ゆるゆり 第7話
冬休みの雰囲気に浮かれたらしい京子の考えた
突拍子もない企画に、結衣達どころか生徒会の
メンバーも巻き込まれています。でも何かと文句を
言いながらも全員が企画に乗っているのは、その日
予定がなかったからとかではなく、このメンバーの
誰かとならデートしてもいいと思ったからなのでは、
という気がします。
テレビアニメ「ゆるゆり」第7話、
「くり済ませり」です。
ノースリーブ、ミニスカートのサンタ風の衣装に
身を固めた京子が、ごらく部の部室へやって来た。
クリスマスは来週なのだが、どうやら待ちきれ
なかったらしい。冬休みの始まりとも重なるその日は、
街にカップルがあふれるはず、だから自分達も
「カップルごっこ」をしようというのが彼女の主張だ。
誰と誰がデートをするかはくじ引きで決めるというの
だが、抽選箱を持った京子はなぜか生徒会室にいた。
綾乃達にもこの企画に参加させるつもりなのだ。
なぜ京子がこの企画を実行しようとしたのかが
ちょっと気になりますね。彼女としては、ちなつと
ラブラブな関係になりたい、と考えているでしょう
から、そっちの方向へ持って行く内容を考えそうにも
思います。なのにこの企画では、8人の内の誰かと
誰かがカップルになる、というものですし、それに
京子は、抽選箱に小細工などもしていないのですよね。
純粋に1/7の確率でちなつとペアになれる可能性に
賭けていたみたいです。
そういうルールにしたのは、(ちなつが一番
だとしても)7人の中の誰とペアになっても、楽しい
クリスマスが過ごせると考えていたからなのかな、
とも思います。あかりや綾乃、千歳など、皆に
対して、彼女は親しみや愛しさを感じているのかも
です。
そして同じ事が、他の7人についても言えそうです。
いきなりの提案、しかもクリスマスに合わせて、
ともなると、先約があるから断る、みたいな言い訳も
できるでしょう。でも彼女達は、いろいろ言いながらも
京子のアイディアにけっこうノリノリになっているの
ですよね。
この中の誰かと女の子同士2人きりでクリスマスを
過ごせる。それは素敵な経験になるだろう、と、
誰もが予感したのではないでしょうか。
(櫻子と向日葵は、それぞれお互い以外の人とペアに
なりたいと切望していたようですけれど、これは
彼女達の本心ではない気がします。)
果たして始まったデートでは、、、京子は願い通り
ちなつと一緒になれました。それはもう大喜びで、
最初からテンション上がりっぱなしですね。自分の
お気に入りの場所を次々と巡っていきます。
ですがちなつの方は、最初、やや楽しめていなかった
みたいです。京子にとっては親しみがあっても
ちなつには初めての経験だったりもするようで、
それを存分に堪能できるかというとすぐには難しい
でしょう。
京子のエスコートの仕方はあまりうまくない感じも
します。が、京子の中では、自分の大好きなものを
共有したい、一緒に経験したいと考えているのかも
しれません。
では2人はどうなったかというと、最初はつまらない
気持ちでいっぱいだったちなつも、京子と一緒に
いる事で、何か新しい思いが生まれてきている感じ
ですね。いつもは「ちなつちゃんを食べたい」とか
言ったり、隙を見てキスしようとしたり(ってこれは
このデート中にもしてましたけど)する京子でも、
ちゃんと自分の事を見ていてくれる、とわかったの
では。
そして意外にも、「魔女っ娘ミラクるん」に興味を
持ったみたいです。結衣の親戚のまりもこの作品の
ファンですし、もしかしたらミラクるんはローティーンや
それより下の女の子達のハートをわしづかみにしちゃう
魅力を持っているのかも。これをきっかけに、京子と
話題が合うようになったりするでしょうか。
(ところでミラクるんについては、ちなつから見れば
自分にそっくりな女の子が魔法使いに変身してバトルを
繰り広げたり、ライバるんとの厚い友情を築いたりするの
ですよね。彼女はこの作品を、京子達とは別の、不思議な
感じで見ているのかもです。
それにしても劇場版が第3作「電子の要塞」まで作られて
いるとは、、、。人気が高いのでしょうね。)
他に百合度が高かったのは、向日葵と櫻子ですね。
小さい頃からずっと一緒だった2人は、このカップル
ごっこでもお互いペアになりたくないと必死に祈って
いました。それぐらい「新鮮なドキドキ」がない関係だと
2人とも思っていたはずなのに、、、顔を赤らめて
恥ずかしがったり、照れ隠しに怒ったり。立派に(?)
