つぼみ Vol.11
「prism」は、たどたどしく自分達の思いを
伝え合う所とか、青春、って感じで良いですね。
これが女の子同士の恋愛の物語だというのも感動を
呼ぶのではないでしょうか。「星川銀座四丁目」
では新しいキャラ達のストーリーも始まりそう
ですし、「ひみつのレシピ」では親密さを深める
イベントが始まる予感です。
発行芳文社による百合アンソロジー「つぼみ」の
Vol.11を見てみました。
表紙は左さんが担当されています。お姫様の
ような衣装を着せてもらう女の子と、着せている
メイドのお姉さん、という構図ですね。女の子は
鏡の中の自分の姿を見たのでしょうか、または
お姉さんと目が合ってしまったのでしょうか、
顔を真っ赤にして声も出ない様子です。口が
半分開いたようになっているのも、我を忘れた
彼女の心境を物語っているようです。ティアラの
てっぺんにあしらわれた花のつぼみが、本誌の
「つぼみ」を連想させます。
そのティアラを女の子の頭に載せているお姉さん
は、大人びた表情でにっこりと微笑んでいます。
メイドなのに髪を上げたりしていないのは、実は
しどけない格好で女の子を誘惑している、とか?
もしそうなら、お姉さんの策略は見事に成功したの
かもですね。
「はじまるよ」のカラー口絵は、箸井地図さんが
担当されています。白い薄手のドレスを着た2人の
女性が、唇を寄せ合っていますね。大人な雰囲気が
漂っています。裏の白黒のイラストでは、隣同士
くっついてすっきりした笑顔を見せています。
けれど、こうさっぱりした顔をしているのを見ると、
表の絵とこの絵の間何があったの、と勘ぐりたく
なりますね。まあたぶん、2人だけの甘いひとときを
過ごしたのでしょう。
では収録作品を部分的にご紹介、、、。
(・作品名(作者名(敬称略)))
・星川銀座四丁目(玄鉄絢)
猪谷かなえは大学での友達づきあいもそこそこに、
塾でのバイトにいそしむ。教師になるための勉強を
兼ねたものだ。ある日その塾へ、乙女を連れた湊が
やって来た。
大学生の猪谷かなえと、中学生の川口櫻が新しく
登場してますね。かなえの方は、今の自分に何か不満
を抱いているようです。櫻の方はあまりその事情を
知らずに、積極的にかなえにアタックしていますが、
2人はどう向き合うのでしょう。乙女が、櫻ではなく
かなえに相談しに行った所が何か展開しそうです。
この作品では、湊の大学時代の同級生の観月が
既に登場しています。けれど彼女の場合はあまり
物語的には(まだ?)発展していないような気も
しますね。ここしばらくはかなえと櫻が見せ場を
作ってくれるでしょうか。一方の湊と乙女は、
お互いに愛情があるのは確かなのでしょうけれど、
立場の違いが2人の間の関係に影響を与えている
ようです。
・ひみつのレシピ 9ページめ(森永みるく)
以前は平気で部長のゆうこに抱きつけたのに、今は
なぜかそれができない。悩みまくるちひろの耳に、
夏休みの話題が聞こえてきた。休み中は、当然
ながら部活はなく、ゆうこにも会えない。
ゆうこは、天然とも言えるちひろの行動に、ある
意味振り回されているとも思えます。でもその結果、
自分がちひろに対して抱いている気持ちも少しずつ
表面化しているようで。2人ともまだ本格的に
意識し始めてはいないみたいですが、この夏の
イベントで、何か進展があるでしょうか。
・ネガ⇔ポジ 前編(天王寺キツネ)
校内の有名人、陶矢祥子(すまやしょうこ)は
生徒会に頼まれて卒業アルバム用の写真を撮って
いる。が、写しているのは学生の体ばかりで、
とてもアルバムには使えない代物だった。
甘露ちゃん(本名は露子?)はサブキャラ的な
位置づけなのかなと思っていたのですけれど、
彼女の行動が重要な意味を持ちそうですね。祥子
の方も、露子だけは普通に(というか美しく)
撮っていますから、彼女に対して何かの感情を
抱いているのではないでしょうか。
露子が登場する場面で、祥子の後ろ姿、特に
足腰の部分が大きく描かれていました。これは、
祥子自身も、彼女の被写体と同じように、青春
まっただ中の女の子なんだという事を示している
と感じられますね。百合的にも意味があるかも
しれません。
・prism #2(東山翔)
恵は悩んでいた。小さい頃に恋心を抱いた
光が実は女の子だった事、それでも恋愛感情が
消えない事。あれこれ考えている間に夜は明け、
登校する時間が来る。
自分の気持ちを伝えたいけど、どうしたら
いいのかわからない。手探りするように言葉を
つないでいく2人の姿は、何というか青春って
感じで感動的ですね。女の子同士の恋愛なんて、と
消極的になる所で出された答え、最後の場面の
光の表情が彼女の気持ちを物語っていますね。
これで2人はうまくいくのかな、という流れで
新しいキャラが登場してきています。彼女の
気持ちも2人に深く関わってきそうですね。
ところで「広瀬ありす」って名前、、、別作品の
劇場版のキャストに、似た名前の人がいたような。
・花と星 4話(鈴菌カリオ)
星野詩織が千果という女生徒に見せた表情が、
頭から離れない。翌日登校してきた花井沢子は、
隣の席の詩織につい強く当たってしまう。しかし
いたたまれなくなり、沢子は教室を飛び出した。
沢子も詩織も、相手の気持ちどころか自分の
感情にも気づいていないようですね。ちょっと
離れた位置にいる千果には理解できているみたい
ですけれど、2人を取り持とうとは思っていない
らしく。彼女も本当は、細かい事なんて放って
おいて、恋に走りたいのかもですね。
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