« Aチャンネル レビューリスト | トップページ | アニメ「もしドラ」 前半 »

2011年4月29日 (金)

Aチャンネル 第3話

 教室でのいい子ぶりをユー子達に目撃されたり、
同級生からは一方的に憧れられたり、保健室の
先生にるんを狙われたり、トオルにとっては
思い通りにならない場面が続きます。誰かに
助けてほしくても、自分の訴えを取り合って
もらえるかどうかが、トオルには不安なのかも
です。彼女の気持ちは救われるのでしょうか。

 テレビアニメ「Aチャンネル」、第3話
同級生」です。
 トオルが待っている玄関先へ出てくるるん。
いつもの朝の光景で、いつものようにるんは
眠たそうだ。下着をきちんと着けているか
どうか、トオルが尋ねると、今日は大丈夫
だという。元気を出してトオルの手を引き
学校へ行こうとするるんだったが、トオルは
また冷静にならざるを得ない。るんが引いて
いたのは、たまたま近くを通った小学生の手
だったのだ。

 トオルが中学生だった頃、特に受験でるんと
会う機会が減っていた頃は、るんはどうやって
過ごしていたのでしょうね。この冒頭の場面を
見る感じでは、学校に遅れそうになる事は
しょっちゅうで、忘れ物も多い、みたいな姿を
想像してしまいます。
 でもまあ大騒ぎするような事態にまでは
なっていなかったようにも思えます(もしそう
なっていたら、トオルも呼び出されていた
でしょうし、後で語りぐさにもなっていた事
でしょう)。時々ドジを踏んでは、ナギや
ユー子を心配させたり笑わせたりするぐらい
だったのかもしれません。

 そんな風に考えると、今のるんの暮らし
ぶりは、ちょっとゆるんでいるぐらいの状況
ではないのでしょう。そのままでは小学校に
登校しちゃいそう?
 これには、トオルの存在が大きな影響を与えて
いるのでは、という気がします。昔からの経験で、
るんは、そばにトオルがいれば何があっても
安心だと確信しているのではないでしょうか。
自分が思うままに行動しても、トオルさえ
近くにいてくれれば大丈夫だと。(たぶん実際
には、るんの気づかない所でトオルが懸命に
フォローしているからるんが妙な事にならずに
いられたのかもしれません。るんはその辺りの
事情を知らない(トオルが知られないように
努力しているから)ため、トオルがそばにいると
いつも物事がうまくいく、と、感覚的に捉えて
いるのかも。)

 ではトオルはどうなのでしょう。るんのいない
場所で、トオルはどうやって過ごしているの
でしょう。
 という所がここでは描かれていきます。ナギ
達がのぞき込んだ教室では、自分の役目を
きっちりこなし、あまり出しゃばったりはせず、
誤りはさりげなく訂正する、そんな優等生な
トオルがいました。
 これは、るんにとっては当たり前でも、ナギや
ユー子にはとても意外だったようですね。確かに
2人の目から見えている日頃のトオルといえば、
るんのそばから離れたがらない姿を思い出す
でしょうし、それに金属バットを振り回す様子の
インパクトが強すぎて、そういう女の子だとしか
思えなかったのかもです。

 トオルの新しい一面を見つけた2人は、何だか
面白くなって彼女を冷やかしていました。普段は
ナギにだけでなくトオルにもいじられっぱなしの
ユー子も、ここではからかう側に回っています。
 トオルの方はというと、あまり強く言い返せて
いない感じです。真面目にしている自分を
見られて恥ずかしかったのでしょう。

 トオルは、いつでもるんが一番なのでしょうね。
自分が努力したり我慢したりするのは、すべて
るんのため。だから他の人が自分をどう見ているか
なんて知りもしないし、努力の結果が自分の評価に
つながっているなんて考えた事もないのでは、
という気がします。
 るんの身だしなみ(靴下とか)には気を遣っても、
自分の制服の袖が半端なく余っているのは気に
しない、そういった所も、トオルがるんばかりを
見ているのを何となく示しているように思えます。
体操服にしても、ほとんどワンピースになってる
シャツの裾を違和感なくブルマーに収納するのは、
トオル本人には別にどうでもいい事だったのかも
しれません。それをるんにほめられた事の方が、
彼女にはとても重要なのでしょう(それにしても
どうやってあれだけの布地を目立たせずに
しまえるのか、、、かなりのテクですね)。

