まりあ†ほりっく あらいぶ 第１２話

　かなこが周りの女の子達をどう思っているか
は、日頃から描かれていますね。それなら
その子達はかなこをどう思っているのでしょう
、、、。かなこにとっては、実はちょっとどきどきな
日々なのかもですね。

　テレビアニメ「まりあ†ほりっく あらいぶ」、
第１２話「かなこさんの誕生日」です。
　大浴場で興奮のあまり不祥事を起こして以来、
かなこはその場所を使う事を禁止されている。
夏休みを後１週間ほど残した今も、彼女は隣の
学習室にいて、漂ってくる笑い声には耳をふさいで
せっせと宿題を片付けていた。だがそんな事は
一つも苦にはならない。夏休みの最後には、彼女に
とって嬉しい日が控えているのだ。８月３１日、
それはかなこの誕生日だった。

　かなこが大浴場への出入りを禁止されたのは、
湯船を真っ赤に染めてしまったから、なわけです
けれど、この時寮長先生はとても怒ったらしい
です。怒った理由って、やっぱり湯船を汚したから、
なのでしょうか。でも鼻血ですから、（普通に
考えれば）湯あたりしたからそうなった、と判断
する事もできそうですよね。それでもその後一切
入る事を許さない、というのは罰としてもちょっと
厳しすぎる感じもあります。
　となると、もしかしたら寮長先生は、かなこの
並々ならない(?)下心に気づいていた、とも考え
られるでしょうか。かなこが他の女の子達と一緒に
お風呂に入る事が危険、と判断したから、禁止
した、とか。

　もしそうなら、かなこには大変なピンチの
ような気もしますね。女の子を見て激しく興奮
する女の子がいる、という状況が寮内の風紀を
乱す原因になる、と寮長先生が考えたら、彼女は
寮を追い出されてしまうでしょう。というか
学院にもいられなくなってしまうのでは。
　今までは、鞠也と茉莉花だけが秘密を知っていて、
２人がそれを外に漏らさなかったから何とか
やれていた、とも思われますし。かなこが周りの
人達にどう思われているか、は、彼女がこれからも
ここで暮らしていくために重要な事と思われます。

　それで、本当の所はどうかというと、、、かなこ
には嬉しい、というかありがたい雰囲気になって
いるようです。ほとんどの人達はかなこの妄想癖が
どんなものか知らない事もあるからなのでしょうか、
お友達として誕生日をお祝いしてあげたい、と
普通に思っているみたいです。
　かなこが自分達をどう思っているかを知ったら
彼女達の反応が変わってしまったりしないか心配
ではありますけれど、今はそこまでは考えなくても
良いのかもです。誕生日を前にあれこれ工作する
かなこの姿も、彼女達にはかわいらしく思えているの
でしょう。

　この話数でも、細かいネタがあちこちに入って
いますね。「誕生日」を印象づけたいかなこが
食堂に「上タンＢ」定食を無理矢理こじつけようと
するのも面白いのですが、その後ろでサチが
ポケットから上タンらしいものを取り出して教え
ようとしている（けどできない）構図も笑えました。

　最初の場面でかなこが解いていた宿題「夏休みの友
国語」は、表紙の絵の構成が何だか、野球部の
マネージャーの女子高生が甲子園を目指すあの作品に
似ていますね。持っているのが虫取り編みと虫かご、
という点は違っていますけれど、麦わら帽子は
モチーフとして共通してます。

　それから、「月刊百合の友」が企画したらしい
イベントも気になります。「女性百合作家 薔薇小路
さね美先生」のイベントみたいなのですが、あの
国際展示場に似た名前の会場で、８時間連続で
行われるもののようです。１人の作家のイベントで
これだけ長いスケジュールを立てているという事は、
薔薇小路さね美という人は、「人気急上昇」なだけ
ではなく、実力も持った人なのかもしれません。

　後は、後半の場面で黒板に、「妄想戦士宮前かなこ」
に関係するらしい何かが次週からスタートする、
みたいな事が書かれています。これは本当に何か
あったりするのでしょうか、それとも単なるジョーク
とかでしょうか？

　この作品では、百合な恋愛を求めて天の妃学院
に転入してきたかなこの物語が描かれています。
が、今のかなこは、妄想をする方向に走っていますね。
時には、自分以外の女の子達のいちゃいちゃを
想像してます。こうなると、もともとの彼女の目的も
意味をなさなくなってしまいそうで、、、。この感じ
では、彼女が（例えば静珠との）百合な恋愛を成就
させるのは難しそうでもあります。原作コミックは
続いているようですし、そちらでは何か答えが
出る可能性はあるでしょうか。