どきどきしているようです。
櫻子と向日葵は、第5話などでもそうだったように、
学校以外では2人きりでいる事が多いみたいです。
そのため、自分達の間では仲が良くないと思い込んで
いるようです。でも、他の人達からすれば、仲が
良くないどころか、友達なんて範囲を全然超えてる
ほどの仲良しに見えているっぽいですね。確かに、
お互いに食事を食べさせあったり、頻繁にボディタッチ
をしたりするのは、いつもそばにいるからできる事
なのでしょう。
結衣と綾乃は、デートと言われてもお互いどうしたら
いいのかわからず、あまりお出かけを楽しめなかった
ような感じもあります。(結衣にとっては、綾乃の
ダジャレを2人だけで間近で聞けるという点では楽しい
時間だったかも?)もともとこの2人は、京子や千歳
という個性の強いキャラがいるためにツッコミ役に
まわる事が多い、というだけなのかもですね。もし
2人がいなければ、何事もない、平穏だけれどちょっと
寂しい日々を送っていたのかもしれません。そういう
事に気づくきっかけを、彼女達はここで手に入れたの
では。
気づくといえば、2人が座っていた公園のベンチの
周りには、クリスマスらしくカップルがたくさん
いました。当然のように誰もが男性と女性のペアで、
女性同士の恋人達なんて見かけません。
だとしたら彼女達は、今自分達の中で息づいている
感情を、どう思っているのでしょうか。女の子同士で
カップルになって、デートをしたり、手をつないで
みたり。相手の優しさにときめいたり、気になる
女の子を思い浮かべて頬を染めたり。彼女達は、
思い思いの方法で、女の子同士の友情以上の気持ちに
愛しさを感じています。
自分は間違いなく暖かさを感じているのに、周りの
大人達の中にはそんな素振りを見せている女性は
見当たらない。このギャップを意識してしまったら、
彼女達は一つの仮定に気づいたりはしないでしょうか。
今自分が持っている感情は、いつか消えてなくなり、
男性への愛情に取って代わられるのではないか、という
仮定です。
まだ大人になっていない彼女達には、これが真実
なのかどうかはわからないのでしょう。彼女達の
未来に百合があるかどうかは、本人達の選択次第と
言えそうです。できれば百合な絆を深めていって
もらいたい所ですね。
さてもう1組のあかりと千歳ですが、、、こちらは
ほのぼのしている雰囲気です。千歳は、(妄想を除けば)
気遣いができて優しく人当たりの良い女の子、ですね。
またあかりは(ボックスティッシュを2箱持ち歩くぐらい)
よく気が利いて、困っている人をさりげなく助けて
あげられる女の子です。(ティッシュの事は、デートの
相手が千歳だったから前もって用意したんでしょうね。)
先輩後輩という関係でもあるため、2人は姉妹のような
感覚を相手に持ったかもですね。ちょうど千歳には
千鶴という妹(次回出てくるみたいです)がいますし、
あかりにはあかねという姉がいますから、それぞれ
姉と妹という位置づけには慣れていると言えそうです。
この2組の姉妹とも仲は良いみたいですから、千歳は
妹を大事にする、あかりは姉にちょっと甘えちゃう、
みたいな事が、お互いの間で自然にできていたのでは
ないでしょうか。
姉妹という点では、ちなつの姉のともこも、後半の
お正月エピソードで部分的に登場していました。
(そういえばあかり達が見ていた年賀状の感じでは、
やはり彼女達が住んでいるのは富山県らしいです。)
部分的、というか見切れていたというか、、、。後ろ姿
だったり顔の下半分だったり、この微妙な加減は
あかりに負けず劣らずですね。
ともこは、第1話でも、ちなつが茶道部に入ろうと
したきっかけのエピソードの中で姿だけが見えていました。
この後本編で普通に登場するようになるのでしょうか、
その辺りも気になります。あかねもCDドラマだけ
ではなく、アニメ本編にも出てきてもらいたいもの
です。
第7話になり、京子が第6話で言っていた「折り返し」
を過ぎている事になるでしょうか。アイキャッチは、
これまでのごらく部メンバーではなく生徒会より
綾乃と千歳になっています。千歳バージョンでは
背景にティッシュの箱がちりばめられているのが
彼女らしいかも。また綾乃の方は、せりふが入って
いないのに、どんなダジャレを言ったのかがなぜか
わかる映像になってますね。
次回は、上にも書いたように千鶴が登場するみたい
です。それに生徒会長のりせや理科教師の奈々の
キャストも発表されていますので、この後も新キャラが
どんどん登場してきそうです。季節は一巡りしてまた
春になるみたいですし、彼女達のゆるやかな百合
エピソードは一年中紡がれているようです。
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