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2011年8月 9日 (火)

ゆるゆり 第7巻

 第7巻は全編描き下ろし、あとがきにもたっぷり
エピソードが盛り込まれていて、あかり達の物語が
たくさん見られます。あかねや楓といった姉妹達も
顔を見せていますね。何となくアニメ版に通じるような
部分もあって、アニメとともに見て楽しめるのでは、
という気がします。

 発行一迅社コミック百合姫に連載中のなもりさん作
ゆるゆり」の第7巻を見てみました。
 この巻は全編描き下ろしとなっています。帯とか、
本の中の「初出一覧」にも「ぜんぶ描き下ろし!!」
なんて書かれています。単行本は今年に入ってから
4冊目となりますし、「ゆるゆりSPECIAL」とかも
ありましたからかなりたくさんのエピソードが
作られている事になるのですね。
(そんなわけでいつもはだいたい本誌に掲載された
ものが収録されているためレビューはしていなかったり
します。けれど、この第7巻については記事を書いて
みたいと思います。)

 表紙は、生徒会メンバーより、櫻子と向日葵ですね。
櫻子が向日葵の背中に勢いよく飛びついている構図で、
2人の「らしさ」が表れている感じです。それに、
よくけんかする割にはいつも一緒にいる彼女達の
距離の近さも描かれているかもです。
 通常版では七森中の制服姿で描かれていますが、
限定版ではメイド服バージョンとなっています。
メイド服というと、第4巻限定版の表紙で
ちなつが着ていました。限定版はメイド服仕様に
なるのが伝統?
 限定版の裏表紙ではあかりもメイド服を着て
いますね。隣にいるちなつは普通に制服姿で、
あかりをちらりと見ています。これは第4巻で
経験済みのための余裕、でしょうか。なお、
カバー下ではこのイラストのモノクロバージョンに
吹き出しが添えられていて、それを見てもやはり
ちなつには余裕が感じられます。

 これまで第1巻から第5巻までは、表紙には
「ごらく部」の4人が描かれてきました。第6巻
では綾乃と千歳、そして第6巻では櫻子と向日葵と、
生徒会のメンバーが描かれていますね。これからは
このパターンになっていくのでしょうか。ちなみに
第1巻の時は、百合姫SのVol.10に着せ替えカバーが
付いてきていました。そちらには綾乃、千歳、
櫻子、向日葵の生徒会4人が描かれていました。

 カラーの口絵は、京子、綾乃、結衣、千歳の
2年生4人が描かれています。京子が綾乃と
肩を組んでいて、綾乃は少し照れています。
後ろでは案の定(?)、千歳が眼鏡を外して妄想
モードに突入、結衣がそれを見て驚いています。
彼女達ってクラスが同じなのかどうかはわかりません
けれど、これはこれで一つのグループになって
いる感じがしますね。

 本編の方は、8話が収録されています。コミックス
で初めて読む、というのもちょっと新鮮かもです。
「ゆるゆりSPECIAL」は本誌と同じ判型のため
それほど違いは感じなかったのですが、コミックス
は型が小さいため、また別の雰囲気があります。
それに、柱の文句(編集の方が書いているのでしょうか)
がないのもすっきりしている感じですね。

 では各話を少しずつご紹介、、、。

・「intermission.1☆天使の悪戯」
 京子が、部屋にあったおもちゃを部室に持ち込んで
います。蛇のおもちゃに対しては4人それぞれに
反応していますが、ここであかりの「天使」な様子が
描かれていますね。ちなつの反応が薄いのは、以前
「お化け屋敷は平気」と言っていたように、仕掛けで
驚かすタイプのものには耐えられるのかもです。
そして第47話「暴力温泉卓球」にあった「もふっ」が
ここでも登場しています。

・「intermission.2☆冷風求めて三千里」
 エアコンのリモコンの電池を買いに行くはずだった
京子が、結衣達の家を次々に訪問しています。
京子と他のキャラの1対1のエピソードですね。
結衣やあかりとは幼なじみですから勝手がわかって
いるのでしょう。告白めいた言葉を結衣にスルー
されるのもお約束? 一方で、ちなつとは出会って
からまだ数ヶ月(ですよね?)ですが、ちなつの家でも
自由に振る舞えているみたいです。

・「intermission.3☆怖いものは怖いんだモン!!
 、、、ですよねー。」
 あかりの家にちなつがお泊まりに来ているようです。
1年生同士だとどんな会話をするのか、という所が
見られます。ちなつは、「intermission.1」のように
作り物はあまり怖くないみたいですが、「SPECIAL☆4」の
ように映像系は耐えられないみたいです。夜に心細く
なってしまった所へ、突然の赤座あかね登場で大変な
事に。というかあかね、もっともらしい事を言ってます
が、あの時間帯に何をしていたのでしょうか?

