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2011年7月28日 (木)

ひらり、 Vol.4

 恋愛に踏み出せるかどうか、という辺りの
微妙な心情が描き出されている作品がありますね。
「自転車と加瀬さん」では、噂を聞いた後の山田の
行動が面白いですね。「永遠に少女」では、みさおが
みずきの隠された気持ちを理解できるかどうかが
鍵になりそうです。

 発行新書館による、年3回刊の「ピュア百合
アンソロジー」となる「ひらり、」のVol.4
見てみました。

 今号から表紙のデザインが新しくなり、イラスト
担当の方も交代されています。以前のひらがなの
題字「ひらり、」はサイズが小さく書かれています。
以前からの読者でもこれがあの「ひらり、」だと
わかるようにしているのかもですね。代わって
今度は「HIRARI,」と英文字が大きく書かれています。
ちょっとポップな感じもします。もしかしたら、
これから1年間はこのデザインで発行される?
 西炯子さんの表紙では、セーラー服を着た2人の
女の子が、学校の屋上らしい場所でふれあいを。
三つ編みをほどかれている娘は目を丸くしていて
上履きも脱げています。かなり驚いているみたい
ですが、そんなに嫌がっている風でもない、かな。
花が舞うイメージがファンタジックな雰囲気を
出していて、帯の文句「清く正しく不道徳な放課後。」
が引き締めている、という感じですね。

 カラーの口絵は優さんが担当されています。
花びらの舞う春の日、朝の登校風景でしょうか。
駆け寄ってきた友達に触れられた女の子が、頬を
赤らめて相手を見ていますね。相手の美しさと
仕草のかわいらしさに思わずときめいているの
かもです。

 では収録作品を部分的にご紹介、、、。

(・作品名(作者名(敬称略)))

・自転車と加瀬さん。(高嶋ひろみ)
 山田は、夏休みに知り合った加瀬と一緒に帰る
ようになった。バス停までの短い道のりではあるが、
山田にとってはとても楽しい時間で、バスなんて
来なければ、と思うほどだった。
 山田は、加瀬とだけ向き合っている時は、もう
普通の恋する女の子という感じですね。ですが
加瀬の噂を聞いたとたんにちょっと態度が変わって
しまっています。女の子同士の恋愛への戸惑いと、
同時に嫉妬心も、、、? すぐに答えは出せないかも
ですけれど、2人で考えられると良さそうですね。
 この作品は、Vol.2に掲載された「あさがおと
加瀬さん。」の続きですね(年3回刊なので、1号
あくととても前の出来事だった気がしたり、、、)。
彼女達の気持ちはまだ通い合う所まではいって
いない気もしますけれど、作品としては続いて
いく、のかな?

・さろめりっく(袴田めら)
 学校を転々としている間に友達を作るのをやめて
しまった黒川さろめ。だが今度の学校では白倉ひかり
が友達になってくれた。一方で、クラスメイト達の
視線は相変わらず冷ややかなままである。
 まだ気持ちに壁があるのでしょうか、さろめは
ひかりのちょっとした態度にも神経質になっている
みたいです。これを乗り越えなければ本当の友達は
ずっとできないかも。さろめ本人もそれはわかって
いるのでしょうけれど、どうしたらいいのか迷って
いるようで。でも希望はあるのでしょうね。

・ほかほかたんぽぽ組(南国ばなな)
 みかがももを相手におままごとをしていると、
突然りんごが割り込んでくる。彼女の狙いはももと
一緒に遊ぶ事。だがみかも簡単には渡さない。2人は
ももの手を両方から引っ張り始めた。
 みかとりんごは、捉え方は違うみたいですが
どちらもももが気になって仕方ないようです。
子供らしく(?)本能に忠実に行動しているりんごの
方が大胆ではありますけれど、一緒に遊ぶためには
ももに認めてもらう必要があり。どんなに小さく
か弱くても、力関係で一番上なのは、彼女っぽいです。

・永遠に少女(雨隠ギド)
 みずきは自分が幽霊である事を自覚した。かつての
自分の家へ漂っていくと、そこには違う家族が住んで
いる。相手には姿が見えなかったが、しかし小さな
子供のみさおだけは、見たり触れたりができた。
 みさおだけがみずきを見たり触ったりできるのは、
みずきがみさおに縛り付けられてしまうかも、と
考えると物語的にちょっと都合がいいようにも思えて
しまいます。が、みさおとみずきは、お互いの気持ちの
深い所を理解し合えるはず、ですよね。そしてこの
物語の後、彼女達は本当に結ばれるのでは、と思えます。
 みさおを通じて現実の感覚や物体を手にする事が
できるみずき。最後の方の場面で、みさおがモデル
として着ていた服をおそろいで着る所は百合的に
なかなか良いですね。
 雨隠ギドさんは、Vol.1の一番最初にも作品を掲載
されていました。それから1年たってしまいました
けれど、また雰囲気のある作品を掲載されていますね。
次の掲載予定などはあったりするのでしょうか。

・私の嫌いなおともだち(雁須磨子)
 立花マナは、クラスで後ろの席になった椿茜が
気になった。茜は、名前ばかりではなく顔立ちも
美しい少女だ。だが席も近いため仲良くはなれた
ものの、きつい性格には閉口せざるを得ない。
 名前も顔もきれいでかわいい、けど性格がきつくて、
だからそんなに好んでいる訳じゃない、、、って言ってる
時点で気持ちを奪われてる気もしちゃいますね。
他の女の子達が茜について話している事を聞く
たびに、自分は彼女達とは違う、とマナは確信
するようになったのでは。

・あなたと彩る世界の色(カザマアヤミ)
 理歩の友達の奈子に、初めてのボーイフレンドが
できた。奈子のためを一番に考える理歩は、2人だけの
時間が作れるよう自分は一歩身を引く。だが1人に
なっても思い出すのは常に奈子の事だった。
 どちらも友達づきあいがほとんど初めてという
ぐらいからずっと一緒にいたため、何でも通じ合える
仲になっているのでしょう。普通なら、この関係は
大親友とも言えそうです。が、彼女達の場合は、実は
もっと別の思いを感じていたのではないでしょうか。
それに気づければ、愛しい関係を作れるのかもです。

・「ひらり、」レビューリストレビューセンター

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