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2011年9月18日 (日)

咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A 第1話88ページが配信されています

 連載が始まった「阿知賀編」では、和に関わる
女の子達が、和にもう一度会うために麻雀を再び
始めようとしています。単に会うだけなら会いに
いけば済む事。ですが彼女達はそうはしていません。
和との絆は、やはり卓上にあるのでしょう。

 発行スクエニ、月2回刊の「ヤングガンガン」に
連載中の、小林立さん作のコミック「咲-Saki-」より、
スピンオフコミックの連載が「少年ガンガン」で
始まっています。作品のタイトルは「咲-Saki-
阿知賀編 episode of side-A
」、原作は小林さんで、
作画は五十嵐あぐりさんです。その第1話が、本作の
作品紹介サイトで無料配信されています。

 カラーページもありで総計88ページという
ボリュームになっています。ストーリーも厚みが
あって、主人公の高鴨穏乃(たかかもしずの)の
小学生時代から、高校に入学する辺りまでが
描かれています。これから始まっていくこの物語の
背景をつかむ事ができるのではないでしょうか。

 ストーリーは、、、奈良県の小学校に通う高鴨穏乃は、
同級生の友達、新子憧(あたらしあこ)と元気に
学校生活を送っている。最近気になっているのは、
転入生の原村和(はらむらのどか)だ。ある日、和が
麻雀をすると聞いた穏乃は、彼女をある場所へと
連れて行った。そこは近隣にある中高一貫の学校、
阿知賀(あちが)女子学院。この学校のOGで、かつて
全国大会まで進んだ実力の持ち主、大学生の赤土晴絵
(あかどはるえ)が、子供達に麻雀を教えていた。
そこには阿知賀の中学1年生、松実玄(まつみくろ)も
通っていたが、学院の麻雀部は既に廃部になり、
今はなかった。

 和は、親の仕事の都合で、小さい頃から転校を
繰り返していました(ちなみに両親の仕事は弁護士と
検事だそうです)。この物語は、清澄高校で咲に
出会う前、中学で優希やマホ達と出会うよりもさらに
前に、和が転校先で知り合った女の子達とのふれあい
から始まっているのですね。何というか世界観の
広さが感じられます。

 「阿知賀こども麻雀クラブ」では、晴絵に教わり
ながら、子供達が麻雀を打っています。皆、麻雀で
強くなりたいというよりは、同じ年頃の友達と
わいわい言いながら遊べるのが楽しくて通っている、
という感じですね。

 こういう場面を見ていて、ちょっと思い出した
ものがあります。それは、テレビアニメ版のDVD
第3巻に収録されているピクチャードラマの第1話
流れ星を待ちながら」です。(このドラマの元に
なるエピソードは、小林さん本人が作られている
そうです。)そこでは、和が初めて麻雀を打った頃の
思い出が少し語られています。それはたぶん、この
阿知賀よりも前の事なのでしょう。理由は説明されて
いませんが彼女は病院に入院した事があり、その時に
他の入院患者の人達と麻雀を打ったのが最初らしい
です。

 ピクチャードラマのためその頃の様子が絵で
描かれているのですが、和の表情はとても嬉しそう
でした。周りにも淡い色の効果がかかっていて、
彼女の気持ちを表しているようです。
 以前も書きましたように、和にとって、麻雀とは
暖かな、優しい思いを与えてくれるものなのでは、
という気がします。その思いは、「阿知賀こども
麻雀クラブ」に通っている子供達、特に穏乃や憧、
玄にも共通しているものなのかなと思います。

 その後、穏乃達の環境は変わっていきます。
成長するにつれて、それぞれの都合で離ればなれに
ならなければならないようです。
 それでも穏乃は、持ち前の明るさで、その変化を
正面から受け止めていました。クラブが消える事に
なってしまっても晴絵の復帰を喜び、いつも一緒
だった憧と中学が別々になってもたまには遊ぼうよ
と肩を組み、転勤がちな親に従って去っていく和を
送り出し、、、。本当は、愛しい人や大事な場所が
自分の前から消えていくのはとても嫌なのですが、
そうやって穏乃は、いろいろな思いを一つ一つ
手放していきます。

 ですが、どうしても見過ごせない瞬間が、彼女に
訪れたようですね。それは麻雀の全国中学生大会の
テレビ中継を見ていた時です。
 彼女はこの時に感じたものが何だったのか、うまく
言い表せずにいます。でもこの気持ちはとても大切な
もので、もう絶対に手放してはいけないと直感したの
ではないでしょうか。
 彼女はもうわけもわからず駆け回っています。突然
走り出すなんて子供っぽい、と言われたとしても、
止められないのでしょうね。穏乃にはこの元気さが
お似合いなのかも。

 そうやって、穏乃達の物語が始まっていくようです。
今度はいろいろな女の子達との出会いが、彼女を
待ち受けているのでしょう。

 この作品では、「咲-Saki-」のスピンオフらしく、
原作のポイントを押さえている部分がありますね。
麻雀でのバトルだけではなく、女の子達の気持ちの
やりとりや関係性が丁寧に描かれています。世界観は
共通していて、原作のキャラ達と同じ時間軸を別の
場所で過ごしている登場人物達の存在感が強く
示されています。麻雀の打ち手が特殊な能力を持って
いるのも特徴ですね。後は、、、「はいてない」、ように
見える演出も同じなのでは。
 麻雀の試合の描写はちょっと少なめだったかも
ですね。第2話以降もこういう感じなのか、それとも
原作のような試合が多く描かれるのでしょうか。

 それから、百合な部分がどうなるかが気になりますね。
この第1話の中ではあまり表現されていなかったかも?
穏乃は小学生の頃から和が気になっていたようです
けれど、その本心はどんなものなのでしょうか。他の
事と同じように、彼女は自分の気持ちを押し隠していたり
するのかな? 和と会えるとしてももうちょっと先に
なりそうですし、これから新しく登場すると思われる
女の子達にも期待したい所ですね。

 この第1話では、和の他には、穏乃、憧、玄、晴絵が
登場しています。また6年前に晴絵を負かし、今はプロに
なっているという、小鍛冶健夜(こかじすこや)も少し
顔を出しています。後は、玄や憧には姉がいるようで、
その辺りは後で姿を現す事になるでしょうか。たくさんの
女の子達の、強い絆が見られると良いですね。

・「咲-Saki-」レビューリストレビューセンター

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