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2011年3月24日 (木)

魔法少女まどか☆マギカ 第10話

 答えを求めてさまようほむら。彼女が果たそう
としたのは、まどかとの約束ではあったのでしょう。
ですがその気持ちは、少しずつ変わっていったとも
感じられます、「時間」とともに。ほむらが満足
しない限り、彼女は自分を解放できないのでは、
とも思えますね。そしてようやくまどかがあの
コスチュームを、、、?

 アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」第10話、
もう誰にも頼らない」です。
 見滝原中学のとある教室。まどかのクラスだ。
朝の教壇に招かれた1人の少女は、人見知りが
激しいのか、うつむいていて声も小さく、言葉が
たどたどしい。とても長い黒髪はヘアバンドで
押さえ、二つに分けて編み下げている。四角い
縁取りの眼鏡の奥には、不安げな瞳が見える。
病気がちで休学していたという彼女は、緊張気味
に口を開いた。「暁美ほむら」と、自分の名前を
告げる。

 ここでは、ほむらの視点から物語が描かれて
いますね。第1話でのまどかに対する接し方や、
その後見せていた態度の理由もわかってくるの
ではないでしょうか。

 やはりほむらの時間を扱う能力が大きく関係
するようです。彼女の場合、世界全体に影響を
与えられるみたいですので、単にまどか達の周り
で働いている時間軸以上のものを操作できるの
かもしれません。
 それにキュゥべえは、ほむらがどうやって今の
まどかやキュゥべえ達の前に現れたのかを知らない
らしいです。確か以前の話数で「イレギュラー中の
イレギュラー」とまで言っていた気がします。
「エントロピー」を制御しようと考えたり、その
ために少女達のどんな願いでも叶えてしまう
(物理法則を変えるほどの事もできるみたいです)
ほどの力を持っているインキュベーターでも、
ほむらの正体を見抜けないようですね。キュゥべえ
の場合は言っている事がどこまでが真実なのか
よくわからないのですけれど、少なくとも今の
ほむらに対しては特に対策しようとは考えていない
感じです。
 、、、でも何というか、自分でも抑え込めない
ような力を、キュゥべえが他の誰かに与える事が
できるのかどうかというのは少し疑問かもですね。
それに「物理法則をねじ曲げるほどの力」を与え
られるなら、それを使ってエントロピーを何とか
すれば良さそうにも思えてしまいます(エントロピー
という概念自体、人間がネーミングできるぐらいの
ものでしょうから、キュゥべえ達にとって操るのは
難しくなさそうですし)。
 また、魔法少女になる契約を結ぶ事で、まどか
達のような人間の女の子がそれほど大きな力を
得られるなら、それを使ってこの危険な状態を
変える事もできそうです。エントロピーについては
どうすれば良いのかよくわかりませんけれど、
魔女を生み出させない、とか、インキュベーター
達につけ込ませないような世界を導き出す事とかは
できそうにも感じられます。
 もっとも、それには犠牲を伴ってしまうの
でしょう。たった一度、世界の安定を願えば済む
事なのかもしれません。が、その願いを叶える
には、確実に、1人の少女の命が捧げられてしまう
、、、。ほむらは、それだけはどうしても避けたくて、
自分から遠い出口を求めて飛び込んでいったのかも
です。

 ほむらの目が見てきたのは、何だったのでしょう。
まどかの笑顔、優しい気遣い、自分の名前を
かっこいいと言ってくれた時の表情、、、。
魔法少女として戦うりりしい姿、魔女の真実を
知った時の絶望、濁りきったソウルジェム、
その先に待っていた世界。

 それを何度も繰り返しながら、ほむらは、どこかに
あるはずの答えを探しているようです。時間を
操る能力を持っている彼女には、探すための時間は
無限にあるとも言えるでしょう。これが、引っ込み
思案で人見知りで、臆病なまでに慎重だった彼女が
手に入れた、唯一の戦い方だったのではないでしょうか。

