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2011年3月 7日 (月)

スイートプリキュア♪ 第4話

 奏は実は大変なピンチに陥っているような
気がします。ちょっとでも間違えばそのまま暗闇に
沈んでしまいそうなほどに、、、。彼女がもし、
そこから抜け出せるなら、それはプリキュアの力の
おかげじゃなく、響の力強い言葉と、それに彼女と
積み重ねてきた思い出のおかげなのではないで
しょうか。

 テレビアニメ「スイートプリキュア♪」、第4話
モグモグ! 奏が見せる気合いのレシピニャ
です。
 繁盛している奏の家のカップケーキ店「ラッキー
スプーン」のテラス席では、ハミィが奏の作った
カップケーキに舌鼓を打っている。隣でもう
待ちきれなくなっている響の所へ、奏は特製の
ケーキを持ってきた。さっそくありつこうとする
響に、しかし奏は待ったをかける。彼女が言う
には、ケーキの色や形にも注意してほしいらしい。
実は彼女は、今度行われるケーキコンテストへの
出場を考えているのだった。

 奏が響に手作りケーキの感想を聞こうとしたのは
なぜなのでしょうね。奏はスイーツ部に入って
いますので、部活仲間や先輩に試食してもらう方が
的確なアドバイスをもらえそうな気もします。
手作りデザートについて、日頃から感想を共有したり
レシピを研究したりするのにうってつけの部活に
いるのに、奏は響を選んでいます。
 もしかしたら奏の中では、甘いものと言えば響、
という図式ができあがっているのかもですね。
理由なんて深く考えた事はないけど、でも奏に
とっては、お菓子を通じて響と向き合えるのが
とても嬉しいのでしょう。

 ケーキコンテストのために研究に余念がない
奏は、急いでいて人とぶつかってしまいます。が、
彼女が一番最初に気にしたのは、ケーキの事。
理由はコンテストとかよりも、響に食べてもらえるか
どうかの方が大きかったようです。

 とはいっても、パティシエになりたいという
気持ちも強く持っているのですよね。そのために、
彼女はセイレーン(が変身した人)にそそのかされて
しまい、危険な状況へと踏み込んでしまっている
ようです。

 相手を有名なパティシエだと信じ込んでしまった
奏は、言われるとおりのケーキを作っていきます。
いえ、ちょっとおかしいなとは思ったのかも
しれません。が、今の自分をもっと高めたいと
願っていた彼女は、自分のレパートリーにない
ものを、自分が勉強するべきだと思ってしまったの
でしょうね。
 、、、そこに、「不幸のメロディ」が重なって
いきます。演出的にも、奏とセイレーンが話し合って
いる所で、いつの間にかBGMが乗っ取られていて、
恐ろしさが強調される場面だったのではないで
しょうか。

 この時の奏は、ネガトーンに悲しいメロディを
聞かされた街の人達と同じような状況だったとも
言えるでしょう。苦しめられたり操られたり
といった状態ではないですが、彼女の考え方は
ネガティブな方向に引っ張られているようです。
 皆を救うプリキュアである奏が、マイナーランド
の罠にかかってしまったわけですから、実はかなりの
ピンチだったようにも感じられます。たぶん奏の
自力だけでは抜け出す事はできないでしょう。

 セイレーンが奏をそそのかす言葉が、少し
気になりました。「本物の友達なら、あなたの
ケーキをほめるはず」というものです。
 これは、自分のケーキを響だけがほめてくれない、
と奏が言ったのを受けてセイレーンが答えた
でまかせだったようです。けれどこの場面では
意味深のような。
 確かに響は、奏がセイレーンにもらった
危なそうなクリームで作った「黒いケーキ」を
ほめませんでした。でもスイーツ部の仲間達は、
「すごい」とほめているのですよね。
 セイレーンの言葉通りに、ほめるのが本物の
友達なら、スイーツ部員達が友達で、響は違う、
という事になります。そして、簡単にほめずに
本当の感想を言うのが友達なら、響こそが友達で、
スイーツ部員達は違う、となってしまいますよね。
どちらにいったとしても誰かは奏の友達で
いられなくなる事になってしまいそうで、、、。
そんな風に考えたら、奏はクラスメイトや
部活の仲間を簡単に信じられなくなって
しまうのでは、という気がします。
 まあたぶんそういう事はなくて、奏は最初
から素敵な友達に囲まれていたのでしょう。
またとりわけ仲がいいのが響なのでしょうね。

 ところで黒いケーキなんですけど、意外と
こった造りのように思えますね。表面に白い
クリームで書いたらしい蜘蛛の巣は、実は
セイレーンの差し金じゃなく奏のオリジナル
のアイディアだったり? 奏はオープニング
映像でも黒っぽい色のケーキ(たぶんチョコ
ケーキでしょう)を作ってますし、白いだけ
じゃないケーキのバリエーションには日頃から
気を配っているのかもです。

 ケーキと言えば、スイーツ部の部長、東山聖歌
が、やや目立ってきている感じですね。これからも
出番は増えていく? 名前に「東」が入っています
から、「北」条響、「南」野奏とともにプリキュア
の秘密を共有するようになったりするでしょうか。
名前に「西」が付くキャラとともに、どんな
振る舞いをするのかが興味のある所ですね。
(それにしても「スイーツ姫」というあだ名も
なかなかですね。「王子」先輩と意外にお似合い
だったり?)

 後は、助っ人専門でスポーツ部を渡り歩いて
いる響は、この話数ではテニス部の試合に
出ているようです。この後も、いろいろな部活
に顔を出す事になると予想されます。そのたびに、
彼女は各種競技のウェア姿を披露するのかも
しれません。

 自分の感じたとおりに感想を言ったら、奏が
怒り出した。響はその事で、奏との間に少し距離を
感じてしまったようです。が、第2話で奏の
本当の気持ちを知った今の響には、そんなもの
目じゃないのでしょうね。彼女なりに気合いを
込めて、奏に自分の気持ちを伝えます。

 胸にぐっとくる言葉を響からもらった奏は
というと、相変わらず怒ったような物腰で調理室
に戻り、かなりの剣幕でコンテストの練習をします。
ところができあがったケーキは、、、。奏と響の
絆が、マイナーランドの罠など簡単に飛び越えて
つながっていく瞬間なのではないでしょうか。

 そこからの2人は、もう言ってる言葉や表情が
もう何だか甘々ですね。奏がケーキを作り続ける
理由、なぜ響は彼女のケーキを食べるのか、
お互いの一番って誰なのか、、、。相手に確かめ
なくても、彼女達は答えを出せているようです。
 他にも、響が奏に「あーん」とかもしちゃって
ますね。それから最後の場面の響と奏の表情も、
いい雰囲気です。

(この話数でこれまで盛り上がってしまうと、
この後がどうなるか気になってしまいますね。
響との関係に満足してしまった奏が結局男子の方へ
行ってしまう、なんて事がないように願いたい
です。)

 ここでは、ケーキを間に挟んで響と奏の気持ちが
ほんのりとふれあうエピソードが描かれています。
ですがまだ、彼女達には寄り添いあうために
必要なものがもっとあるのでは、とも思えます。
これからの物語で、少しずつでも彼女達がそれを
見つけ出せるようになると良いですね。

・「ふたりはプリキュア」レビューリストレビューセンター

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