・「intermission.4☆うたうよ!? ミラクるん♪」
 何となくどこかで聞いた感じのサブタイトルですね
、、、。でもまあ特に関係性はないようで、京子、結衣、
綾乃、千歳の2年生4人がカラオケに来ています。
綾乃はこういう場にはあまり慣れていないのでしょうか、
つい地が出てしまっている感じがします。そこに
気づいたのはやはり千歳。さりげないフォローがうまい
ですね。そのまま妄想モードに突入、、、はしていません
が、綾乃と京子が仲良くしているのは嬉しいようです。

・「intermission.5☆ダイエット!!」
 体重が増えてしまった向日葵。櫻子には素直に
自分の悩みを打ち明けていますね。隠してもすぐに
ばれると思ったのか、それとも手伝ってもらうために
仕方なくだったのでしょうか。でもどちらにしても、
2人がいつも近くにいて通じ合えているのだと
示している気がします。彼女達の中に撫子や花子では
なく楓だけが関わってきているのを見ると、櫻子は
自分の姉妹よりも楓に親近感を持っているのかも。

・「intermission.6☆私、乗り遅れてる!?」
 ごらく部だけでなく生徒会のメンバーとも一緒に
プールへ行こうとしていて、あかりは電車に乗り遅れて
しまっています。あかりの1人舞台ではもてあまし
気味になったりしないかとも思ったのですけど、
彼女の周りでもいろいろな事が起きてますね。
それに、さりげなく入る姉のあかねとのエピソード
が、、、。あかねからあかりへの溺愛ぶりを知って
いると妙に納得(?)してしまったり。

・「intermission.7☆夏風邪ひいちゃったし」
 結衣が珍しく風邪を引いてしまっています。一人
暮らしでは誰かに助けてもらいたくなる所でしょう
けれど、本人は自分だけで何とかするつもりらしく。
ですが放っておかないのが京子なのですね。この辺りは
さすが幼なじみ、でしょうか。ところで結衣の夢の中に
出てくるゲームが面白いですね。パーティ内の役割も
それぞれのキャラっぽいですし、敵は某雑誌の編集長?
落ちゲーの「アッカリーン」はやってみたいような。

・「intermission.8☆偶然の一日、ハプニングな毎日。」
 普段あまり会話しないような1年生と2年生の
キャラ達が2人でいる状況が何組か描かれています。
ちなつと綾乃、櫻子と結衣は、何だか会話がかみ合って
いないですね、、、。周りを考える余裕を持てないキャラ
だとこうなってしまう? 京子の場合にそうならないのは、
本当は理知的な女の子だから、なのでしょうか。向日葵
も感心していますね。あかりと千歳は、2人でほのぼの
とした(?)空気を作り出しているようです。

 という感じでいろいろなエピソードが楽しめますね。
途中、千歳の歌声が「癒し系」だったりとか、あかりの
語尾に「だよぉ」が多かったり、結衣が歌う時に京子が
「わんつー☆さんし」と合いの手を入れる辺りは、
アニメ版に近いのかもです(個人的には、京子はあまり
そういう事は言わないキャラかなと思ってました)。
アニメは今放送中ですし、それと併せてこの本を
見てみるのも面白いかもです。

 、、、ところでこの本は、本編だけでなくあとがきも
充実していますね。15ページも用意されたそうで、
そこにおまけまんがが描かれています。2人のキャラを
ピックアップして2ページずつ7本が収録されて
います(1ページ目は別になっています)。それぞれに
キャラの特徴が出ていて、しかも百合度もなかなかの
ものですのでお得感があります。
 そして、この第7巻で、3ヶ月連続リリースの3巻目
までが発行された事になります。次の第8巻がどう
なるのか気になる所ですね。その前に、9月には
アンソロジーの第2弾が発売されるそうで、こちらも
楽しみになりそうでしょうか。

・「ゆるゆり」レビューリストレビューセンター

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