 ですが、ちょっと心配になってしまう事もあります。
いくらなかった事にできるとはいえ、どの時間の先でも
必ず一度は、彼女の目の前で、彼女の望まない出来事が
起きるのですよね。具体的な内容は場合によって
変わってくるようですけれど、時間を操らなければ
ならないとほむらが判断するような痛ましい出来事が
、、、。それを常に見せ続けられるほむらには、本人も
気づかない内にかなりのプレッシャーがかかって
いるように思えます。
 それがほむらのもともとの目的を見失わせるの
ではないか、という所が気になります。いったい
どうなれば、彼女はこの戦いをやめてもいいと
思えるようになるのでしょう。「ワルプルギスの夜」
を倒す事でしょうか、それとも彼女達の住む街を
破壊させない事でしょうか、または他の何を
失ってもまどかだけを助ける事なのでしょうか
、、、。この辺りが後のストーリー展開に関係する、
かな?
 それと、物語上は、このままずっとほむらのやり方が
続くとも考えづらそうですね。物語を進めるために
何かが起きそうな。既に、ワルプルギスの夜-魔女-
魔法少女-まどか、という関係は語られていますので、
もっと他の事がある? まどかは、第1話で「夢の中で
逢った、ような、、、
」と言っていますから、時間の
つながりにほころびが見え始めている可能性もありそう
です。

 途中の場面で、まどかはほむらに、「キュゥべえに
だまされる前のあたしを助けて」みたいな事を言って
いました。(この時は、「キュゥべえは自分達を
だましていた」という意識はあったようですね。)
この言葉には、暴走するかもしれない自分を止めて、
といった意味があるのでしょう。でも何となく、
ほむらには自分に常に注意を払っていてほしい、と
ねだっているようにも感じられるような。
 まどかの言葉に対するほむらの返事も、百合っぽい
感じでした。そしてほむらの答えを聞いたまどかは、
「良かった」と安心したような話し方をしています。
ほむらがここまで思ってくれていた事を知って、
まどかはとても嬉しかったのかもですね。
(でもその割には、すぐ後で、守りたいものが
「たくさん」この世界にある、といった言い方を
したりしていました。まどかにとってほむらは、
「たくさん」の中の一つ、って事、、、? まああまり
そういう風には思いたくないですね。)

 百合的といえば、2人が制服姿で一緒に横たわって
いる姿とかは、彼女達の位置関係がそれっぽい感じ
です。また、ずっとまどかを「鹿目(かなめ)さん」と
呼んでいたほむらが、初めて下の名前で相手を
呼んだ後の場面、別の時間軸でいきなり「まどか」と
言っていたのもなかなかかもです。ほむらにすれば
ずっと恥ずかしくて呼び慣れなかった言い方だった
はずですが、まどかが喜んでくれたから、下の名前で
呼ぼうと決意したのではないでしょうか。あの場面、
ほむらは、抑えの効いた落ち着き払った声で
話していましたけれど、実は内心どきどきだったの
かもしれません。

 といった感じで、ほむらの事情が明らかになって
くるのと一緒に、彼女のまどかに対する考え方
みたいなものも見えてきている感じです。この後も
百合的に盛り上がる展開になってもらいたい所
ですね。どうなっていくでしょうか。

 それにしても、ここでやっと「魔法少女まどか」が
登場してますね。バトルも見せていますけれど、
ほむら視点だからなのでしょうか、前面に出ている
感じはちょっと少ないですね。オープニング映像に
あるような場面も出てきていませんし、やはりどうも
あの映像は、作品を反映していない?
 ちなみに、「コネクト」と一緒にオープニングで
流される映像は、この第10話では最後に流されて
いました。その際後のカット、いつもならまどか、
マミ、さやかの3人が一緒にいるカットに、後2人
が追加されていますね。これはエピソードの内容を
反映したものだったりするでしょうか。

 なお、この作品はTBSMBSCBCでテレビ
放送されていましたが、この第10話から放送
一部休止(最初の頃は「自粛」とアナウンス
されていたかも)されているようです。番組表
からもエントリーは消えているみたいなので、
これからも放送する予定はないのかもです。
 その代わり、ネット配信は続けられていますね。
アニメワンニコニコ動画ShowTimeで見る事が
できるようです。ShowTimeでは第10話は配信が
1週間延期されていましたが、3/25から再開する
らしいです。テレビ放送で見ていた方には、ネットに
切り替える、という選択肢がありそうです。

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