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2011年8月10日 (水)

つぼみ Vol.12 その3

 「センチ 28cm」では、前回とは変わって、ゆきの目
から見た沙都との関係が描かれています。2人の
感じ方は、同じなのでしょうか、違っているの
でしょうか。それから、「プリベートレッスン」では、
長い間そばにいたたまこととりこの関係が変わって
いくのかどうかが見所になりそうですね。

 発行芳文社による百合アンソロジー「つぼみ」の
Vol.12を見てみました。以前に別の記事でも書いて
いますので、よろしければそちらも見てみてください。

つぼみ Vol.12
つぼみ Vol.12 その2

 では前に書いたもの以外の作品について一部
ご紹介、、、。

(・作品名(作者名(敬称略)))

・くらいもり、しろいみち 第2話(由多ちゆ)
 もう一度来てしまった公園に、ちはるは待っていた。
翔(しょう)は、よく知らない彼女と隣り合って座り、
する事といえば他愛もない会話ばかりだった。やがて、
ちはるが翔の手に触れてきた。
 翔に会うためならどんな事でもしようとしている
らしいちはる。でも、その姿さえ本心からのものなのか
どうか、翔にはわからないようです。これまで他の
人とはあまり交流を持とうとしなかった翔がちはるに
抱いている気持ちが本物だとしても、ちはるの方は
どうなのでしょうね。

・センチ 28cm(やとさきはる)
 ゆきは身長が低いため、黒板の高い場所に書かれた
文字を消すにも苦労していた。一方、友達の沙都は
背が高く、2人の身長差は28cmある。この数字は、
ゆきに自分の小ささを強く印象づけているのだった。
 背は低いし、雨で髪ははねるし、と、自分の短所が
気になってしまうのは、沙都という素敵な女の子が
そばにいるから、なのでしょうか。けれど沙都は、
そんなゆきをかわいい、かっこいいと言うのですよね。
沙都が本気だと気づければ、同時に、なぜ2人がそばに
いるのかもわかるのではないでしょうか。
 この作品は、Vol.10にも掲載されていました。そちら
では沙都の視点から2人の関係が描かれていました
けれど、ここではゆきがどう思っているのかがわかる
ようになっていますね。回想場面で、ゆきと沙都の
髪の長さがちょうど逆になっていたのが何だか面白い
です。もしかしたらそうなったのには、また別の
エピソードがあるのかも?

・私の愛する河野さん(芥文絵)
 三木は、会社の同僚の河野とよくじゃれ合っている。
周りから仲の良さを指摘されれば、河野を大好きだから、
と、ことあるごとに言ってはいるが、河野は笑うばかり。
三木の恋愛感情には気づいていないようだった。
 三木には、女性を愛する女性の仲間達がたくさん
いるらしいですね。皆、「一般」や「常識」のためにずっと
傷ついてきたでしょうから、そうではない女性との
おつきあいにはつい身構えてしまうのでしょう。三木も
そのままなのかどうかが、ポイントですね。ところで三木
って、河野が言っていた「好みのタイプ」なのでしょうか?

・プライベートレッスン #7(ナヲコ)
 とりこは、たまこが小さい時、自分の家で一緒に
暮らしていた頃を思い出していた。年齢差もあり接点の
少なかった2人をリンクさせたのは、他の何ものでもない、
ピアノだった。
 相手はいとこだし、先生だし、、、女性だし。これが恋なんか
であるはずがない、と思いながら、どうしても消せない
気持ちがあったから、たまこはとりこの前から突然
いなくなったのでしょう。その後2人が出す答えは、、、。
バイエルについて話している場面がしゃれてますね。
彼女達の思いはちゃんとつながっているようです。
 この作品は、8/11に単行本発行される予定となって
います。たまこととりこがどんな風に気持ちを強めて
いったかが通して見られそうですね。

・しまいずむ その18 コーディネート(吉富昭仁)
 同じクラスに気になる女の子がいるという女子高生の
あきらのために、遥と芳子はかわいらしい仕草や服装を
教え込もうとする。そこへ、妹の桜と舞が帰ってきた。
もう1人、同い年ぐらいの女の子を連れてきている。
 キャラが2人増えて6人そろった事もあって何か
にぎやかな感じになってますね。ここで「超次元
ランデビュー」を知っているのは芳子とマリだけらしい
ですから、この2人の気が合ってしまったりする
可能性も? でも最後の場面でマリがあきらに言っていた
言葉からすると、彼女達はいい関係になれそうなのでは。

 といった感じで、このVol.12では、いつもより掲載
作品数がちょっと少なかったみたいです。その分
1作品当たりのページ数が増えるでしょうから(この所
この本は常に338ページで発行されています)、
作品の世界観をじっくり楽しめる、とも言えそうです。
けれど、作品数が少ないのもやや寂しい気もしますし、、、
バランスがいろいろあるのでしょうね。

・「つぼみ」レビューリストレビューセンター

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