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2011年7月28日 (木)

くちびる ためいき さくらいろ 第1話「ともだちじゃなくても。」

 奈々が瞳の行動にうまく答えを出せなかったのは、
戸惑いがあったから、なのでしょう。でもたぶん、
それまでの相手の振る舞いを見て奈々にも何となく
予感はあったのでは。その結果があったからこそ、
今の2人の関係は変わってしまいます。そこから大きな
物語が始まっていくのですね。

 コミック「くちびる ためいき さくらいろ」(森永みるくさん作)
第1話「ともだちじゃなくても。」です。
(なお、この話数は雑誌への掲載順になっています。
それから、このエピソードについては、今は一迅社の
作品紹介のページからのリンクをたどると、1話分まるごと
試し読みができるようになっています。)
 小林奈々は時々夢を見る。自分が入学した高校、
桜女(おうじょ)の合格発表前日の記憶だ。一緒に受験
した藤森瞳と発表を見に行くつもりで電話したのに、
相手は行かないと答えた。奈々に内緒で受験していた
東峰(とうほう)に受かったからそちらへ入学する、
という。その経験があった後、高校へ入学してからの
2ヶ月間、2人は一度もメールや電話のやりとり
をしていなかった。

 桜女は、正式名称を「桜海女子中学高等学校」といって、
中学から高校、その上の大学までエスカレーター式に
進学できるそうです。そのため、高校から編入した
生徒(「外部組」とも言われています)である奈々には、
すぐに溶け込めない空気があるようです。

 それでも瞳と2人なら何も問題ない、はずでした。
小さい頃からずっと一緒だった「友達」がいれば、
不安なんて何も感じない、奈々はそう思っていたの
でしょう。
 ですが、瞳は東峰へ行ってしまいます。この感じ
だとたぶん、ろくに理由も話し合わずに彼女達は
別々の学校に進んだのでしょう。それきり連絡も
取らなくなり、、、。

 中学の友達と離れて高校へ行けば、そこで新しい
友達だってできる、というのは当たり前にも思えます。
生活する環境が変われば、会わなくなる人も出てくる。
けれど奈々が思い出すのは、いつでも瞳の事でした。
どんなささいな出来事にも、彼女はすぐに瞳と一緒に
いた時の記憶を重ねてしまいます。
 彼女は言葉には出していませんけれど、胸の中には
後悔の気持ちが渦巻いているのでしょうね。なぜ
こんな状態になってしまったのか、どうすれば
良かったのか、と。

 回想場面で語られている中で、瞳の行動に対する奈々の
反応は、考えられるものでしょうし、無理もないのでは、
とも思えます。ずっと女の子同士で友達だと思ってきた
子にあんな風にされたら。
 でも、瞳も言っていたように、奈々だって全く気づいて
いないわけではなかったのではないでしょうか。クラス
メイト達の前で冗談めいて奈々の事を「バラのつぼみ」と
表現したり、簡単に「愛してる」なんて言えるのは、
本当はその気がないから、じゃない、、、。ずっとそばにいる
奈々なら、瞳がどんな思いでいるのか、うすうすは
わかっていたのでは。

 今なら、奈々は、その時の瞳や自分自身の気持ちに、
正直に向き合えるでしょうか? 、、、もしかしたら
そうかもしれません。でもたとえそうであったとしても、
学校も違う上に連絡さえ取らなくなってしまっていては、
どうする事もできなさそうです。けれど、、、という所が
この物語のポイントなのでしょうね。ここからは、
奈々と瞳がお互いの気持ちをきちんと伝え合えるかどうか
が重要になってくるのでしょう。

 エピソードとしてはしっとりとした雰囲気があって、
女の子同士の恋愛についての、奈々の視点からの見方が
描かれていきます。桜女の女の子達のピュアな様子も
奈々の気持ちを高めているかもです。

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