まりあ†ほりっく あらいぶ 第１０話

　寮長先生と、夢に出る謎の女の子、２人が
いつ出会ったのか、どういういきさつで仲良しに
なったのかは語られていません。けれど２人は、
この広い世界の中でもう一度巡り会えた事を、
とても喜んでいるのではないでしょうか。
彼女達はもう、誰にも邪魔されずいつも一緒に
いる事ができそうですね。

　テレビアニメ「まりあ†ほりっく あらいぶ」、
第１０話です。この話数は４本立てになっていて、
それぞれのタイトルは、「第１節 聖職者の生贄」、
「第２節 淫夢の宴」、「第３節 禁じられた関係」、
「第４節 夏のうなじ」です。
　突然茉莉花が、かなこに渡したいものがあると
言った。彼女が差し出したのは、年代を感じさせる、
落ち着いたデザインのロザリオ。かなこは茉莉花
からのプレゼントと大喜びするが、実はこのロザリオ
は茉莉花の父親のもので、しかも妙な曰く付き
だった。何でもロザリオを手にするようになってから
なぜか肩が重くなったのだという。呪いのロザリオ、
とばかりに震え上がるかなこだったが時は既に遅く、
かなこの肩が重くなり始めていた。

　夏が近いという事もあるのでしょう、怪談話っぽい
エピソードや、花火大会などが描かれています。
ロザリオの出来事では、かなこは苦しいような楽しい
ような、微妙な経験をしていますね。
　奈々美や弓弦、サチは、呪いなんて現実的ではない
と言いながらも、かなこからロザリオをもらおうとは
決してしないという、、、。まあたとえ信じていなくても
危ういものには近づかない、という事なのでしょう。

　そのため、彼女達は、ロザリオを手にした者が
何を見るのかは知らないのですね。このエピソードで
それを知った、というか身をもって体験しているのは、
かなこと寮長先生と藤一郎です。寮長先生は（どれぐらい
前からなのかは別として）以前からロザリオについては
理解しているみたいなので、問題はかなこと藤一郎の
感じ方、になりそうです。

　結果的には、、、２人とも似たような感想を持った
らしいですね。これは趣味が似ているという事？
または、この２人は呪いの恐怖よりも「愛くるしさ」を
選ぶ人柄だ、という事なのかもです。
　ところで、ロザリオを返してもらおうとするかなこの
姿を見て、藤一郎は「三角関係」を疑い始めます。
これってつまり、かなこが女の子を愛していると
考えた、って事ですよね。今まで自分の興味の対象を
あまり周りの人に伝えてこなかったかなことしては、
男である藤一郎に知られるのはあまり好ましくない
と思ったりはしないでしょうか。

　この出来事は、場合によっては後で大きな影響を
及ぼしそうにも思えます、、、。が、たぶんこの作品的
には、そこまでの展開にはならなそうでもありますね。

　その他では、この頃の恒例のように、かなこが
百合妄想を繰り広げていますね。呪いのアイテム
というキーワードだけで、客室乗務員、看護師、
それに「女性百合漫画家」まで、想像を膨らませて
います。
　また後半では、浴衣を着て花火大会を見に行く時に、
鞠也のうなじを見てまた想像を始めています。でも
最終的には、男の子のうなじしか見られなかった？
　見晴らしのいい場所まで歩いて行く間、彼女達は
お風呂でどこから洗うのか、といったささやかな
話題を楽しんでいます。こういうちょっとした事でも
談笑できるような、安らかで暖かい関係性というのは
良さそうですよね。かなこも、ぎらぎらした(?)
百合妄想ばかりではなく、女の子達との現実的な
ふれあいを楽しめるようになると良いのでは、
という気がします。

　そして、この話数では、寮長先生と女の子との
関係も気になってきます。この２人はけっこう
強い絆で結ばれているのでは、とも思えます。

（と、それについて書く前にもう一つ、「第３節」
のサブタイトルの時に使われていたイラストも気に
なりました。あれってたぶん、別の星からやって来た
王女様が、秋葉原でアニメショップの店員をする
あの作品の登場人物、ですよね。声つながりなの

でしょう。描かれている場面は、主人公を真似て
自分も「目からビーム」を出そうとして失敗している
所なのでは。）

　寮長先生の話している感じでは、彼女と女の子は、
とても昔からの知り合いだったみたいです。一時は
一緒に過ごしていたのが、長いときの流れの中で、
離ればなれになってしまっていたようです。
　そんなに昔の事でも、見たとたんに昨日のように
思い出せるのは、寮長先生がずっと憶えていたから、
なのでしょうね。もし興味がない事だったら、
ロザリオをあんな風に大事にはしないでしょうし、
それ以前に忘れてしまっていたかも。

　では何が大切だったのかと言えば、ロザリオと
一緒にいる女の子、ですよね。呪いのアイテムだとか、
肩が重くなるとか言われて皆から怖がられていても、
寮長先生は何のためらいもなくロザリオを受け取って
いました。彼女にとっては、相手は何があっても
かけがえのない「お友達」なのでしょう。

　寮長先生と女の子が知り合った時期が少し気に
なりますね。ロザリオが呪いのアイテムと見なされる
ようになる前だったのか後だったのか、、、。まあ
どちらだとしても２人の間にある気持ちは変わらないの
でしょう。
　「呪い」という、ちょっと恐ろしい表現に包まれては
いますが、２人の関係性には暖かいものがあるのでは
ないでしょうか。他の誰がどう思おうとも、彼女達は
気にせず仲良くするのでしょうね。