 自分が誰かから憧れられるなんて、トオルは
思いつきもしなかったのでしょう。しかも同級生
から。ユタカはトオルについてとても熱心で、
トオル本人にも負けないぐらいトオルに向かって
突き進んでいる雰囲気です。それに同じ学年
なのに敬語で話しかけられて、トオルは何だか
とても戸惑っているようです。
 ユタカといると、自分が今までの自分で
いられなくなってしまう、みたいな事まで、
トオルは考えてしまったのかもですね。2年の
教室に行ってるん達と一緒にいて、るんのために
精一杯の努力をする、自分はそういう人間なんだ
と思っていたかったのでは。ユタカから逃げる
ようにしてるん達の所へ行ったトオルがとった
行動は、自分が安心していられる日常に、何とか
しがみついていたい気持ちの表れなのかも、
という気がします(ユー子に対してだけ微妙に
表現の仕方が違ってますけど)。

 ですが、トオルはこのままだと気持ちが(体が、
じゃないです)成長できないのでは、という気も
します。自分が理解したくないものがあったから
といって、いつもそれを避けてばかりいては
前へ進めないというか。友達を増やすせっかくの
チャンスに背を向けて、るんとの関係にずっと
しがみついていては、彼女自身の学校生活を
豊かにする事が難しくなってしまいそうに思えます。

 まあ今の所はユタカのアプローチが一方的すぎる
というのもあるかもしれませんね。そこは彼女と
同中のミホにうまく操縦してもらって(といっても
ミホもトオルのファンらしいですけれど)、1年生
同士の友情も育てていけると良いように感じます。

 他には、前半の最後でトオルがるんの教室に行く
場面もなかなか良いですね。挿入歌も流れていて
雰囲気がありました。誰もいない教室の場面だと、
よくある流れでは、思っている相手の席に座る、
というのが考えられます。が、トオルはそうしていない
ですね。彼女は、るんの机ではなくその隣の机に
座っています。
 たぶんトオルは、別にるんになりたいと思って
いるわけではないでしょうし、るんのぬくもりを
感じられないほど離ればなれなわけでもない
でしょう。彼女が望むのは、同じ教室で同じ授業を
受ける、そんなささいな、でもなかなか実現できない
事なのでしょうね。ナギやユー子が知ったら、休み
時間によく来てるし登下校は一緒なんだから
いいじゃない、と言われるかもしれません。けれど
るんとの間がそういう関係であっても、トオルには
まだ望んでしまうものがあるのかもですね。

 その他、本編中ではコミカルな場面がたくさん
盛り込まれていますね。冒頭の場面でナギが
飲んでいたのは、「POCARI SWEET」とか?
これはとてつもなく甘そうです。
 またナギといえば、公式サイトで配信された
トレーラー映像第2弾で使われていたせりふが、
ここで登場しています。「パンツじゃないから
恥ずかしくない」って、、、あの作品ですよね。

 後は、第2話で怪しげな登場の仕方をしていた
佐藤先生が本格的に姿を見せています。ていうか
るんへの執着ぶりはやはり怪しいですね。トオル
も徹底的に追い払いたい所でしょうけれど、
相手が先生だと今までとはちょっと勝手が違う?
またるんが無防備に相手をしています(こういう
無防備さがあるから男子に人気なのかも?)。でも
別に佐藤先生に興味があるわけではなさそう
ですね。

 それと、「ノーミュージック、ノーライフ」と
ばかりに音楽プレイヤーをるんが手にする場面も
面白いです。限定カラーをゲットするなんて、意外に
音楽好き? と思わせておいて実はオチがあったり。
新しいものがやってきても、変わらない自分の
やり方で力ずくでもものにしようとするるんの
一面が見られたような気がします。結果的には、
やはりトオルがきちんとフォローしたようです。

 トオルもるんも、変わっていない所はたくさん
あります。第1話でも、るんは、自分達が変わって
いないとトオルに教える事で、トオルの不安だった
気持ちを和らげています。
 変わらなくていいもの、変わっていった方が
いいもの、人にはいろいろあるでしょうし、
その選択が他の人と食い違う場合もあるでしょう。
それでも相手に親しみを感じられる気持ちさえ
同じなら、いつでも寄り添っていられるのでは
ないでしょうか。トオルとるんも、お互い成長し
変わっていくものがあっても、彼女達の間にある
愛情をずっと持ち続けていけるのでは、という
気がします。

・「Aチャンネル」レビューリストレビューセンター

|

« Aチャンネル レビューリスト | トップページ | アニメ「もしドラ」 前半 »

作品 Aチャンネル」カテゴリの記事

百合レビュー」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/25344/39806200

この記事へのトラックバック一覧です: Aチャンネル 第3話:

« Aチャンネル レビューリスト | トップページ | アニメ「もしドラ」 前半 »