コミック百合姫2011年7月号
巻頭カラー企画は2つ、最初のものはやはり今
放送中の「ゆるゆり」について、ですね。コミックス
第7巻の発売は少し延びてしまいましたが、全サの
内容も発表されていて楽しみはありそうです。もう
一つの企画は、「恋愛遺伝子XX」のドラマCDについて。
キャストの方達も、アオイやサクラ達の状況から
いろいろ想像していらっしゃるようです。
発行一迅社、コミック百合姫の2011年7月号を
見てみました。
表紙は、「GIRLS UPRISING」より、磯上樹生
(いそがみたつき)と孔舎衙幸美(くさかゆきみ)です。
幸美が服を着ていないのは弱さの象徴とも思えます。
樹生はそんな彼女を抱えて、銃で戦おうとしている
ようです。けれど、2人の姿は何だかお互いに
身を寄せ合って、自分達の間に1ミリの隙もできない
ように懸命にくっつこうとしている感じにも
見えますね。本誌の中の小説の部分にも書かれて
いるように、2人にとって相手はとても大切な
存在になっているのでしょう。
目次下のイラストは、、、「ゆるゆり」、しかも
アニメ版のピンナップですね。アニメ版ではごらく部は
廃部になった茶道部の茶室を勝手に使っている、という
設定になっています。その部室でのあかり達4人の
日常風景が描かれています。
続いてアニメ版「ゆるゆり」の記事がたくさん
書かれています。キャラ紹介や作品についてのQ&A、
キャストの方達の写真とインタビューなど。それから
全サも企画されていますね。本紙とコミックス、
それに「まんがなもり ゆるゆりSPECIAL」とも連動
したもになっています。グッズは3種類あって、
今は1個だけ紹介されています。なもりさんによる
描き下ろしの番外編小冊子だとか。
応募の受付は7/16から始まるそうです。本誌次号
と、コミックスの発売日ですね。
そういえば、本誌編集長のりっちぃさんこと
中村成太郎さんのTwitterアカウントからのメッセージ
によると、コミックスの第7巻は発売延期になる
そうです。新しい発売日は7/28で、「Girls Love
-strawberry milk shake-」と同日ですね。この
スケジュールは、今は発売カレンダーの方にも反映
されています。それと、アニメ版の放送中に流れる
百合姫のCMでも「7月下旬」と書かれていますね。
いろいろ事情はあるのでしょうけれど、7月中の
発売に向けて制作が続いているのでしょう。
次の企画は、「恋愛遺伝子XX」についてのものです。
この作品は6月にコミックス第1巻が発売されて、
通常版の他に2種類の限定版が発売されました。
その内の一つは、ドラマCD付きとなっています
(脚本は駒尾真子さんが担当されています)。その
メインキャストの方達へのインタビューが掲載されて
います。登場しているのは、アオイ役の竹達彩奈さん、
サクラ役の日笠陽子さん、マツリ役が寿美菜子さん、
ミズキ役が佐藤聡美さんです。
本作は女性だけの世界という独特の舞台になって
いますから、キャストの方達もいろいろ想像が膨らんで
いらっしゃるようです。自分が男になったら、といった
トークでも盛り上がっていますね。
私もドラマCDを少し聞いてみましたけれど、皆さん
それぞれに男性っぽい声を出されていますね(本作では
女性は男役のADAMと女役のEVEに分けられていて、
アオイ達はADAMの側に属しています)。また、この
4人以外のキャストも、後藤邑子さんや新谷良子さん、
水橋かおりさん、原田ひとみさんなど、たくさんの
方達が関わっていらっしゃいます(というか彩奈さん達
は(「ばんぎゃ!!」のモデルにもなった?)あの作品、
邑子さん達は別の作品のキャストととても重なって
いる感じがしますね。
それと、巻頭のカラーページの最後には新しい
コミックスの告知が入っています。それは、、、
藤枝雅さん作「飴色紅茶館歓談」の第2巻! 添えて
ある文章によれば夏から秋の発行になりそうです。
限定版も用意されているらしいですが、これって
ドラマCDとかだったりするでしょうか。水樹奈々さんの
さらさとゆかなさんの芹穂をまた聞いてみたいですね。
楽しみです。
では掲載作品を部分的にご紹介、、、。
(・作品名(作者名(敬称略)))
・GIRLS UPRISING act:4(絵:カズアキ、文:深見真)
街を飛び出して旅をしていた樹生は、食料がなくなり
行き倒れていた。生きていても楽しくない、と思って
いた彼女の前に、車椅子に乗った幸美が現れる。
樹生と幸美が一緒に暮らすようになった事を、最初
樹生は「夫婦のパロディ」と言っていました。親に虐げ
られてきた彼女が、自分達の関係を言い表すのに「夫婦」を
選んだのは、そこに何か期待のようなものがあったから、
だったりするでしょうか。男女ではない恋愛関係に、
彼女は明るい未来を見ているのかも。そしてその気持ちは、
幸美も同じなのかもですね。
本作は、これまで1話完結のスタイルでしたけれど、
今度のは何か続いていく雰囲気がありますね。それに、
シャネルや織雅、千里、そしてたぶん紗香、と、これまでの
キャラの存在が絡み合っていきそうな感じです。この先は
この物語の新しい展開へ入っていくのでは、とも思えます。
・ゆるゆり(なもり)
52.暗闇でドッキリ!
