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2011年6月 4日 (土)

スイートプリキュア♪ 第16話

 これまでにも絆を深めてハーモニーパワーを高め、
その証として、ベルティエを手にするまでになった
響と奏。ですが、まだちょっとした事で、仲違いを
始めてしまうようです。今も成長している彼女達ですから、
こういうピンチはまだよくあるのでしょう。これを
乗り越えれば、もっと近い関係になれるのでしょうね。
そして新しい技が、、、。2人の仕草も麗しいです。

 テレビアニメ「スイートプリキュア♪」、第16話
ピンポ~ン! 交換ステイでベストフレンドニャ♪
です。
 響が登校した時、校門の向こう側に怒りをあらわに
した奏が立っているのが見えた。どうしたのかと
尋ねると、奏は、響が勉強を教えてくれと言うから
待っていたのに来るのが遅いと言う。そんな約束を
した覚えのない響は誰かと間違えたのではないかと
聞くが、今度は、親友である響の事を間違えるはずが
ない、と立ち去ってしまう。響は心当たりがなく
当惑するばかり。実はこれはセイレーンの差し金
だったのだ。

 もともと幼なじみで小さい頃からの仲良し、中学に
入ってからは誤解があったりけんかしたりもしました
が、今は前と同じぐらいに親密に。響と奏はそんな
間柄なのではないでしょうか。そのつながりの強さは、
プリキュアとして認められるほど、なのですよね。
 なのに、冒頭の場面ではいきなりけんかを始めて
しまいました。また第1話の頃の関係に逆戻りした
ようにさえ見えます。2人の絆って、それぐらい
もろいものだったのでしょうか?

 たぶんそうではないのでしょう。彼女達は、お互いを
とても信じているから、こんな事態になってしまった、
と考えられそうです。
 響も奏も、相手が嘘なんてつかない女の子だという
事をよく知っているはず。さらに相手は、人生の中で
一番長く一緒にいるとも言える相手ですから、不誠実な
振る舞いをするわけがないと信じていたのでしょう。
 それが突然あんな風に言われたら、どうしたら
いいかわからなくなってしまうのでしょうね。
偽物の奏から心ない態度をとられた響は、ちょっと
怒ったような表情をしています。あの時の彼女は
たぶん、怒っているのと同時に、戸惑っていたの
かも、という気がします。奏の口からあんな言葉が
出てくるなんて信じられない、そんな気持ちが先に
立っていたのでしょうね。

 響と奏のハーモニーパワーを弱めるために
セイレーンが考えた作戦、これは、やり方は
単純ですがとても効果的だったようです。
お互いが相手を信じていればいるほど、その
信頼を見失った時の衝撃は大きい、という事なの
でしょう。
 例えば最初の場面で、奏からひどい言葉で
責められた響が、「奏はそんな事言うはずがない!
あなた何者?!」と、相手の正体を見抜こうと
するほどであれば事態は変わっていたかも
しれません。ですが、響は奏という女の子を
信じ切っていますし、目の前にいるのが奏に
そっくりの別人だなんて思いもしなかったの
でしょう。だから、戸惑ったり傷ついたりする
結果になったのでは。

 そんな事があって響と奏の間が何かぎくしゃく
し始めたその時に、「ベストフレンド大賞」の
アナウンスがあります。選ばれたのは響と奏。
つまり周りの人達から見れば、彼女達は他の
どんな人達よりも仲の良い関係だ、と思われて
いたのですね。
 アリア中学に入ってから2人を知った人達なら、
1年以上の間、2人が仲違いをしていた姿だけを
見ていたはず、と思われます。彼女達に近い
友達からも、「2人が仲良くしてる所なんて
想像できない」とまで言われるほどですし。
 ところが、中学2年になり、何ヶ月かたった今
(制服が衣替えをしているので6月には入って
いるのでしょう)、響と奏は「ベストフレンド」
だと認められています。2人の振る舞いが、
親友と言うのにふさわしいものになっていたから、
なのでしょうね。
 ていうかそれって、学校にいる彼女達はそう
思われても仕方ない(?)ほど親密にしていた、
って事なのかな? 響と奏が、他の誰かじゃなく
(例えば和音や聖歌とかじゃなく)お互いといる
場面が一番多く、その時の2人の表情がとても
楽しそうだったから、それを全校生徒のほとんど
が知っていたから、2人は選ばれたのかも。
つまりは「ばればれ」だった、と。

