猫神やおよろず 第２話

　元をたどれば、繭が妙な事をしなければ騒ぎは
大きくならなかった、とも考えられます。ですが
起きてしまった事はどうしようもないのでしょう。
神様達の力を合わせて一刻も早く問題を解決するのが
重要になってきます。たくさんの神様達が集まって
くる流れへとアレンジされていて、笹鳴とメイ子も
登場します。が、百合的にはもう少し何かがほしい？

　テレビアニメ「猫神やおよろず」、第２話
「桜フロントオーバーチュア」です。
　繭宛てに八百万堂へ届いたのは、軒を超えるほどの
高さを持つ大きな壺だった。送り状を見ても文字が
にじんでいて、誰が送ってよこしたのかわからない。
かといって放置しておけば道にはみ出し、ご近所の
通行の邪魔になる。くれた物ならばどう扱っても良い
だろうと安値で売り払う事も試してみたが、買い手
などいっこうにつかない。このままでは柚子の怒りを
買って、食事のグレードを下げられかねないと考えた
繭は、夜中に家を抜け出し、壺を運び始めた。

　前回第１話の最後の場面では、繭の所に荷物が
届けられる所が描かれていました。それがこの
第２話の騒動の発端になっていますね。次の
エピソードへと興味を引っ張っていく演出なの
かもです。とはいってもこの話数の冒頭でも同じ
出来事が語られていますので、第２話から見ても
事情がわかるようになっているようです。

　最初の場面では、前回大きな役割を果たした
しゃもが顔を見せています。原作のこのエピソード
では登場していないのですけれど、アニメ版では
何か意味深な言葉を残していますね。
　アニメ作品としては、神様達ができるだけ
どのエピソードにも登場するようにしているの
かもです。それぞれに個性的なキャラですから、
作中で動き回っているととてもにぎやかな感じに
なって華やかになりそうですね。
　それと、しゃもの場合は、柚子と交流する
チャンスがもっと増えるのでは、と期待したい
です。子供扱いされるのはちょっと面白くない
けれど、それでも柚子の優しさに触れていると、
寂しさなんて忘れて温かい気持ちになれる、
みたいなしゃもの心境が描かれたりすると素敵
でしょうね。

　他にも、笹鳴、メイ子、ゴン太がストーリーに
関わってきています。第２話で初登場の桜神の
芳乃も含めて、この辺りの人間と神様が、レギュラー
で登場するのかもですね。

　そうなってくると、笹鳴やメイ子から繭への
愛情表現が高まるのでは、という点も百合的に
期待したくなってしまいます。、、、ですが、
ここまで２話分の中では、繭を巡って２人が
恋のさや当て（本当に得物を突き合わせています）
をしている部分が目立っていますね。
　２人は、繭には自分だけを見ていてほしいと
願っているようで、そのため顔を合わせると
どうしてもいがみ合ってしまうようです。でも
それだけだと、繭を含めた３人の百合な心情が
薄くなってしまう気もします。もう少し他の
展開もあると良いかも、とも思えますね。
　例えば、２人がにらみをきかせ合うだけでは
なく、２人そろって繭に愛情表現をするとかだと、
見た目的にラブな雰囲気が倍増しそう。または、
笹鳴とメイ子どちらかだけが登場して、繭と
しっとりとしたやりとりを繰り広げるとか。
そういうものも見てみたい所です。

　間違えて送ってしまった壺を取りに来た芳乃は、
繭が捨ててしまったと聞いて愕然とします。
その場にぺたりと座り込んで、正に「しくしく」と
泣き始めます。
　この場面ではややデフォルメ調にキャラが描かれて
いますが、芳乃の気の落としようはかなりのもの
だったのではないでしょうか。いつもは図太く
生きている繭も、さすがに彼女の周りでおろおろ
するしかないようです。
　が、このままではどうしようもありません。
繭は気を取り直して問題を解決しようと乗り出し
ます。
　芳乃の手違いが発端ではありましたけれど、繭
だってあまりほめられた事はしていないでしょう。
でもここでは萎縮してばかりはいられません。
繭は行動力を発揮し、芳乃を少しでも安心させよう
としています。こういうきっぱりした態度が、
主人公らしさでもあり、笹鳴やメイ子を惹きつけて
いるのかもですね。