。2人が、アニメ版で
この後のエピソードにも出てくるのかどうかは
わかりませんが、この2人の間にももっと百合な
雰囲気が出ても良いかもしれません。
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