 響と奏には、気恥ずかしくなってしまうような
受賞だったのでしょう。けれどここではけんかを
始めた瞬間。何も知らない先生は、「ったい?」
なんてボケをかまして(?)いましたが、響と奏の
間にはここからがドラマになるのでしょう。

 2人の仲を戻したいハミィの渾身のアイディア
は、「交換ステイ」でした。って、そういう制度は
メイジャーランドではメジャーだったりするの
でしょうか? ハミィもセイレーンとそういう事を
した時もあったのかな。

 ともかく、響は奏の家へ、奏は響の家へ。そこで、
お互いの家の家族のように過ごす事になあります。
 2人は、相手の家へお泊まりした事ぐらいはあるの
でしょう。でも交換、というのは初めてだったかも
しれません。
 相手が目の前にいない状況で、相手の部屋を見たり
家族と話し合う中で、2人は、普段は見られない
相手の一面を改めて感じていきます。幼なじみで
いつも一緒にいた彼女達なら、相手をすべて
知り尽くしていると思ったのですけれど、まだ
新しく気づく点は多い、という事でしょうか。

 いくらプリキュアとしての使命を帯びたとはいえ、
彼女達はやはり中学2年生、なのですよね。最初
にも書いたように今も成長している途中ですから、
今の視点では見えない景色もあるでしょうし、
それがもとで2人の仲が危うくなる場合もあるの
でしょう。プリキュアに変身できて、一緒に戦える
ようになったからといってそれでこの後もずっと
安泰、というわけにはいかないのかもです。でも
ピンチが訪れるたびに、彼女達は必ず打ち勝って、
お互いの絆をより深めていけるのではないでしょうか。
響と奏はそういう女の子達なのでは、とも思えます。

 このエピソードについていえば、2人とも(ハミィ
の策略(?)があったとはいえ)交換ステイを受け入れた
ぐらいですから、相手を心底嫌っているわけではない
ですよね。本人達も、今の関係をどうにかしようと
思っていたはず。彼女達のその気持ちが、2人で
寄り添える未来を、より確かにしていくのでしょう。

 そしてそれを示しているかのように、彼女達に
新たな力が宿ります。以前別の記事で彼女達の戦い方
について書いた時に気になっていたのですが、ここで
「クロスロッド」が登場します。
 キュアメロディのミラクルベルティエと、
キュアリズムのファンタスティックベルティエを
それぞれセパレーションし、交換する事で
作り出されるクロスロッドは、2人それぞれの
長所を集めて生まれる、新しい絆の象徴とも
感じられます。しかも、ミュージックロッドの
ように単独で放てる技ではなく、「クロスロッド
スーパーカルテット」は、「パッショナート
ハーモニー」のように、2人が息を合わせて
出せる技になっています。

 この技の発動シーケンスがまた、、、。彼女達の
親密さがたくさん示されていますね。同じポーズで
背中を預け合ったり頬を寄せたり、そして一番
印象的に描かれていたのは、2人が固く手を握りあう
所でしょう。背中合わせに立った2人がそっと
手のひらを合わせていって、最後にきゅっと指を
絡めるのが素敵です。
 この作品では、第1シリーズ「ふたりはプリキュア」
http://www.toei-anim.co.jp/tv/f_precure/
から、手を握りあうというモチーフが重要な意味を
持ってきました。この「スイートプリキュア♪」でも、
響と奏という2人の女の子のつながりの強さを示す
象徴として、このイメージが多く描かれていくと
良いですね。

 この話数では、見つかった音符が3連だった
ためか、ネガトーンはかなり強力でした。メロディ
とリズムのミュージックロッドが通用しないという
ピンチの中で、一時は、キュアミューズに頼るしか
ないのでは、と気弱になる場面もありました。
 でも、彼女達は自分達2人だけで立ち上がろうと
努力するのですよね。自分達の問題を2人で解決
しようとする姿勢には、彼女達が寄り添って未来を
切り開こうとする意志の強さや、誰にも割って
入れない距離の近さが感じられる気がします。

・「ふたりはプリキュア」レビューリストレビューセンター

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