ひらり、 Vol.4 その3
「みみみこ」では、人間の願いを叶えながら、自分達も
成長していくかなん達の姿がなかなか感動的かもです。
本誌後半部分では、4コマっぽくない4コマ漫画がやや
多いですが、これはストーリーものとして見た方が
良いのかもですね。それから、本誌の第1回コンテストで
受賞した「きれいなあのこ」も掲載されています。
発行新書館による、年3回刊の「ピュア百合
アンソロジー」となる「ひらり、」のVol.4を
見てみました。以前に別の記事でも書いています
ので、よろしければそちらも見てみてください。
では前に書いたもの以外の作品について一部
ご紹介、、、。
(・作品名(作者名(敬称略)))
・みみみこ(遠田志帆)
御弥神子(みみみこ)2年生の3人、かなん、
ここあ、ぽえむは、神社へお参りに来た長閑(のどか)
の願いを叶えるために耳を傾ける。彼女は、後輩の
理紗と高校でも一緒にテニスをしたいと考えていた。
かなん達御弥神子は、人間の願いを叶える手助け
をするのが役目で、本当に実現するのは本人に任せ
られているようです。長閑は、そう言われるまでも
なく、自分でどうにかしようと考えているらしく、
かなん達はうまく役目を果たせている感じですね。
そして彼女達の間にも、暖かな思いがあるようです。
遠田さんは、Vol.1からVol.3まで表紙を担当されて
いました。ここではコミックの掲載という形で
関わられていますね。巻末のコメントによると
コミックはあまり描かれていないみたいで、この
作品は貴重なのかもです。
(なお、もくじと巻末のプロフィールには作品名が
「みみみこのこ」と書かれています。本編の
タイトルには「みみみこ」と書かれています。)
・下着屋の娘(大沢あまね)
茜女学院3年の坂田まゆりは、自他共に認める
微乳好き。胸の小さい美女との運命的な出会いでも
ないものかと思っていた所、学習塾で事務をする高畑美羽
と知り合う。が、惜しい事に彼女の胸は大きかった。
まゆりの趣味は、店の客への反発からきているのかも
ですね。けれど微乳好きと線を区切る事も、実は形を
気にする事に変わりないのでは。美羽はそこに気づかせて
くれたのでしょうね。そして彼女の方も、まゆりになら
すべてをさらけ出せると感じたから、少しはしたない
事でもできたのでしょう。
まゆりは、Vol.3に掲載された「図書室の姫ちゃん」
にも登場していますね。あちらで主人公だった木嶋
香(ころん)は、こちらでは脇役で顔を出しています。
大沢さんは、オンライン雑誌「WEBウィングス」で
「彼女×彼女(カノ×カノ)」という作品を連載されて
います。第1話の「プールにごろん」は、まゆりのいる
茜女学院が舞台になっていますね。今は第3話までが
配信されています(第1話と最新の1話が無料で
見られます)が、第2話からの前後編の「白百合の乙女」は、
主人公の1人が男子なのですよね、、、。気持ちの上では、
といった部分もあるのかもですけれど、「GL」作品
であればやはり女の子同士の関係を見てみたいように
思ったりします。なお、こちらの作品の次回の配信は
今月の下旬ぐらいです。
・under one roof #2(藤生)
吉田海帆は、知り合ったばかりの麻生風夏とルーム
シェアを始めた。海帆は親元を離れるのは初めてだった
が、風夏は既に10人ほどとのシェアの経験がある。
さらに彼女は女性を愛する女性だった。
きっかけは、風夏が海帆の名前を見つけ出した事だった
ようです。その後、あまりにうまく事が運んでいる感じで、
もしかしたら風夏は恋人を見つけるために同居人を募集
したりしていたのでは、なんて思っちゃうのですが、たぶん
違うのですよね。同居しなかったとしても、彼女達の
間には絆ができる、と信じたいです。
・箱庭コスモス(桑田乃梨子)
不思議なものに興味があり、永原風和(ふわ)の「ふしぎ
研究会(ふし研)」に入った河野燎(りょう)。彼女は親戚の
御園燿子、鏡子姉妹に憧れていたが、その点だけは風和には
全く興味がなかった。
同じ趣味の女の子に出会えたと思ったら、相手は
御園姉妹の良さを風和にわからせようと躍起になって
います。こうなると風和の気持ちを理解してくれるのは、
委員長ぐらい? 風和の微妙な表情の変化を読めるなんて
すごいですよね。この思い通りにならない「箱庭」で、
風和は本当に理解し合える相手に会えるのでしょうか。
・ピンク・ラッシュ(TONO)
モデルのツルマキは、男達の中にいる事が多い。自分の
性格が男っぽいからかな、とは言うが、実はグループの中の
一番いい男とデキていたりもする。ある日、その気もなく
女友達がほしいと言うと、アイドルのサナが手を挙げた。
最初のページにある「別に不自由はしてませんが」の
モノローグは、女友達がいっぱいいる、という意味ではない、
ですよね、、、。ツルマキがこれまで見てきた女性の姿は
偏ったものだったようで、サナみたいなタイプは初めて
だったのかも。だから相手の考えがつかめず、また同時に
惹かれてもいたのではないでしょうか。
それにしてもサナは本当に女の子だけのプロダクション
を作ってしまいそうな勢いですね。彼女の中でずっと
マールが一番であり続けるのかどうかが少し心配ですが、
そこは誠実に考えていてくれるのでしょう。
それと、この作品では男性はほとんど動物の姿で描かれて
いますが、この話数ではことさらにそこを添え書きで
説明していたような。そこには何か示したい事がある?
・きれいなあのこ(吉田丸悠)
アイドルユニット「平成絶対領域委員会(絶会)」のセンター
で活躍する木原真鈴は、天然清純派で売り出している。
忙しくて学校では友達の少ない彼女が最近楽しみなのは、
クラスメイトの谷本を見る事だった。
子役デビューの真鈴は、たぶんずっと昔から業界、というか
大人とのつきあい方を身をもって経験してきたのでしょう。
でも谷本はそうではない、という所が、2人のどうしようもない
ギャップだったようです。真鈴は自分に罰を与えるつもりで
夢をあきらめたみたいですが、夢だけは捨てちゃいけない、
そう言ってくれる人が現れるのを期待したいですね。
この作品は、「第1回ひらり、GLコミック大賞」で
グランプリを受賞した作品だそうです。これからも本誌で
吉田丸さんの作品が見られるようになるのでしょうか。
ところで、この作品はシリアスなストーリーではありますが、
途中所々で、「本物だからね!!」とか、「ちょっと出ます!!」、
「えっ何が!?」みたいなコミカルなせりふが入って
いるのが面白いですね。
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