姉にもらったパウンドケーキを持って、ちなつは
部室へ急ぐ。しかし今日用意したお茶は緑茶のため、
ケーキは明日にしようかとも考えていた。
言い出すのが遅れれば遅れるほど、ちなつは追い詰め
られていくみたいです。彼女の頭の中ではいろいろな
考えがぐるぐる回っていますが、彼女が一番気にするの
は、基本的に結衣の反応なのでしょうね。一緒にいる
時間が長くなってきている4人の間ではかなり気心が
知しれてきているとは思いますが、ちなつが結衣を思う
恋心はまだまだ初々しいのでしょうね。
この号では、3月号に続いて再び珍しく(?)掲載本数が
落ち着いています(ちなみにこの第52話は6月発売の
第6巻に収録されています)。とはいってもここでは
「なもり先生大特集」として、こんなストーリーが掲載
されています。「りせっと!」はまだここではレビュー
を書いていないので書いてみます。
-りせっと! STAGE:1 同人ゲームでひと山当てる方法
(キャラ☆メルFebri Vol.1収録)
-ゆりゆり CASE☆1 あゆみと美咲の場合
(コミック百合姫 Vol.18収録)
-ゆるゆり 16.家に帰るまでが海水浴!!
(コミック百合姫S Vol.9収録)
・りせっと!(なもり)
STAGE:1 同人ゲームでひと山当てる方法
高岡ひろのクラスメイト、石動葵(いするぎアオイ)が、
休み時間の教室で突然声を張り上げた。同人ゲームを作る、
だから誰か手伝って、と。
葵がひろを仲間にしようとしたのは、絵が描けると
勘違いしたから、なのですよね。でも本当の事は
いずれわかるでしょうし、少なくとも今のひろは
ゲーム作りには乗り気ではないみたいです。それでも
2人をつないでいくものがあるとすれば、それは
どういう気持ちなのか、また彼女達はその気持ちを
育てていこうとするのか、期待したいですね。
この作品は同じ一迅社の「キャラ☆メルFebri」に
連載されています(今発売中のVol.06には掲載されて
いないようです)。同人ゲーム作りという、場合に
よってはよく見かける設定ですし、百合姫連載ではない
という状況もありますけれど、百合テイストが多く
なっていると良いかもです。
それと、ひろ達がいるのが七森中なのですよね。
2人は1年生のようで、作中でもあかりやちなつの
姿が見えていますし、京子や結衣はせりふもあって
ひろと会話しています。こういう作品のつながり方も
楽しいですね。
・茶の間の花(タカハシマコ)
実子(じつこ)は、母親の花枝(はなえ)、叔母の
蕾(つぼみ)の前で、女の子に片思い中だと口にした。
花枝はさらりと受け流すが、蕾は黙っていなかった。
蕾が女の子同士の恋愛を止めさせようとするのは、
後になってつらい思いをするからだと考えているみたい
です。けれど、その考えは自分の経験からきているっぽい
ですね。蕾は自分の生き方に後悔しているのでしょうか、
それとも希望を持っているのでしょうか。ところで
蕾について花枝が言っていた「今回のこと」が何なのか
よくわかりませんでした、、、。
タカハシマコさんは、以前「タイガーリリー」という
作品を描かれていました(単行本では「乙女ケーキ」に
収録されています)。トラさんと百合さんという、2人の
おばあさんの恋愛模様を描いたものなのですけれど、
周りの人達は普通の姿をしているのに対して、2人は
若い女学生の姿で描かれています。その辺りの雰囲気
がファンタジックなわけですが、この「茶の間の花」では
そういう手法は使われていないみたいです。3世代百合、
とも言える状況を語るのはまた別のやり方で、なの
かもです。
・百合男子 第3話 妄想は盲目也(倉田嘘)
たまたま手に入れたチケットで、市護女学院の学園祭
に来た啓介。本当は茜と沙織を誘ったのだが、都合で
茜は不参加、代わりに涼が来たのだった。
啓介は涼の思いにはまだ気づいてないみたいで、ここ
では彼女を煩わせたと思っているようです。でも実際
にはどうなのか、、、沙織と2人きりになった時、何か
あったのでは、とも思うのですけど、そこは描かれて
いません。後は市護での茜の位置づけも気になりますね。
にしても啓介、第2話でもそうでしたけれど、百合や
百合でないものを意外と見分けられていないような?
この話数でも、登場人物の名前に思い当たるものが
、、、。学園祭の模擬店でウェイトレスをしていた2人は、
梅枝(うめがえ)かなと天の妃(あまのきさき)ひろみ、
というのでしょうか、これはあの作品とあの作品から
のものですよね。ひろみが相手を「かなちゃん」と呼んで
いるのもかなり意識しているように思えます。
・ふ~ふ 8や目(源久也)
朝寝する喜菜々と寿美の部屋へ、嘉菜々が飛び込んで
きた。「弟子にしてくれ」というのだが、その前に勝手に
合い鍵を作っていた事を喜菜々は許さなかった。
嘉菜々的には、今までの自分にないタイプの恋愛で
とても悩んではいるみたいですけれど、周りからすれば
やはりのろけているようにしか見えないのかも。「お隣
ごふ~ふ」のはやせと小麦も巻き込まれていました。
でもこうやってたくさんの百合カップルがいて、皆で
悩み相談できるのはなかなか素敵な事なのではないで
しょうか。喜菜々達ももっと目立たなきゃかも?
初対面の小麦とはやせに、嘉菜々が「ちいちゃいのちゃん」、
「おおきいのちゃん」と言っていたのが面白いですね。
こんな風に素早く相手の特徴をつかんで愛らしい呼び方が
できちゃうのも、嘉菜々が女の子同士の恋愛に「バリバリ
伝説」を生む要素になっているのでは。
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